岩の洞窟3
おっさんは気を取り戻して立ち上がると、ロゼを指さし、
「なんて事をしてくれるんだ!訴えてやるぞ!」
と怒鳴る。
「どうぞ。実際にこんな組織があれば、の話だけど?訴えられたら困るのはオタクの方じゃないの?」
ロゼは動じない。
「くそっ、くそっ」
おっさんは何度もそう怒鳴りながら、ヨタヨタと歩き去った。
「いいのか?」
俺は心配になって聞くと、
「いいのよ。だってアレ、詐欺師だし」
とロゼは答える。
「詐欺師?でも、正規のライセンスだったぞ、アレ」
「正規のライセンスってのは、魔法の透かしが入ってるのよ。でもアレには無かった。魔法を使えない人は騙せるんだろうけど、私には通用しないわ」
「そうなのか」
「そうよ。あなたも気を付けないとね。人がいいだけじゃ、生き残れないわよ」
確かに俺は人がいい。人を疑うことも嫌いだ。しかし、これがあまちゃんな事は判る。
「どうした」
丁度そこへ、肩にキララを乗せたマギーが合流する。
「たあっ」
キララは飛び降りると、ロゼに干した何かの果物を渡した。
「詐欺師がいたのよ」
「そうか・・・・」
誰が話してもマギーとの会話が続かない。
「ニャー。携帯食料買い込んできたニャー」
ミケが大黒様みたいに袋を担いでやって来た。
「ピクニックに行くんじゃないのに」
ソフィアも一緒だった。
これで全員揃ったわけである。出発。
「あー、手形は?」
ソフィアがロゼに聞くと、
「これから」
と答える。
「まだなのか?」
ソフィアは怪訝そうな表情になった。
「ちょっと詐欺師に絡まれていてね。じゃ、あなたもらってきて」
ロゼは俺に命令した。
「俺が?」
「あなた勇者でしょ?」
「まあ、そうだが・・・・」
俺は渋々、ダンジョン入口の受付に行って水晶の入場手形を受け取りに行く。
お役所仕事らしく、色々と面倒な手続きを踏まえた結果、たっぷり15分はかかったが、何とか手形をゲットした。
先程は自分がリーダーだと明言したダークエルフだが、やはり面倒な事は俺に押し付けるつもりである。




