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ラルズの大墳墓②


その後、骨を砕いて先へ先へと進む。


そして第十層、ボス部屋の前へとたどり着いた。

扉を開く前に詠唱を開始する。

「7月25日、雨、俺は雨が嫌いじゃない、俺の濁った心を洗い流してくれるからだ、傘もささずに雨にうたれる、たまにはこんな日も悪くない」


扉を押す、ボス部屋に入りボスが顕現した瞬間、詠唱を終えた魔法を放つ!

「ー発動【水槍雨】」


骸骨巨人、倒し方はもう知っている。

クラスの皆の戦いを見ていたからだ。


水の槍が降り注ぎ、骨を穿っていく。


水槍の雨がやむ前に次の詠唱へとうつる。

「6月2日、曇りーーー

ーーーーー穿て一筋の光!

発動【光槍(ホーリーランス)】」


骸骨巨人の骨が砕かれ、核が露出した瞬間、光の槍が貫いた!




☆☆☆


少し休んで先へと進む。

一日が経過し、二日が経過し、暗いダンジョンのなかを1人で進む、時計なんてない時間の感覚がわからなくなってくる。

アイリスから貰った皮袋はマジックアイテムで、見た目以上に物が入るアイテムバックだった、その中に一月分の食料を入れてくれていた。


食料の減り具合から日数を計算する。

おそらく一週間は経過したのだろう。


34階層にまでたどり着いていた。

レベルも上がり新たな力が解放された。


「ステータスオープン」


ーーーーーーーーーーーーーーー

星宮流星 レベル46

職業【闇を纏いし星屑】

力 B(A+)

魔力 C(A)

速さ C+(S)

魔法抵抗 E(B)

物理耐性 D(A)

スキル【言語理解】

【狭間の備忘録】【†常闇の魔導書†】

ーーーーーーーーーーーーーーー




【宵闇の魔導書】を取り出す。

光っているページが一枚あった。

そのページをめくり、呼び出す。

「来い!星剣スターライト、魔剣ダークエンド!」

宵闇の魔導書が消え2対の剣が俺の手の中に顕れる。



【星剣スターライト】

星閃竜スターライトの力を剣へと形成したもの。

【魔剣ダークエンド】

邪王龍ダークエンドの力を剣へと形成したもの。


剣へと形作ることで2匹の竜種の強大すぎる力を扱えるようにしたという設定だった。



俺は黄金色の星剣と漆黒の魔剣を手に魔物へと向かう。


2対の剣は驚くほどに手に馴染んでいた。


一振りの閃光が闇を貫く。

ダンジョンの闇のなか更に深い闇が覆う。


剣の振り方は身体が解っていた。

先へ先へと全てを切り裂いて前へと進む。

深く深くダンジョンを潜っていく。


更に一週間程が経過しただろうか?

54層にまで到達した。



「結構深くまで来てしまったな、後少しで最高到達階層の62層か」


悪寒がはしった。

反射的に左手の魔剣を真横に凪いだ。


ガキン、金属にあたった手応え、斜め後ろにとびずさり間合いをとる。


そこにいたのは一体の骸骨。

薄汚れてはいるが見るからに上等な鎧に業物の大剣を構えている。

……強い。


俺も構える。

強者を目の前にして荒くなる呼吸を調える。

ふぅと息を吐いた瞬間ッ、瞬きする間に間合いを詰められたッ!

とっさに剣をクロスしてガード、大剣を受け止める……重いッ


受けきれない、そう判断しかかってくる圧力に抗わず、後ろに飛んでそのまま吹っ飛ばされるように間合いをとる。

飛ばされている間に日記を詠唱し、着地と同時に【フレイムバレット】を放つ。

直線上に飛んで行く炎の散弾。

それをヤツは半身捻ってかわし、大剣の腹で受け流し一歩一歩、間合いを詰めてくる。


俺は更に詠唱、「ー発動【スピードスター】!」

力で敵わないなら手数で勝負する。

スローモーションになったセカイで俺はヤツに肉薄し、右手の星剣で斬りつける。

しかし、防がれてしまう。

続けて魔剣で、さらに流れるような連撃、星剣を振り下ろし魔剣で突く、魔剣で突いた勢いのまま身体を回転させ回し蹴り、再び星剣を横に凪ぐ。


しかし全てを防がれてしまった。

スピードスターの発動中、間違いなく俺の方が速度は上のはず、なのに斬撃の先には既に大剣がおかれていて弾かれる。


スキルに頼っただけでない、気の遠くなるような修練と数多の戦の果て、剣の頂がそこにあった。



……勝てない。

どうあがいても剣では勝てない。

……だから


ヤツが攻撃へと転じたら俺の首は胴体と離れる、そんな確信があった。

スピードスターの続く限り、剣を振る、防がれたってかまわない、手をとめない、攻撃を途切れさせない。

この間だけはヤツは防御にまわらざると得ないから、


必要なのは時間だ。


俺は攻撃を続けたまま体内で魔力を練る。

スピードスターの効果がきれる、セカイが元に戻る。

ヤツの大剣と俺の星剣と魔剣がつばぜり合う。


「すいません、ズルします」

スピードスターの効果がきれた瞬間、練り上げた魔力を魔剣ダークエンドへと流して、

「……邪王龍解放【邪王龍咆哮(ダークエンドブラスト)】!!!」


轟音と共に闇がセカイを染め上げた。


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