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災厄の暗殺者   作者: 風音霧
鮮血の華咲く教会
3/3

令和になり初投稿です。これからもぼちぼち投稿していきます。よろしくお願いします。

 燐堂から依頼を受け、朧は目標の情報を集めることにした。すぐに潜入捜査してもよいのだが、それだと暗殺する際に、返り討ちに合う。それは、朧自身がこの仕事とをするようになってから一番最初に学んだことだ。しかし彼は情報収集が得意ではない。いつもなら弟子に集めさせるのだが、生憎と彼は現在、北欧に出張に行っている。師匠である朧が、その仕事を投げ出し、代役として行っているのだ。朧は不用意にも、許可した自分を悔やみながら、他に使えそうな人材がいないか、頭の中で思い浮かべる。だが、だんだんイライラしてきたのか思考放棄する。頭はいいほうなのに。すると、コンテナの扉が開いて、男が一人入ってきた。ぼさぼさの髪にはくせっ毛が残り、眼鏡をかけ、タバコを咥えている。学者なのか、ピシッとした白衣を纏っていた。そして-

「あら? 朧ちゃん帰ってきてたの? 帰ってきたなら帰ってきたで連絡くらい寄越しなさいよ」

 -オカマだった。しかし朧はそのオカマを見た瞬間、残像が残るスピードで飛びついた。

「周ちゃあああああん! お前がいることをすっかり忘れてたぜえええええええ!」

「え? え? 何のことわからないんだけど!?」

「お前は何も知らなくていい・・・。だが! お前のその力を俺のために行使しろおおおおおおおおおお!」

「ええ!? 勿体ぶらないで教えなさいよ!!」

「いいから! そういうの本ッ当にいいから! 早くしてくれ俺はこの仕事を終わらしてダラダラしたいんだああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「自分の欲に忠実ね貴方!」



「なるほどねぇ。イーストル教会・・・。最近噂の宗教団体よここ」

「そう。燐堂の依頼で此処の暗殺をすることになった。連続焼死事件に関わっている可能性があるんだと。どう思う? 周」

 周と呼ばれた青年は先程燐堂が持ってきた資料動画を見て、唸っていた。

 本名周 蓮星。彼は朧が災厄の暗殺者であることをしる数少ない朧の友人だ。普段は人工島内の名門大学で教授として働いている。しかし、裏の顔は凄腕のハッカーにして違法武器製造、薬品による暗殺、死体の処理、隠ぺいなど、裏社会の全てを取り仕切る男である。彼は以前、朧を殺そうとしたが、返り討ちにあっている。加えて、どちらかが危機的状況に陥れば助けに行くほどの戦友でもある。ちなみに彼は、日本国籍を持った中国人である。

「これ合成じゃないの?」

「本物だ。何十回も確認したらしい」

「なんで私に?」

「お前には、イーストル教会について情報を集めてほしいんだ。俺は明日から、潜入捜査なんでな。いけるか?」

「少し困難ね・・・。ここ第五層でしょ。第六層に住んでる私だとホームページしか見れないわ。あなたのお弟子さんに頼めば?」

「今北欧に出張中だ」

 周は目を閉じ、考えながら言った。

「・・・第四層の燐堂ちゃんの権限と貴方の災厄の暗殺者としての権限、報酬500万くれるんだったらやってあげる」

「オーケー。しかし権限は今回限りだ。あと燐堂の連絡先はこれな」

「ありがとう。情報収集は私に任せて、安心して潜入して来なさあい!」

「そのつもりさ」


 翌日、イーストル教会に全身黒ずくめの青年が来訪してきた。

「おはようございます。教会に何か御用でしょうか?」

 青年はコクリと頷く。すると、対応していた修道女が何かを察したのか、満面の笑みで言う。

「もしかして、入信希望者ですか?」

 青年はまた頷くだけ。

 彼女は、それを見るとはしゃぎながら、手を叩く。

「わあ! 嬉しいです! さあ、どうぞこちらへ」

 彼女はクルッと回り、入り口に向かって歩いていく。そして、その背中についていく青年。

 その青年-虚木 朧の顔には獰猛な笑みが浮かんでいた。


次回はいよいよ教会へ! 

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