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謁見

 騎兵約三百騎とその家族など非戦闘員約六百名のおよそ千人、デリーの人口の一割が自分たちで築いた街に別れを告げ、街道をほぼ真西に進んで大きな問題もなく三日、キャメロットの城壁へたどり着いた。天を(こす)るがごとくそびえる城壁、各地から集まった反攻軍参戦者の掲げる色とりどりの旗でまだらに染まる城門へ続く道。彼らはここキャメロットで、ついに来る反撃の時を待つのである……。




「失礼します」


 礼服に身を包んだアンリは中央広場に面するキャメロット騎士団屯所の応接間にルイと共に入室した。そこには豪奢な椅子に深く腰掛けた白く立派な髭をたくわえる歴戦の騎士があった。


「ほう、君が竜殺しのアンリか……。私はルビレ、今次の反攻軍の総司令官を務める者だ」


 ルビレは顎に手をやり、いぶかしげな目でアンリを見る。


「チェンバレン卿から聞いたが純血だそうじゃないか」


「チェンバレン卿?」


「ここの役人だよ、スカウトで各地に回ってもらっていた。……純血にしては貧相な体躯だが、本当に戦えるのか?」


「一人では、何もできません。ですが、信頼しあう仲間と共にあれば……飛竜も墜とせます」


「ふん、私にとっては前線で戦う者こそ尊い、たとえ純血であろうと他の長老たちのように特別扱いはないぞ」


「もちろんです、私は神族であると同時に一騎士、大陸解放を願う一人の戦士です」


 まっすぐな視線と共に発した言葉の後、沈黙が続いた。ルビレの表情は険しく、応接間に重い空気が流れる。しばし経って言葉ないルビレの合図でアンリたちは退出した。


「一人の戦士、か……その実力、実戦で見せてもらおう」


 息をするのもためらう静寂を突然に破くルビレのつぶやきに、衛兵は少しぎょっとした。

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