第2話:パソコン部に入部しませんか? ※会員費は請求いたしません。
2話目です。相変わらず面白くないです。幼稚な文面、あります。1話目から観たほうがいいかもしれないです。
あと、ドッジボールが大好きな方とリア充と自負している方は読むのをやめた方がいいかもしれません。
(これ夢なんじゃね?)
俺は唐突に思った。
ああ、状況説明がまだだったな。今日は中学校生活2日目。入学式を抜けば初日の3時間目。クラスの親交を深めるべく先生が企画したドッヂボール。内野外野問わず体育会系男女達の剛速球。あぶない。こわい。じゃあ何でそんな悠長に考え事していられるんだって?それは試合開始5分と経たずにボールをぶつけられて外野に行ってから20分は経ってるからですよ。わかってた。どうせこうなるって分かってた。そりゃ普段外に出ない奴がドッヂボールに出て活躍できる訳無いもん。うまい奴らって「チームのため」とか言って俺がとっても投げさせてくれないし、俺が投げるときも「チームの利益」とか言ってあっちが投げちゃうし。絶対あいつらチームのためじゃなくて自分のために行動してるぞ。まあ、あいつらのボールなんて取れないんですけどね。先生も先生だよ。こんなリア充の征服欲を満たすためだけにあるようなゲームで親睦深まると思ってんのか?リア充なら深まりそう。ドッヂボールへのヘイトもここらへんにして……。
「オイ!惑星ィ!ボール取りに行けよォ!」
はいはい、どうせ投げさせてくれないんですよね。1日目からパシリかよチキショー。
「もっと速く走れよ!」
あーはいはい、うるせぇなクソ野郎。お前の方が足速いんだから自分で取りに行けよ。これだからリア充は。考え事くらいしたっていいだろ……。早くおわんねーかなぁ。
で、何考えてたんだっけ?あ、そうだそうだこの世界夢なんじゃね?って話だったな。だっておかしいだろ?超能力だとか先祖だとか神だとか。中二病かよ。あと物語だとかも言ってたな。物語ってことは未来が決まってるってことか?冗談じゃない。そして全ての事に科学的な証拠がなさすぎる。今時こんな中二臭い物語ラノベでも見ねーぞ。物語作ってるやつは中学生なの?まあ、これが夢だった場合俺が深層心理的に中二だということになるんですが。夢にしてはふわふわしてないし現実な気がしてきた。……ってことは今朝の恋愛もの展開はリアルでの出来事……?でもリアルならあれで恋愛展開はないな。チッ。関係ないけど深層心理って言葉かっこよくね?
「おい!惑星!いったぞ!」
バァン!
俺の視界いっぱいに体育系男女が投げてそうな白い球体が広がっていた。と、思いきや視界が真っ暗になる。次はぼやけた視界が広がったぞ。顔中痛いし涙かな?つーことはボールが顔に当たったんのか。ここまで気づくまで0.5秒。俺って鈍感。
「お、おい!大丈夫か?」
大丈夫なわけあるか。
「鼻血出てるぞ!」
マジで?なんか鼻痛くなってきた。痛みって脳が理解するまで痒みとして感じるらしいね。
先生がこっちにゆっくり近づいてくる。
「惑星は大丈夫だ。そのままゲームを続けろ。」
先生はまたあっちへ行って審判を始める。俺は自分のティッシュを鼻に詰め、外野から少し離れた場所に着く。正直割と痛いけどギャアギャア喚く程じゃないからね。
「おい!惑星!」
「?」
ゴフッ
腹にボールが食い込む。
いってぇぇぇぇぇぇぇ!ヤバイ!吐き気が……
なんとか吐き気を抑え込み、その場に蹲る。
「おい!大丈夫か!」
少し笑い混じりの声でクラスメイトが話しかける。
何わろてんねん。大丈夫なわけあるか。
先生がまた近づいてくる。
「大丈夫だよな。続けろ。」
また先生は審判を始める。
う、うん。まだ大丈夫だからね、大丈夫。保健室行くほどじゃないし。あとボールが追加されたみたい。
「おっしゃー!惑星またいったぞー!二つとも取れよー!」
二つとも……?
バァンゴフッ!
顔と腹へのダブルパンチ。隙を生じぬ三段構え。めちゃくちゃいてぇ。何がいてぇって鼻に詰めてたティッシュが食い込んでいてぇ。もうその場に倒れとこうかな。
キーンコーンカーンコーン
3時間目終了のチャイムが鳴る。
今のくだりの必要性について神に問おうと試みつつ、俺は教室に戻った。
3時間目の休み時間。またサーシャ先輩が教室にきた。そしてまたさっきのメンバーを呼ぶ。
「今日はパソコン部の見学があるからきてね。」
マジかよ入学初日なのに部活の見学があるのか。ていうかそれをなんでさっき言わなかった。
「ということだから、1時になったらパソコン室に来てね。」
とりあえず了解しました。
「それじゃ。」
サーシャ先輩は颯爽と帰っていった。
かっこいいですね先輩。
その後俺は無難に4時間目を過ごしたことは割愛しよう。
午後1時。今日は午前授業なので授業は全て終わった。
俺はパソコン室に駆け込む。もう既にみんな来ていた。
「全員揃ったわね。まずは自己紹介からはじめるわよ。」
サーシャ先輩が話を仕切る。
「ではまず部長から。」
少し背が高めの好青年が前に出てくる
「鎌井悠馬。高等部3年です。一応部長をやってます。この部活はパソコンを使ったことなら大抵のことができる部活です。イラスト描いたり、ゲームしたり、プログラミングしたり自由にしてもいいです。」
めっちゃ良い人そう。絶対良い人だよこの人。
「私は副部長のアレクサンドラ・ロジオーヴレルナ・パドレルーニャだ。知ってると思うがサーシャと呼んでくれ。」
先輩の声はずっとそのツンドラ気候みたいな声なんですね。
「以上だ。」
「パソコン部は二人だけなんですか?」
木原くんが恐る恐るといった様子で聞く。
「そうだよ。今のところはね。」
鎌井先輩が優しく答える。これって部員数稼ぎのために俺らを利用しただけなんじゃ……。
「次はあなた達の自己紹介をよろしく。」
「では、まず我から始めよう。」
おう、始めろ始めろ。
「我が名は裏佐田堅治。だが、これは世を忍ぶための仮の名だ。我の真名を知りたいか?」
へーすっごい。世を忍ぶ必要があるほどのすごい人物なんですね。真名?別に知りたくないです。そんな極秘情報聞いたら殺されそうだし。
「別に知りたくないわ。次、よろしく。」
サーシャ先輩流石っす。ガンガン進めてくだせぇ。次は誰がやるんですかね。
「えーと、木原樹太と言います。よろしくお願いします。」
普通だね。次は誰だ?俺はやらんぞ?
「夜比名唯です。」
ノーコメント。次。
「エレーナ・ロジオーヴレルナ・パドレルーニャです。副部長の妹です。よろしくお願いします。」
なんかやけに腰低いな。同学年ならもっとリア充みたいにフランクな感じでいいのよ。
あとはあの不良と俺か……。俺がやらなきゃいけない雰囲気だな。しかたない。
「えあえええあとにねいやいちね、1年のお、わ、惑星といいます。よ、よろよ、よろしくお願いしますしゅ。」
やっべー。キョドり過ぎだよ俺。最後かんじまったし。なんだよしましゅって。最後は不良か。せいぜい頑張れよ。
「増山だ。」
それだけかよ。まあいいや。で、次は何をするんです?
「そこのパソコンで何かやっといてくれ。私達は「あれ」の調整をしなければいけない。」
投げやりだなぁ。ところであれって何だ?まあいいや。とりあえずニ○ニコでも観とくか。
お!あのアニメ総集編で生放送するのか。タイムシフト予約いれとこ。一般会員だと確実に弾かれるからな。
気が付くと太陽は西の山の風車に刺さり、空は半熟卵のような色に染まっていた。
「もうこんな時間か。みんな今日は解散だ。各自パソコンをシャットダウンしてね。アカウントを使った人はログアウトもお忘れなく。みんな気をつけて帰ってね。」
俺はすぐにログアウトしてしゃっとシャットダウンする。我ながら「しゃっとシャットダウン」は素晴らしい駄洒落だ。
みんなもパソコンの電源を落としたみたいだ。終わった者から次々に帰っていく。
「俺も帰っか。」
ボソッと独り言をつぶやき新品の教科書が入った重いリュックサックを持って家の帰路に着いた。
学校から出て駅に向かう。あそこは駅というより停留所の方見た目的には近いが。いわゆる電停ってやつである。その南電停についた俺は谷川方面のホームにあるベンチに腰掛ける。そこまでは問題なかった。問題はそこからだった。ベンチに座ってから2分ほど経つと夜比名がホームに入ってきた。
まさか同じ方面だったとは。フラグ(笑)が立ったあたりで予想はしていたが、知り合いだが別に仲良くない奴と一緒にこの12平方メートルほどの空間に居るのはコンビニに入るのを躊躇する俺にはきついぞ。どうしよ。
半熟卵色から紫苑色に変わりつつある空は徐々に暗くなっていく俺の気持ちを表しているようで表していなかった。
このたびは読んでいただき誠にありがとうございます。前回の説明書みたいな文章よりはましになっていたでしょうか。なっていれば幸いです。
実はこの話、もう少し先まであったんですよ。それが消えてしまいましてそこで心が折れてきりが良さそうな所で区切ってこうなってしまいました。注文していたアニメのOVADVDは良く見たらブルーレイだったのにあけてから気づいたし、なけなしの金で買ったドーナツは床に落としちゃうし今日は厄日ですね。今回はここで閉めさせていただきます。では、また。