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はじめてのぼうけん

ウンチクおじさんから小一時間、酒場や宿屋の使い方やら冒険に必要な事柄をたっぷり聞かされ、今日は取り敢えず寝てしまう事にした。

 夜が明け朝になったので、俺は城門向かう。

 「レベル10になるまではパーティが組めない、だったな」

 シロウトは、まずお使いクエストをやれ、と言われたが、かったるいのでさっさとモンスターを倒すクエストに取り掛かるとしよう。

 「あれか」

 場外の朝市では、近隣の村落から持ち込まれた商品が所狭しと並べられ、活気に満ちている。

 「あの、ウンチクさんから紹介された者です」

 俺は麦わら帽子を被ったゴッツイ農夫に話しかけた。

 「おう、じゃ早速頼むぜ」

 ゴッツイ農夫は体格の良い嫁と一緒に野菜を売りに来ているそうだが、この周辺の畑を荒らす害獣を退治して欲しい、と言うのが依頼の内容だ。

 害獣か・・・・もぐらとか野うさぎとかだろう。

 剣でぶっ殺しちまえば良い。簡単だ。

 俺は畑に向かった。

 早速、モゾモゾ動く影を見つけた。

 「アレがウサギか?」

 ソイツは見た目こそウサギだが、子犬どころか柴犬の成犬と同じ大きさだった。

 「いや、こっちは剣を持っているんだし・・・・」

 俺はロングソードを手に、ソロソロとウサギへ接近した。

 しかしさすがは野生動物、気づかれてしまった。

 「ちくしょう!」

 俺は剣を振り下ろした。

 しかし慣れないもので、空振りした挙句、尻もちをついてしまう。

 次の瞬間、俺は首筋に熱湯をぶっかけられた様な感じを受けると、意識を失った。

 ・・・・

 気が付く。

 「目覚めましたか、余り無理をなさらないように」

 教会の椅子に寝そべった俺に、通りかかった神父が諭した。

 首に手を添える。

 なんともない・・・・しかし、多分頸動脈をやられちまったはずだ。

 なるほど、戦闘不能に成ると、近くの教会で復活するわけか・・・・それにしても、たかだかウサギにしてやられるとは・・・・

 いや、めげずにもう一度だ。

 俺はウサギにリベンジ・マッチを挑み、全身を噛みつかれ、太ももに強烈なキックを食らったものの、何とか勝利した。

 「ふう・・・・しかし、でかくてもウサギはウサギだな。結構可愛いものだ。カワイイもの好きな女子供にこんな処を見られたら、石を投げられるぞ」

 俺はウサギの後ろ足を持って、背中に担ぎ、依頼主の農夫の許へ向かった。

 「お、ご苦労さん。これは駄賃だ」

 一食分程度の賃金を貰った。

 「いや、しかし、ちょっとかわいそうですね」

 と俺が言うと、農夫は、

 「可哀想だ?こいつらに畑を荒らされる俺たち百姓の方がもっと可哀想だよ!」

 と、怒られてしまった。

 

 

 

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