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再び岩の洞窟2

 この煙はたまねぎとマスタードの匂いがする。

 マスタード、という事はマスタードガス?を連想してしまったが、玉ねぎの匂いが目に染みる程度で、それほど強烈な毒性は無いように思えた。

 「軽い催涙ガスか。大したことは無い」

 俺は剣を振り、ゴブリンに斬りつけた。

 ヒョイ

 なかなか身のこなしが軽いじゃないか。

 もう一度。

 キンッ

 ゴブリンはメイス、と言うより肉を叩くようなハンマーで俺の剣を弾いた。

 しかし、手応えからして、それほど強敵じゃない。

 「おい、援護を・・・・」

 俺が後ろを振り返ると、パーティメンバー全員が硬直していた。

 その表情は・・・・小一時間正座をして立ち上がった。そんな感じに見える。

 ソフィアが何か言いたいようだが、口がワナワナと震えるだけで声にならない。

 「おい・・・・っと」

 背後にゴブリンがいる。警戒していた為に一発は喰らわなかったが、何度も続けざまに殴りつけてくる。素早いハンマーの振りで手数をかけて来るタイプのようだ。

 しかし、これは・・・・クラウド系の魔法とロゼが言っていたが、麻痺するタイプの煙でも立ち込めているのか?

 何か対策は・・・・と思惑しているうちに、ゴブリンはまた一つフラスコをぶん投げた。

 カチャン

 今度はピンク色の煙から甘い香りが立ち込めた。

 「何だ、今度は」

 後ろをチラッと見る。

 全員立ったまま寝ている。

 「催眠ガスか」

 何故か俺には効き目がない。

 「くそっ、なんだか分からないが、俺一人で殺ってやる!」

 俺が剣を振るう度、ゴブリンは後退して行き、遂に机にぶち当たって止まった。

 よし、ここで・・・・しかし、奴は机の上から何か掴んで、それを自分の足元に放ると、そこから何かニョキニョキと隆起した物体がマネキン人形の様に変化した。

 ホムルンクスってヤツか?

 全部で三体。

 「くそっ!」

 俺は左手に持った剣でホムルンクスを袈裟斬りにする。ヤツ右肩の辺りから斜めに切れ込みが入って、確実な手応えがあった。

 あったはずだが、切れ込み部分はズレた位置を元に戻して、

 スッ

 と切り口は消えてしまった。

 そして三体は両腕を前に突き出し、元気よく腿を上げながら俺に迫ってくる。


 

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