あほチラリズムに、はしゃぐ
数年前の話。会話多目で、かなりトリミングされている。
面白さは・・・控えめかも。落ちがない。
ある晴れた風の強い日、助手席に仕事の同僚を乗せて運転していた。確か研修の帰りだった。
異性の同僚だが、割りと気心も知れてる奴で、カーステレオからは当時流行っていた曲が流れ、会話もなく、ぼけーっと頬杖でお互いだらっとしていた。
マナー口座の笑顔の訓練とか、勘弁して欲しい。
駅前のラーメン屋で適当に済ませた昼食後の良い感じに緩い、このまま帰って寝たい。助手席の奴は信号待ちで下ろし、強く生きろと、励ましたい。等どうサボるか凄く考えながら走る。
大きな交差点で止まって、見るともなく歩道側の街路樹を見ると、女子高生が自転車で走っていた。
短いスカートやなぁ。まあ、スパッツとか短パン履いてるやろ、と眺めていたら、強い風がビルから吹き下ろした。
黒パンツでした。
「女子高生の黒パンツー!今日はエエこと起こるわぁ、ラッキーデイですよ!これ!」
「おま・・・お前なぁ」
あ、同僚の存在忘れてた。
「あんたの彼女ちゃうねん!お前いうなや、ダーマさんと呼べや(ダーマさんとは職場での私のあだ名だ、何かの漫画のばばあキャラらしいが、全力で受け入れていた)」
「いやいや、女が女のパンツ見て喜ぶなよ」
パンツからの、いきなりテンション爆上げ。気だるさなんて知りません。
「なんや、男のパンツならええんか?ちゃうねん!ちゃうんやって、聞いて、一応聞いて」
「お、おう」
「虹見たら?おーレアやなあってなるよな?」
「まあ、なるけど虹と一緒にすんなよ」
「まあ、聞け。麻雀で言うなら、何かの凄い役、あるやろ?まんかんぜんせき?見たいなん」
「九蓮宝燈な、出来たら死ぬとか言うやつ」
「えっ死ぬん?それ、ちゃうわそこまでレアちゃうし」
「ほら、歩いてて信号が、良いタイミングで青になったら、嬉しいやろ」
「まあ、それはあるな」
「あーこれ!これ近い。職場の側で雉見たことある。飛んでてんな、そんで、雄雉なんやけどむっちゃ飛ぶの下手やったけど、凄かったのよ。山でも田舎でもないこの辺りで雉ってレアや。エエ物見たと思ったんよ。 なっ?」
「うん・・・ ん? 終わり??でっ?どした」
「珍しい物みたらさ嬉しくない?」
「別に。エロいもんは好きやけど、雉とか見ても、うわ、雉やんてなるだけ」
「はぁ、わかってない!女子のパンツとは云わば隠されし花園やろがい!其をなチラリズムするんやけで、普通にしてて隠してるもんをおがめんのよ!見るやろ、テンション上がるやろ。もーパンツで無くてもええわ、何か隠されし秘宝見たいねん!」
「そんなに、秘宝見たけりゃ銭湯行けよ」
「何を聞いてんねーん、アホかぁ銭湯なんぞ、情緒もへったくれもあるか!中身はいらんのよ!そんなん脱衣場での脱衣なんて、当たり前やろがい!状況やねん、恥じらえよ隠せよ!」
「恥じらいの対極のお前が言うな!面倒くさ、もぉー、ダーマ面倒くさい。てか、さっきからチャック開いてる!」
「えっ、開いてる!?それ今言う!?このタイミングで!?
ちゃうんやってーこのパンツスーツきつくて、座ってたら勝手にジッパーさがんのよ!肉に押されて勝手にあくの!」
「そんなん着てくんなよ!いつ言うか悩んだし、俺の配慮の沈黙時間返せよ!」
「えっ悩んで黙ってたん、てか何時から!なぁ、何時からなん!そして見たんか!?私のおっさんパンツを見たんか、見て萌えたんか!そこはっきり言えーーー」
そんなこんなで職場に着きました。
読んでくれてありがと。
因みに同僚は萌える所か気まずい上に、言い方に悩んで困ったそうです。ぶっちゃけ迷惑、頼むから出さないで欲しいらしいです。