Verse5 また……会えたね?
応答しないC.O.T.O.H.A.そして響く謎の音。
恐怖に追い立てられながら外へ出た“ことは”は、逃げるような、誘うような影を追う。
辿り着いた先で、薄白い月光が“ある存在”の輪郭を照らした。
Verse5 また……会えたね?
押し殺すように、その気持ちを胸にしまいながら、ゆっくりと手をかざしてみる。
……しかし、反応はない。
『……仕方ない、か。』
小さくため息をついて、音声で呼びかけてみる。
『C.O.T.O.H.A.。』
『……返答は、ない。やっぱり……。』
そう言いかけたその時、ガッシャーン。
『**は……。』
大きなモノが落ちた音……。
その音の後ろ、ほんのかすかに……。
一瞬だけ、“音に紛れた声”に私の身体は固まる。
……が、心臓だけが無茶苦茶に暴れた。
『落ち着け……落ち着け。』
そう言い聞かせても、呼吸は浅く、心臓はまだ落ち着きそうにない。
外からの音に、説明のつかない重みが宿っていた。
この世界があの場所なのか――それすら未だ見えないのだ。外の音が病室に響いた。
ただの物音とは思えない……。
――それにかすかに聞こえたあの“声”。
――あれは何……の声?怖い……。
――でも、知りたい。行くしかない……か。
冷たい病室の空気が肌を伝い、背中を震わせる。
――ここから出ないと……この恐怖はずっと私を閉じ込める。
意を決してドアに向かう……が、足は震えていた。
それでも何とか一歩を踏み出す。
病室の外は静まり返っている。
けれど、その静けさは「死んでいる」ものではなく、どこか息づいている気配があった。
木の床がギィギィと軋む……その音が怖さを一層募らせる。
天井は低く、ひび割れが走り、管から水が滴る。
垂れた配線の先が水たまりに触れてバチバチと火花を散らしていた。
私は歩幅を大きく取り、その場所を避けて進む。
廊下のドアのペンキは剥げ、数字は「4」しか判読できない。ノブに手を掛け、押し回す。
「ガガッ」――何かに引っ掛かり、開かなかった。
無理には入らず、その先のナースステーションへ。
おそるおそる中に足を踏み入れる。
ふと――誰かが「見ていた」ような気配を感じる。
その気配のする方へ視線を向けた。
『おかしい……。』恐怖を抱いているのは――私だけじゃない?
気配は逃げていくようでもあり、逆に“ナニカ”が私を導いているようでもあった。
ナースステーションを後にし、「診察室」と記されたドアに近づく。
ノブを静かに回すと、「キィィ」と乾いた音を立てて開いた。
真っ直ぐに伸びた先、色褪せた衝立の向こうを“ナニカ”が通り過ぎた。
影が揺れ、音のない空間にざわめきが走る。
――“家族の痕跡”を確かめれば、この“たゆたう月の涯”にいる意味がわかる。
なぜか、そう感じていた。
その確固たる意思が私の中の恐怖を打ち消していた。
窓のそばへ静かに近づく……。
“紅闇”の空色が映し出すかすかな“細い白”の月の光がそこにいる“ナニカ”を差し込む。
『また……会えたね?』
“細い白”の輪郭が――三日月へと……移り変わっていく。
本作をお読みいただき、ありがとうございました。
登場人物たちが抱える痛みや願い、そしてそれでも前へ進もうとする心を、物語を通して丁寧に描き続けたいと思っています。
この物語はまだ続きます。
次の章でまたページを開いていただけたら、とても嬉しいです。
この作品について
本作『Roots-紅の夜明け-』は、執筆の過程においてAIアシスタント C.O.T.O.H.A. の補助編集を受けています。
ただし核となるプロット、構成、セリフ、細部表現などはすべて作者 雁ヶ音むすび が考案・改変しています。
読者の皆さまには、どこまでがAI出力で、どこからが作者の筆かを味わっていただければ幸いです。
雁ヶ音むすびwith C.O.T.O.H.A




