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凛は車を走らせながら、助手席でパソコンを操作する零次を横目で見た。

「司達は見つかったの?」

「加代子ちゃんの方はタクシーも使ってたみたいだから、すぐに追えそうなんだけどね」

零次は納得がいかないような表情を見せる。

「司が何処にいるのかは全く見当も付かねえんだよね」

「加代子とは一緒にいないの?」

「うん、そうみたいなんだけど……」

零次が何を気にしているのか、凛はわからなかった。

しばらくの間、零次はパソコンを操作していたが、そこで手を止めた。

「司、監視カメラに全く映ってねえんだよね」

「え?」

凛は意味がわからず、戸惑ってしまった。

「どういう事なの?」

「全部の監視カメラを回避しながら移動してるのか……」

「そんな事出来る訳ないでしょ」

何処か1箇所に留まるのであれば、監視カメラに映る事なく過ごす事は出来る。

しかし、移動するとなると話は別だ。

短距離を移動するだけでも確実に数台の監視カメラに姿が映ってしまう。

1台や2台程度であれば映らずに通過出来るかもしれないが、全てを回避するとなれば不可能なはずである。

「だとしたら、実は移動せずにあそこに残ってたとかかな……」

「え?」

零次は困ったような様子を見せる。

「今、イレイザーやガーディアンが向かってるはずだし、それだとやばいんだけど」

「でも、いなかったじゃない」

時間がなかったとはいえ、司や加代子がいない事の確認はしている。

万が一にも隠れ家に2人が残っていたという事はないはずだ。

しかし、凛は段々と自信がなくなっていた。

「まあ、司は追えねえみたいだし、とりあえず加代子を追ってみようかね。……あれ?」

その時、零次は驚いた様子を見せる。

「どうしたの?」

「ちょっとストップ!」

そう言われ、凛は慌ててブレーキを踏んだ。

道の真ん中で急ブレーキを掛ける等、車の少ない時間帯だからこそ出来た事だ。

日中でこんな事をすれば、高い確率で事故を起こしていたはずである。

「何!?」

「情報収集とか操作が出来なくなってきてるんだよ」

零次は険しい表情でパソコンを操作する。

「凛ちゃん、今から指示する場所に車を移動させて!」

「あ、うん」

凛は零次の指示を聞き、車を少しだけ移動させた。

「ここで止めて」

そこは人通りの少ない道だった。

「ここなら監視カメラに映らねえから、ちょっと待機しよう」

「大丈夫なの?」

「状況がわからねえから、確認してみるよ。ちょっと待っててね」

零次はふざけた態度を取る事が多かったが、それは余裕の表れでもあるように思っていた。

しかし、今の零次にはそんな余裕がないように見え、凛は心配になった。

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