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海外通販の外人さんとアホの子

読んでくれてありがと


ゴボウを見て思い出したのです。

春の夕暮れ時、その日は何気なく寄ったスーパーで長いゴボウを買い自転車の前籠に差して伸びた部分を持てあまし仕方なく肩にかけていた


長い自転車通学の時間、暑くも寒くもなく、心地よい風日がくれて暗くなる迄の僅かな薄暗い時間帯


日があるうちなら絶対しないけれど、気が緩んで気がつけば歌を歌っていた


最初は控えめだったはずの其はいつか振り付け有り物真似有りの大音量に代わり、一曲フルで歌い上げ、テンション上がった私は何故か色物の歌い手に手を出し始めた


女性ボーカルから男性ボーカルごちゃ混ぜ、なんならメドレーとかやり始めた。昨今希に見るはっちゃけ振りである


人いないし、暗いし、歌聞こえても通りすぎるだけで人物の特定出来ないだろうと気が大きくなっていた


その上、音痴なのだ


こんなに思い切り歌うのはほぼない。カラオケではギリギリ音程取れる曲を無難にこなし、家でも鼻歌程度、山菜採りの山では爺さんの十八番北島三郎の与作をチョイスする。流行りはあんまり分からない。そんな私が何故かやっちまった


一通り思い付く限りの色物をこなし満足した私は、あろうことか、ゴボウをむんずと掴み、夜中に外人のムキムキお姉さんとムキムキお兄さんが軽妙に商品を紹介する通販番組の真似をうろ覚えで適当に始めた


「あーん、どうしましょう!」裏声で高い声を頑張る

「どうしたんだいキャシィーダイエットの、ことかい」 無駄に低い声を、必死で出す

「そうなのよ、二の腕とお腹がたぷんたぷんなのよ。これじゃあ海にもパーティーにも、恥ずかしくて行けないわ」

「 ちゃ・・・」

「だいぶんお困りのようだねーそんな時にはコレさ!」ゴボウの中心を片腕で持ち前に真っ直ぐ突きだします。縦に振ります、横に振ります。ゴボウがしなり風を切り唸る!

「この、ボディブレードがあれば、辛いブートキャンプに参加しなくても、簡単に引き締まった体を手に入れられるのさ」

「まあ素敵」

ずっと自転車を漕ぎつつ、みょいんみょいんゴボウ振り回しながらやってる


「ずっと呼んでるのにーアホ子ちゃん!何してんの?」必死で追いかけてきた風で、暫く呼んでたらしい。

「!!!(余りの動揺に手加減忘れてゴボウ粉砕!)」


中学の時の同級生が、後ろから並走してた!並走して聴かれるのは考えなかった。過疎が進んだこの区画に学生の人数は少ない。

人間少ない。それが、このタイミングで出会う確率低いはずなのに出会う不幸。折れたゴボウを前籠に二つ折りでぶちこんで


「筋トレを!筋トレしてました!では!さよならーぁ」


走るよね。早いよね。ただでさえ元から結構なハイペースだけど本気て漕ぐよね


恥ずか死するかと思った。思春期の話し

何の歌かは年代が露骨に出るので書きません。恥ずかしいのです。


最近気がつけばビリーズブートキャンプの真似もしてました。恐るべし海外通販の脳内リピート力


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