ミンチ製造機バロゥズ1
外で戦利品の処分などを済ませると、俺は集合場所でもある岩の洞窟入り口までやってきたが、どうも様子がおかしい。
「ざわついている。何だろう」
キョロキョロと周囲を見渡すと、岩に座って干したアプリコットを食っているソフィアとキララを見つけた。
「随分騒がしいけど」
俺の質問にソフィアは顔を上げて、
「まだ出ないんだってさ」
と口をもぐもぐさせながら答える。
「何が?」
「何って、ここの目玉『ミンチ製造機バロゥズ』だよ」
「物騒な名前のモンスターだな・・・・」
「実際、物騒だからな」
「どんなヤツなんだ?」
「どうだったかな・・・・ロゼに聞いてくれ」
そう言ってソフィアはキララに手を伸ばす。キララは腹部のポケットから干したアプリコットを取り出して、それをソフィアに手渡した。
「腹にポケットがあったのか・・・・」
俺が呆然と眺めていると、キララはニコ目になって、
「キララのポケットはね、おかしせんもんなんだよ」
と答えた。別にそんな事を訊いてはいない。
訊いてはいなかったが、なぜいつもこの生きているぬいぐるみが常時お菓子を食っているいるのか、その回答が得られた気分だ。
そこへマギーがやってくると、二リッターほど入りそうな竹の筒を手に、近くの岩に座った。そして長い木のスプーンを取り出すと、竹の筒から何かを掬って食べ始める。
「あ、アタシも買ってこよう」
マギーの様子を見たソフィアが立ち上がり、マーケットの方へ走っていった。
「何を買ってくるんだろう・・・・」
俺がそれを見送ると、キララがもぐもぐと口を動かしながら、
「アイスクリームだよ」
と答える。
「アイス?」
「ここのアイスはおいしいんだよ」
「ほう、そうなのか」
「いわのどうくつでとれる、がんえんをかくしあじにつかってるから、おいしいんだよ」
「岩塩ね」
しかしマギーは二リッターのアイスを一気食いしているところを見ると、見た目はいかついアネゴなのに、意外と甘党なのかも知れない。
「マサムネも食うかニャー」
いつの間にか俺の隣に、アイスクリームの竹筒容器を二つ持ったミケが立っていた。気配を隠して行動するネコ人間は油断ならない。
「ああ」
俺がアイスを受け取ると、ミケはその手を伸ばしたまま、掌を上に向けた。
つまり、おごりでは無かったのだ。
俺は小銭を渡す。




