ミンチ製造機バロゥズ3
見物に行こうとは言っても、岩の洞窟の入り口を見ると順番待ちが出ている。
「列が全然進んでないぞ?ダンジョンに入るのは無理じゃないのか?」
俺が意見すると、ロゼはパシリのミケが買ってきたアイスを舐めながら、
「私達はつい今しがたまで中にいたでしょう?」
舌鼓を打ちながら俺に尋ねてくる。
「ああ」
「だから優先入場が出来るのよ」
「そんな制度があるのか」
「もっとも、ダンジョンの中から排出されるパーティが出て、空きが出来ないと入れないけど、多分大丈夫」
「なぜだ?」
「説明が面倒だからパス」
「おいおい・・・・」
「一つ約束してほしいのは、今回武器を構えない事、魔法を使わない事、他のパーティの戦闘のヘルプをしない事ね」
「何もするな、という事か」
「そうよ、じゃ、行きましょうか」
ロゼが立ち上がり、ダンジョン入口に向かうと、他のメンバーも続く。
行列を横目に見ながら入り口の直ぐ脇まで行くと、丁度ダンジョン内からテレポートで出てくる地点にたどり着いた。
ちなみに入り口の向かって左が排出口、右が先入口で、テレポーターもそれぞれその隣にある。
俺が丁度そこにたどり着いた時だ。
テレポーターから血だらけのパーティが排出されてきた。息の根が止まる前に逃げてきたと言うところだ。
係員がその連中を担架に乗せていると、ロゼがそこら歩み寄り、何か話し始めた。直ぐに係員はうんうんと頷き、俺たちを排出専門のテレポーターへ誘導する。
「これは出て来る場所じゃ・・・・」
俺が戸惑っていると、
「いいから入りなって」
とソフィアに押し込まれ、視界が白く光った。
視界が戻ると、そこは広い空間だった。
岩の洞窟はドワーフの鉱山跡という人工のダンジョンだが、ここは自然鍾乳洞の様だ。周囲の岩肌から地下水が滲みでて、小川と巨大な地下の池が出来上がり、足元にはヒカリゴケが密生していて、下から光が当たるのでかなり明るい。
それに、どうやら右手奥に出口らしき光が見える。そこへ向かって地下水が急流となって流れ込み、その先から滝の音がかすかに聞こえてくる。
「そこに流されたら、一キロメートル下の渓谷まで落下する滝に落ちるから、さすがにファンタジーの世界でも死ぬわよ」
ロゼが物騒な事を言う。気をつけなくてはならない。
俺たちは慎重に、地下水の落ちる小さな滝の近くまで移動した。
目が慣れてくると、地下空洞を飛ぶ巨大なトンボやコウモリ、川や地面にはカニとイモリのような両生類にゲル状のスライム系モンスターの姿が見える。
「こいつら、襲ってくるんじゃないのか?」
「こちらから手を出さなければ襲ってこないわ」
ロゼはそう言うが、
「一応、浮いておこうぜ」
とソフィアから提案があった。




