表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/33

ステータス③

「お疲れ様でした、皆様ステータス確認終わりましたね、私どもが予想していたよりも遥かに素晴らしい結果でございました、皆様の活躍を期待しております」


なんでもどんな職業でもレベル1の時のステータスはよくてもD、ほとんどがEかFなんだそうだ、C以上、AましてやSさえも連発した俺たちはやはりスゴいらしい。


それに加え、職業もユニークから希少、上級職のオンパレードなのだ。

貴族たちは早くもギラギラした目をしていた。


「さあ、皆様、本日は簡単ながら歓迎のパーティーを用意させて頂きました、ぜひ楽しんでくださいませ」


アイリスの言葉の後、メイドさん達が入室してきて、

「お嬢様方は私に付いてきてくださいませ」

と女性人が別室へと移動していった。

「殿方はこちらです」

そう言って俺達が案内された部屋には無数の礼服があって、メイドさんたちに手際よくコーディネートされていった。

黒いタキシードに身を包み髪の毛までもバッチリ固められてパーティー会場へと案内された。


扉を開けて入室すると煌めくシャンデリアの下、大きなテーブルには数多の料理が並べられていて、食欲をそそる香りが入り口まで漂ってきた。

「「おおー」」とあがる歓声、育ち盛りの男子達はご馳走を前にそわそわしだす。

椅子などはなく、どうやら立食形式のようだ。

料理に手をつけていいのかわからないでいるとピンクのドレスで着飾ったアイリスが俺たちの前にきて、

「皆様、よくお似合いです、楽しんでくださいね、どうぞどんどん食べてください」

「ありがとうございます、楽しませていただきます」

爽やかに微笑む剱崎にほんのりと頬を染めるアイリス

「さあ皆、せっかくこんな美味しそうな料理を用意していただいたんだ、ありがたくいただいて、明日からの鍛練にそなえよう!」


剱崎の言葉にメイドさんから皿を受け取り、我先へと料理に群がっていく。

わいわいと楽しそうだ。

俺は少し離れたとこで波がひいてから取りに行こうと様子を伺う。

俺が壁の華、もとい壁の染みになっていると、再び扉が開き、女性陣が入室してきた。

瞬間、料理に夢中になっていた男たちから歓声があがる。

「「「おお!」」」

それもそうだ普段の制服とは違い皆、華やかなドレスを身に纏っているのだ。

先頭を歩くのは胸元が大きく開いた明るい紫色のドレスを着た西條紫音、紫は身につける人物によって上品にも下品にもなる色だけれど彼女の場合は前者、とても気品に溢れている、それに他のクラスメイトと違って慣れているって感じもする、高いヒールも難なく履きこなして、見られることに慣れているような堂々とした立ち振舞いだ。

その隣、紫音に手を引かれながら慣れないヒールによろめきながら歩いているのが雪羅だった。

水色のドレスに胸元には青空のような色の宝石があしらわれたペンダントを着けている。

そして続くのが政宗凜、もとより運動神経が良いのだろうバランスを崩すことなく綺麗な姿勢で歩いている。身に纏ったドレスは緋色で背中が大きく開いていてセクシーだ。


他の女子も色とりどりのドレスに身を包み、とても華やかだ。


居れもも彼女たちに見とれてしまっていると、紫音に手を引かれた雪羅が俺の前にやって来た。

「星宮くん……どう、かな?」

不安そうにだけれどどこか期待のこもった瞳で見つめられた。

この時ばかりはただ目の前の女の子が可愛すぎて昔のことは思い出さなかったけれど、何故か心臓がバクバク鳴って、言葉もでなくなってしまった。

それでもたった一言でいい、言わなきゃと必死に声を絞り出したんだ。

「……に、にあってる、綺麗です」

消えてしまいそうな掠れた声になってしまったけれど、彼女はぱぁと華やいだ表情を見せてくれたんだ。

「ありがとッ」


「うふふ、星宮さん、女の子をエスコートするのは男性の役目でしてよ、はい」

紫音はそう言ってぽんと雪羅の手を俺に渡した。


「へ?」「ふえ?」

思わず受け取ってしまった俺は慌てて

「さ、西條、なにを」

「紫音!」

「雪羅は嫌でして?」

「そ、そんなのとはないけど……」

握られた手と俺の顔を交互に見てくる雪羅は

「ご、ごめん、すぐ離すッ」俺が慌てて手を離そうとすると、逆にきゅっと握りしめてきて

「……だめ?」

「だ、だめじゃないけど……」


そんな俺たちを見ていた紫音はパチンっとウィンクをするとさっそうと去っていってしまった。


二人残された俺たちは顔を見合わせると

「……なにか、たべる?」

「……うん」


俺のエスコートはぎこちなかったけれど、彼女は楽しそうにしてくれたんだ。

その日はたくさんの料理があったけれど、もう何の味もわからなくなってしまった。

読んで下さりありがとうございます!

「面白い」「なんかもにょもにょする」「右手が疼く」と感じた方はブクマ、評価、感想よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ