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5. ジャングル

 浜島達郎(男子17番)の席の窓は新名朋江(女子15番)が奇妙な触手と共に放り出された後、外から生あたたかい風が吹き込み、浜島が抱いている雪藤詩歌(女子22番)も何とか外へ放り出されずにすんだ。

 バスの揺れは収まり、中は閑散としていた。

 揺れ始めてからどれくらい経ったのかは浜島には皆目見当がつかなかった。


「な……何だったんだ? 今の……」


 揺れが収まってしばらくして佐藤昌平(男子08番)の声を皮切りにバス内の生徒が騒ぎ始めた。

 浜島の横の席では木村遼太郎(男子06番)と藤原蛍(女子18番)が浜島と雪藤と同じように彼女を抱きかかえた状態になっていた。


「……達郎くん、ごめん」

「いや、無事でよかった」


 浜島は雪藤に怪我がないか探ったが、特に異状はないようだ。

 浜島は安堵のため息を漏らした。


「なあ、事故だったのか?」


 佐藤と同じ体育会系の西島圭一(男子15番)が前方に向かって叫んだ。

 だが返事をするものはいない。


「おい、先生も運転手も、バスガイドもどこに行っちまったんだ?」

「新名みたいに外へ飛ばされたとか……」


 前の方でそんな会話を浜島は耳にした。

 浜島は立ち上がって前を見たが、一番前に座っているはずの乙井も、その横で立っていたバスガイドも少し見えにくいがどうやら運転手も本当にいなかった。


「何なのよ……ここいったいどこなのよ」

「何で? 何で何で……」


 浜島はその言葉を聞いて、反射的に外を見た。

 窓は見事に割れていたが、なぜがこちら側に破片がひとつもなかった。

 だが驚くのはそこじゃなかった。


 ――ジャングル?


 身の毛もよだつ熱林だった。

 高校の地元にこんなところあったか――?

 浜島は試行錯誤するが思い当たらなかった。


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