パーティ戦
俺はゴブリン共に突っ込むと、後光をピカッとやる技を使った。
これは勇者のみが使える技で、敵のヘイト(怒り)を一気に自分に向けさせ、ZOC(守備範囲)に引きずり込む。
勇者のZOCを中心にして、戦士等の前衛がこれを補助すると、防御力の低い後衛に敵が接近戦を挑めない、と言うわけだ。
早速俺の隣にドワーフの戦士が入って、守備陣系はバッチリと思ったが、
「脇を一匹抜けたぞ」
グラスランナーの声に俺が振り向くと、シーフタイプらしいゴブリンが、タレ目の僧侶めがけて駆けてゆく。
フードのアーチャーが急遽弓で射るが、直撃は出来ず、脚に命中した。
それでも進撃スピードが落ちたところを、グラスランナーが跳びかかってゴブリンの喉元を掻っ切った。
いけねぇ、俺が気を抜いたらZOCが弱まった。
押され始めたところに、
バリバリッッッッ
と稲妻が放たれて、ゴブリン共は消し炭になった。
エルフの魔法使いの呪文詠唱が間に合ったらしい。
「ナニやってんだよ、オマエ!」
またタレ目の僧侶だ。
「すまない、慣れてないから」
俺は素直に謝罪した。
「つか、こんなザコ相手にZOCも維持できないって、ヤバクね?」
「次からは気をつける」
「つか、オマエ向いてないよ、やめちまえよ!」
「ちょっと言い過ぎなんじゃないか?」
俺はカチンと来た。
「は?シネよ、ヘタクソ」
タレ目の野郎・・・・俺は剣の柄に手をかけた。
「まあ、今日は初陣だしさ」グラスランナーが仲裁に入る「一旦街へ帰ろうぜ」
「そうだな。無理は良くない」
ドワーフも賛同したので、俺達は街へ戻った。
タレ目がかなり先行したのを見計らって、グラスランナーが俺にヒソヒソと話しかけてきた。
「あいつは有名な暴言厨で効率厨だよ。腕は悪く無いんだけど、ウザがられて誰もパーティを組んでくれない」
ドワーフがノッシノッシと歩きながら、
「久しぶりにヤツの顔を見た。ブラックリストに入れておいたから清々していたんだがな。お前もブラックリストに入れておいた方が良い。で、無いと、また奴と組むことになるかも知れん。お前も、儂も」
と忠告してくれた。
それまで無言だったエルフの魔法使いまで、俺に、
「解散したら奴を即デラックリストに入れろ」
と威圧してきた。
相当な嫌われ者の様だ。俺が言うまでもないが。




