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黒砂の光  作者: 馬ノ やすら
第一章~少年編~(全47話)

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【第18話】格闘術の基礎

翌日、朝食時に早速先生より格闘術の基礎を盛り込んだ1日の新メニューが発表される。


「基本的に午前中のメニューは変わらない。朝からみっちりストレッチだ。これはお前がどんなに成長したとしても基本的に続けるものだと思え。」


最初の1ヶ月のうちにこれを言われていたら正直、挫けていたかもしれない。

しかし、このストレッチを行うことで明らかに翌日への疲労感が薄れていること、また怪我をすることが圧倒的に減っていることに気がついてからは、むしろ気合を入れて毎日行う日課になっていた。


「はい。ストレッチの重要性は理解しています。」


「身を持って理解しているようでよろしい。次にランニング。これを今までとは違い多少変則的にする。」


ここに来ていきなりの変化があるようだ。


「基本的に行き帰りのルートは変わらないが、俺が合図を出したら全速力で走り、再度合図を出したら今まで通りのスピードで緩めて走るという複合的な走り方に変え更にスタミナを増強させることにする。」


「なるほど・・・。勾配に加えての負荷の変更があればかなりきつそうですね・・・。」


そう言いながら最初のうちの地獄のランニングを思い出していた。


「そうだな。お前が想像する以上にきついと思うので覚悟するように。」


先生からそう釘を差されたことで頭を抱える。


「午前中は以上であり、格闘術については午後から開始する。」


「楽しみです!」と心の底から歓迎の意を表すると若干引かれた顔になる。何故?


「基本的に格闘術の基礎訓練は昨日まで行っていた、『体幹と重心のトレーニング』を置き換えて行うことになる。」


「あ、そこが変更になるんですね。」


そう言うと先生は一つ頷く。


「そうだ。最初は当然格闘術の素人であるお前が覚えることや訓練すべきところは『格闘術においての体幹や重心』の置き方や動かし方になる。」


「なるほど。ここで昨日まで訓練していたものも活きてくるというわけですね。」


昨日までの体幹と重心のトレーニングを思い出しながら答える。


「相変わらず8才の子どもとは思えない考え方でもう驚きもしねえよ。」


そう言われ呆れられる。


「ところで、お前、利き手はどっちだ?」


そう先生が唐突に聞いてきたので少し困ってしまった。


「利き手というのは動かすのが得意な方な手ですよね?」


その質問に先生は「うん?」と少し困惑した表情になる。


「その通りだが?なにか不都合でもあるのか?」


「そのことなんですが、実は僕、利き手というのがわからないんです。」


そう言うと更に先生は困惑した表情になり頭に?を浮かべていた。


「どういうことだ?普通利き手と言われれば右か左かというニ択になるだろう。」


さも当然の様に言われてしまったが僕は「うーん・・・。」と少し悩む。


「実は両手とも同じくらい普通に使えるので利き手というのを意識したことがないんです。」


そう言うと「両利きなのか!?」とかなり驚いた様子であった。


「はい。生まれつきの特性みたいなものですかね?」


「そうだったのか。」と先生は少し考えを深くしている。


「やっぱり、問題がありますか?」と思わず心配になり聞いてしまう。


「いや、その生まれ持った両利きというのは今後の訓練次第で一つの大きな武器となるだろう。それを考慮して今後の訓練に組み込みたいと思う。」


先生からの提案を受け非常に嬉しく思った。


「まあ、基礎格闘術の体幹と重心のトレーニングについてはまだ問題はないだろう。次に筋トレだがこれも今まで通りだが、慣れてきたことでかなりスピードがあがっているな?なので単純にセット回数を増やす。」


そう言われたことで嬉しかった気持ちは吹き飛び、先生お手製塗り薬(やさしさと蜂蜜入り)がまた恋しくなると考えていた。


「さあ、これでメニューの説明は終わりだ。さっさと片付けて始めるぞ!」


そう言われ早速準備にかかる。


ストレッチについては今まで通りで問題なかったが、早速変更となったランニングで久しぶりに汗と同時にヨダレと鼻水を流すことになった。


「はぁー・・・・、はぁー・・・。」


「しっかりと呼吸して空気を脳に送っておけ。仮に戦闘時に今の状態なら間違いなく今のお前は死んでるぞ。」


そう言われるが、そもそもまともに動けない状態なので間違いなく死んでいるだろうとは思った。


久しぶりに昼ご飯の用意まで手が回らなかったため、先生に協力をお願いし、やっとの状態で昼食を取る。


「ああ、そうだ。ついでに短時間睡眠訓練もしてみるか。」


今思いついたように先生に言われ困惑する。


「え!?今からですか?」


「そうだ。早速だが、今から寝てみろ。時間にしておよそ10分ほどか。時間になったら教えてやる。」


先生の思いつきで早速短時間睡眠訓練が開始される。


しかし驚いたのは、比較的あっさりと寝付くことが出来た。


「こ、こいつ。ある意味大したものだ。」と思わずアッシェは呟く。


そして10分後、思いっきりデコピンで起こされる。


「痛い!!」


デコピンを食らった額を抑えながらガバッと勢いよく起きると先生は笑顔で「おはよう。」と言っている。ぐぬぬ・・・。


「で、気分はどうだ?」


「そんなの!あ、あれ・・・?」と思わず口に出てしまうほど想像以上に体力が回復し、頭が回っていることに気がつく。


「それが短時間睡眠の回復の効果だ。覚えておけ。」


素直にこの効果は凄いものだと理解し、今後も昼休憩に取り入れることにした。


休憩後、早速待ちに待った格闘術の基礎訓練である。


基本的にやったことは前半は素手での戦闘時においての構え方と体幹と重心の置き方。

後半はショートソード程度の大きさの木剣を使用した構え方と体幹と重心の置き方の訓練であった。


大人からしてみればショートソードは名前の通り短めな部類に入るが、8才の子どもからしてみればそれでも大きいと感じるくらいの物であり、初めてまともに剣の形をしたもの手にし感激すると同時にやはり初めてのことなので困惑することも多かった。


初日はただただ初めてづくしで終始戸惑っているうちに時間となり、締めの筋トレになる。


「まあ、最初はあんなもんだ。」と先生が言ってくれたことで若干の焦りも消え、今後の課題にしようと心に決めた1日であった。

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