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岩石地帯の戦い3

 「終わった・・・・」

 俺はその場にへたり込んだ。

 動けない。

 横になって空を見上げる。

 雲一つないいい天気だ・・・・風に吹かれる・・・・

 突然、空が陰る。

 いや、それは間違いない。おっぱいだ。

 「ほう、一人で片付けたか」

 マギーが上から俺を覗き込んでいた。

 「見てたんなら・・・・助けてくれても・・・・」

 何だかうまく声が出ない。

 「これ以上はヤバいと思ったら助太刀に入るつもりだったが、その必要は無かったようだ」

 「力を・・・・全部・・・・使った・・・・感じ・・・・で・・・・」

 「それは多分『勇者の力』だ。以前賢者から聞いた」

 これが勇者の力。

 しかし徒労感が激しく、連発なんて出来そうにない。

 いざって時の切り札か。

 「まあ、暫く寝ているんだな。近くに川があった。水を汲んできてやる」

 マギーはそう言って離れた。

 ・・・・他の連中は何をしているんだ?

 ソフィアは喜々として羊を撲殺している。

 ロゼは弓での狩りを楽しんでいる。

 キララは羊をカッチカッチに凍らせて喜んでいる。

 ミケは戦利品の加工に熱中している。

 チームワークってのが無いのか、この連中は。

 前の勇者が逃げ出したか、くたばったか、と聞いたが、その理由がなかとなく判る。

 そのうち、ソフィアが殴り疲れたのか、飽きたのか、こちらにやってきた。

 「どうした?眠いのか?・・・・お?」

 俺の傍らでくたばっている牡山羊に気付いたソフィアは、

 「ミケ!ミケ!」

 とミケを呼ぶ。

 相変わらずチーターの様なスピードで疾走してきたミケは、

 「おー、こいつは大物だニャー。早速解体するニャー」

 俺には目もくれずに、牡山羊の解体作業に入った。

 「オマエが殺ったのか、やるじゃないか!」

 ソフィアは笑いながら、俺のハラを引っ叩く。

 くそっ、なにか言いたいが、喉が張り付いて声が出ない。

 「終わったのか?」

 マギーが帰ってきたようだ。

 俺の頭の向こうで声がした。

 「マギー、この牡山羊は、コイツ一人でやったのか?」

 ソフィアがマギーに尋ねる。

 「ああ、『勇者の力』を使ってな」

 「やるじゃないか!」

 またソフィアは笑いながら俺の腹を引っ叩く。

 「水だ」

 おお、飲ませてくれるのか?

 甘かった。

 マギーに真上からヒョウタンに入れた水を、

 ダバダバダバ・・・・

 と掛けられた。

 

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