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黒砂の光  作者: 馬ノ やすら
第二章~アルヴェリオン共和国編~

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【第86話】襲来

僕は目が目を覚ますなり急いでランスロッテ様の下に駆け寄る。

「ランスロッテ様!」


「ううーん・・・。なんだい?朝から騒々しい・・・。」

寝ぼけ眼のランスロッテ様を叩き起こす。


「あいつが・・・、ノクタリオスが来ます!!」

それを聞いたランスロッテ様は一気に眠気が覚めたようでバッと起き上がる。


「それはいつ?なんでわかった?」

僕の方を掴みながら慌てたように聞いてくる。


「夢の中で命の逆巻時計が色々教えてくれました。そして奴が目覚めるのは今夜だと思います。」


「わかった。ハースリン!!急いで支度だ!」


「畏まりました。ランスロッテ様。」


「ニクス君たちも完全装備で待機したまえ。」


「はい!」

そうして完全装備した僕達は急いでまずレオニダスさんの下に行く。


「ランスロッテ様、まだこの様な早朝から何のご要件ですか?」

レオニダスさんの付き人に止められるがそんなのに構っていられないとばかりにどんどん進む。


「レオニダス!!至急の案件だ!!」


「あんだよ・・・、こんな朝っぱらから。ふぁーあ・・・。」


「今夜ノクタリオスが来るぞ。」


「!?何だって!!」

あくびをしていたレオニダスさんも一気に目が覚めたようだった。


「それは何処情報だ?」


「ニクス君からの確かな情報だ。」

レオニダスさんが僕を見たので頷き一つで返事をする。


「わかった。全員聞け!緊急事態だ。今晩『例の件』が起きる可能性が非常に高い!休暇中のやつも出動させて全員体勢で事に当たれ!以上だ。」

どうやらレオニダスさんは今回の件を本筋は話していないがいつでも緊急対応できるように訓練していたらしい。

それを聞いたスタッフ一同が一気に動き出す。


「場所はどこになる?」


「恐らく僕がいる場所に直接来ます。」


「なら好都合だ。今のうちに移動しよう。場所は『竜断の地』だ。」

初めて聞く地名だがランスロッテ様は納得していた。


「なるほど。竜断の地なら好都合だな。広さも申し分ない。」


暫く外で待機していると全身装備を固めたレオニダス様がやってくる。

「この装備に身を固めるのも久しぶりだな。」


「ああ、私もだ。」


街では忙しなく避難が開始されている。

「この国では以前から地震などの災害も多かったしましてや俺がこの座に付くきっかけになったような龍による災害も発生していたからな。こういう緊急事態時は避難できるようにしているのさ。」


「なるほど。」

そんな事を話していると総師範(マスター)とエレインがやってきた。


一斉に僕達は跪く。

「よい。してノクタリオスが来るとおいうのは事実か?」

総師範(マスター)が話を切り出す。


「ニクス君の話通りならまず間違いないかと。」


「なるほど。場所は?」


「竜断の地で迎え撃つ。」


「あそこか。うむ、ならば私たちも行こう。どれ程の物か見届けたい。」


「私も行きます。」

エレインも総師範(マスター)に付いていくと言い出す。


「前からお祖父様にはお話していたの。もしノクタリオスが現れるのだったらそれを見て現実を知りたいと。」


「・・・じかなり離れた場所になるし下手したらそれでも巻き添えになるかも知れないがそれでも良いのか?」

レオニダスさんが確認するように問う。


「ええ!覚悟は決めてきているから!」


「なるほど。では準備ができ次第移動する。」


そうして僕達は今回の決戦の地となる竜断の地目指し移動する。

「竜断の地というのはどういった場所なんですか?」


「俺がドラゴンスレイヤーになった場所だ。元々は街があったんだが今はモノの見事に破壊し尽くされて荒野になっている。」


「なるほどそれくらいの規模感なら丁度いいかも知れないですね。」

そうして竜断の地に到着後は各々ストレッチをしたり軽く汗を流したりして過ごす。


「それにしても何で今日そのアイツが来るってわかったの?」


「ああ、それは僕のいつも身につけている時計が教えてくれたんだよ。」

僕は胸に仕舞っていた時計を取り出し見せた。


「ふーん・・・。」


「そう言えば君は朝、命の逆巻時計が色々教えてくれたと言っていたな。何を教えてくれたんだい?」

ランスロッテが同じく時計を見ながら朝のことを思い出したようで聞いてきた。


「はい。それはとても興味深い話でした。」

そうして僕は命の逆巻時計とノクタリオスの関係、更にはこの星がどの様な経緯で今のような状態になったかを話した。


「なんということだ。そんな事があったのか。ある程度の予想はしていたがそこまでとは驚きだ。」

ランスロッテ様は話を聞き、あまりに壮大過ぎる内容に驚愕していた。


「俺はいまいちピンとこねえな。きっと話がでかすぎるからだろうな。現にノクタリオスの存在すら俺は未だに会っていないからな。ランスロッテが話をデカくしているだけな気がしてならない。」


「あはは。そうですよね。ですが、アイツはとんでもない強さは本物ですよ。」

僕は時計を眺めがながら前回の戦いを思い出し、体が震えてきた。


そんな様子を見てかランスロッテ様がふわっと僕を抱きしめ慰めてくれる。

「大丈夫だよ。前回は君の先生であったアッシェが命をかけて君を守った。今日は僕達が君を守るよ。」


「ええ、ですが今回は『全員で』生き残りましょうね。」

僕はニコッと笑い答える。


刻一刻と時が過ぎ朝から準備が始まり昼過ぎには既に全員が指定の避難所に入ったと連絡がある。

更に時間が過ぎ日が傾きかけた頃だった。

「そろそろ私とエレインは退避させてもらう。健闘を祈るぞ。」


「はっ!」

総師範(マスター)に敬意を示し挨拶を返す。


「ニクス・・・!頑張ってね!必ず生きて帰ってくるんだからね!」


「ああ、エレイン。必ず。」

そうして二人が去って暫くして日が落ち始めた時だった。


ドン!という大きなプレッシャーが急に全身を襲う感覚に見舞われる。

「ランスロッテ様!レオニダスさん!」

僕が二人に話しかけると二人も同じ感覚を味わっているようで冷や汗をかいていた。


「ああ、間違いないね。奴だ・・・。」

ランスロッテ様から余裕が消える。


「おいおい・・・。とんでもねえプレッシャーだな・・・。確かにこれなら龍10匹のほうがまだ余裕あるかも知れないぜ・・・。」

レオニダスさんですらそう言ってしまうくらいの状態だ。


更に日が落ち暗くなり始めると同時にずあっ!っと夜空が一変した。


「真紅の満月・・・。」

僕がそう言い月を見るとあの人同じ様に真っ赤な夜空に月が元の形に戻っていた。

そして元の月を背に奴が現れる。


「ノクタリオス・・・!」

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