表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/77

46

窪田と健斗は凛達が隠れ家として使っていた場所に到着していた。

「本当にここがそうなんですかね?」

「わからない、罠の可能性もあるから気を付けろ」

凛達がここにいるという情報は唐突に来た。

情報の発信が何処からなのかも不明だ。

そのため、窪田はあまりこの情報を信じていない。

「あれ……」

「ガーディアンだな」

車で走り去る者がいたため、窪田はその運転手を確認した。

そして、どうやら以前会った事のある佐藤のようだと判断した。

佐藤も窪田達に気付いたようだったが、特に何もする事なく行ってしまった。

窪田はこの事から2つの推測を立てる。

1つはガーディアンにも同様の情報が送られているらしい事。

もう1つはここには長居して調べる程の情報がないらしい事だ。

しかし、何もせずに帰る気もないため、窪田は健斗と共に中へ入った。

もしかしたら罠があったり、奇襲を受ける危険もあると考え、窪田は慎重に奥へ進んだ。

そして、いくつかの部屋を確認し、窪田は確信した。

「どうやらここに凛達がいたというのは本当らしいな」

ここに残されたものの中に凛が持っていたものを見つけ、窪田はそう判断した。

しかし、それによってむしろ疑問が増えた。

まず、凛達がここにいるという情報を誰がどのような形で流したのか。

そもそも情報を流した人物はどうやって凛達がここにいると知ったのか。

情報が流れたためかもしれないが、凛達がここを離れた理由は何か。

そして今、凛達は何処にいるのか。

先程、佐藤がいたため、ガーディアンが関わっているかもしれないという考えも持った。

しかし、それではイレイザーにまで情報を送った理由が不明だ。

イレイザーは偶然情報を拾ったという形ではなく、意図的に誰かが送った情報を受け取った形だ。

そう考えると、情報の発信元はガーディアンではない。

「窪田さん?」

健斗に呼ばれ、窪田はそちらに目をやる。

「どうした?」

「これ、銃痕ですよね?」

窪田は健斗が指差した場所を確認する。

そして壁に銃痕がある事を知った。

「何かあったのかもしれないな。もしかしたら仲間割れの可能性も……」

窪田は凛の身に何かあったのではないかと心配になってしまった。

しかし、今はそれよりも手掛かりを探す事にした。

そこで携帯電話が鳴り、窪田は携帯電話を取り出す。

どうやらメールが来たようで、すぐに窪田は確認する。

「え?」

その内容に窪田は驚いてしまった。

「どうしたんですか?」

「……小泉加代子の遺体が発見されたらしい。どうやら殺されたようだ」

凛達がガーディアンに誘拐された加代子を助け、一緒に行動していた事は知っている。

加代子が誰かに殺されたという事は、凛達に何か不測の事態が起こっているという事だ。

もしかしたら、既に凛も殺されてしまっている可能性すらある。

「小泉加代子の件について調べよう」

「あ、はい」

窪田は携帯電話を使い、情報を集める。

「小泉加代子の遺体は奥木大学から近いコンビニで見つかったそうだ。首を絞められて殺されたみたいだな」

「犯人は誰なんですかね?」

「わからない。ただ、妙だな……」

はっきりとはわからないものの、窪田は違和感を覚えていた。

様々な事が1度に起こり、混乱してしまっている頭を整理し、窪田は改めて考えた。

「凛達がここにいたという情報が流れた事と、小泉加代子が殺された事は直接関係がある訳じゃないのかもしれないな」

「え?」

健斗は意味がわかっていないようだったが、窪田も確信を持っている訳ではないため、これ以上の説明はしなかった。

そして2人はこの場を後にすると、加代子の死についてさらに調べる事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ