故郷に帰ってきました(終)
姉であるわたしの名義で、父が借金をしていたのを、
妹は知らないといった。
妹が、父について、いぶかしく思い始めたころから、
お父さんと連絡が取れなくなってきた。なので、
どうもわからないんだよね。と妹。
北島は、風俗関係にいたらしい。噂だけどね、と、妹は言う。
ところで、土地で融資してもらったのは、
登録書を盗んだんじゃなくて、ちゃんと父に許可を取ったというのであった。
あの土地は、生前贈与で祖母から母にわたされた。
母が亡くなったとき、名義変更は父に任せた。
しかし、借金がかさんだので、土地を担保にしてなんとかしのいだ。
その後、父がどうしたのかはわたしは知らない、と妹は言う。
このあたりになってくると、証言がコロコロ変わるのである。
それが売ることなのか 借金をすることなのか
薬でもうろうとしている わたしには 思いつけなかったが、
許可をもらったと言ってみたり、土地の名義変更は、わからないと言っていた。
「そういうときは、家族会議をすればいいんだよ」
とわたしが言うと、
「弁護士を入れれば良かった。後で揉めるから」と妹。
「今も揉めてるし」 すかさずわたしがつっこんだ。
詐欺で借金してしまって、まだ気持ちの整理がついていないような、妹。
自分が父にせびったために、父の借金がかさんだことも、まだ理解していない。
また、土地の名義変更をしていないから借金ができたのに、
それが払えなくなって父が家を失ったことも、理解していない。
理解、できないのかもしれない。
追い詰めるようなことは言わないことにした。
わたしもまた、詐欺に遭わないとも限らない。
息子に真相を知らせておけ、と言っておいた。
自分の失敗を話さないと、同じ失敗をするかもしれないよってね。
時期が来たらと妹は言っていた。
言わないと思うわたし。
というわけで、今回の旅行は充実していた。
疲れたけど、行って良かった。
またネタが増えたぞ。




