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魔法射撃場3

 ゲージの中と外は、簡単なバーで区切られていただけだが、これが結界の役割をしていたらしい。

 バーを倒して中へ入ると、とんでもない轟音が鳴り響いていた。

 外でも大音量だったが、それはかなりミュートされていたと言うわけだ。

 ノイズキャンセルヘッドホンみたいな仕組みなのか?

 等と考え事をしていたら、キララから耳栓を渡された。

 これが多分ノイズキャンセリングヘッドホンの代わりなのだろう、と思って装着してみるとあら不思議、爆音はまったく聞こえなくなった。

 「おにいちゃん、まほうのつえは?」

 逆にキララの声はよく聞こえる。

 「無いよ」

 「まほうのつえがないと、まほうがつかえないんだよ?」

 「え、そうなの?」

 「キララの、かしてあげる」

 俺はキララから形成していないワンドを手渡された。

 各職業ごとに装備できるアイテムが決まっているが、勇者だけは例外的に、あらゆる武具を装備できる。

 「装備したのは良いが、呪文はどうやって唱えるんだ?」

 回復呪文は使えるようになったが、別に何か言って回復するわけじゃ無い。

 「じゅもんなんて、いらないよ」

 「何だ、そりゃ?」

 「かみなりとか、ほのおとか、うつときに、きあいをいれるから、ビリビリとかメラメラとかいってるんだよ」

 「ほう・・・・」

 つまり、野球のピッチャーがマウンド上で吠えている様なものか。

 「せいしんしゅうちゅうするとき、ながいじゅもんをとなえると、なんとなくつよくなったきがするよ」

 「そうか、あの長ったらしい呪文は伊達じゃなかったのか」

 よし、中二病的に呪文を唱えてみよう。

 『我、古の神との契約によりここに命ずる。総てを焼きつくす炎の精霊よ、今ここに来たりて、我の求めに応じよ。悪しき者をその業火で焼き尽くせ』

 「インフェルノ!」

 ワンドの先から炎の球が飛び出して、木偶人形に命中すると、人形は黒焦げになった。

 「おお、やった!」

 「やったね!」

 俺はキララとグータッチしたが、まあ、なんだ、初心者なので木偶人形は生焼けだった。

 「よし!つぎはキララだね!」

 キララはキリッと・・・・多分・・・・した表情になってワンドを構えた。

 「メラメラメラメラメラ!」

 キララがワンドを振ると、俺の火球がまるでピンポン球になってしまったかの如き巨大な火の玉が木偶人形を襲い、それは一瞬で焼却された。

 「これは役者が違うってヤツか・・・・」

 まあ相手は本職の魔法使いだし。

 それにしても、この小さな生きている人形の何処に、これだけの魔力があるのか。

 俺とキララは一通り魔法を撃ちまくると、ゲージを出た。

 ロビーに戻ると、

 『エーテル自動販売機』

 と書かれた自動販売機がある。

 ファンタジーで自動販売機か・・・・しかし世界初の自動販売機は、古代エジプトの聖水自動販売機だったから、たいした問題は無いか。

 とりあえず小銭を投入すると、機械からリアルな腕が伸びてきて、俺にエーテルの小ビンを差し出した。

 受け取る。

 すると腕は引っ込む。

 中に人がいるのだろうか・・・・

 リポビ○ンDのような小ビンを二つ購入すると、俺とキララは腰に手を当てて、それを一気に飲み干した。

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