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第26話「その女、公爵令嬢失格 7」

カンナ:魔法使いとしてのレベルはひよっこ。これからに期待大!

アオ:仙人級の魔法使い。鍛えに鍛えまくりました。努力型の天才。


 前回のあらすじ。カンナとアオの共闘により、ネネのアンチホールを突破することに成功した。


 水刃がネネ・ゴールデンの懐に入っていく。その威力は悶絶する程度に抑えたものだ。本気だったら綺麗に真っ二つだったからな。


「ウグッ!!」

「! お嬢様!」


 綺麗に入ったデットラインは、受け身を取らせることもなくネネ・ゴールデンを地面に転がせた。周囲に展開されていたアンチホールが消えていくのを見ている限り、どうやらうまくいったようだ。


「アオ! うまく行ったの!?」

「おお、止まったよ。よくやったなカンナ。それとお前も、よくカンナを守った」

「えへへ、それほどでも」

「……うっす」


 褒められて照れる二人を横目に、気絶するネネ・ゴールデンを見下ろす。近くには深緑髪の男が立ちふさがり庇っている。さてはて、どうなるのやら。


「うっ……私は」

「お嬢様! ご無事ですか?」

「お、やっぱさすが私。ちゃんと起きたな」

「それって起きなかった可能性もあるってこと? ねぇ、こっち見ろアオ」


 ちょっとうるさい小娘を無視し、起き上がったアホ娘に近づく。その間も深緑の男からの殺気がビシバシと。やるってんなら殺ってもいいぞ。


「私は……確かあの悪魔と」

「よー起きたなネネ・ゴールデン。負けた気分はどうだ」

「私が……負けた……?」


 どうやら意識が混濁している間の記憶は殆どないみたいだ。自分が負けたことに愕然とするネネ・ゴールデンにニヤつきながら現実を叩き込んだ。


「ああ、そうだ。お前は負けた。しかも、魔力暴走を起こした上に死にかけたしそこにいるカンナに助けてもらった。さて、これ以上ないほどお前は敗北したがどうする?」

「魔力暴走……私が? それに、助けてもらったって……っ!」


 ボーっとしていたネネ・ゴールデンが飛び上がる。その目には信じられないとでも言うように目を見開きながらも、短剣を握りしめていた。


「そんな、そんなはずはない! 私の計画が、全部失敗したとでも!?」

「そうだと言っているんだがな……もう一度気絶させるか?」

「やめて」


 はい、やめてと言われたのでやめまーす。しかし思った以上に自分に自信があったんだろうな。ま、あそこまで鍛え上げた自分が負けるなんて考えてもいなかったんだろうな。


「まだやるか? 私は別にいいが」

「チョッ! 本当にやめて! ネネさん、もうやめてください! わたしたちは別にこのことを公にする気はありません! ですが、なんでこんな事になったのか、何が目的なのかを教えてほしいだけです!」

「……っ悪魔が」


 カンナの説得すら聞く耳を持たない……か。どうしようもねぇなこれ。こいつの目を見る限り、もうヤケと言ったところか。何をそこまで自分を急かせるのか、気になるところだがまずは制圧が先だな。


「魔力がカラの状態でどうするか聞きてぇな。お得意の闇魔法はもう使えないぜ?」

「そうね、闇魔法なら使えないでしょうね……でも!」


 覚悟を決めたネネ・ゴールデンが懐から取り出したもの。それは私の時代でもあまり見ない魔道具。あれは……魔法弾銃《《マジック・バレット》》!? なんて古物を!


「これだったらあなたはどうするのです! アオ!!」

「! この女!」


 向けられる銃口に、火の気配を感じる。まさか、こいつ二属性魔法持ちだったのか! だが、火と水だったら水のほうが強い。大丈夫だ、このまま水でカバーしたら。


「ダメーーー!!」

「えっ!」

「は?」


 銃口から火が飛び出る、その前に聞こえた気の抜けるようなアホの声。眼の前ではネネ・ゴールデンに飛びついたカンナが、その中を取り上げてそこらに投げていた。うわーお、すっごい大胆。


「ダメだよ! こんなことしたらアオに殺される!」

「なっ! は、離しなさい!! 私が簡単にあの悪魔に殺されるとでも!?」

「殺されるよ! 絶対に殺るもんアオなら!」


 ギャーギャー騒ぐカンナの言葉に反抗するネネ・ゴールデン。まぁ、そのとおりですけど。少しはガキの前で殺さないようにする私の紳士的な行動を信じてくれてもいいんじゃないのか?


「私は、私は! ここで負けていてはいけないのです! 負けたら、負けたら私はっ!」

「だから、その理由を言ってよ! 聞いたよあの人から、自由になりたいんだって! なんで自由になりたいのか、言ってよ!」

「どうして貴女に言わなくちゃならないのです! 言ったところで男爵家の娘である貴女には何も」

「言わなきゃもっとわからないじゃん! このわからず屋!」

「だ、誰がわからず屋だと!!」


 うーんなんだこれ。明らかに筋力差があるのにカンナがふっとばされていないのは、多分ネネ・ゴールデンが疲れているからだというのは分かるが、どうしたものか。とりあえず私は興奮する二人を引き剥がし、ネネ・ゴールデンとその部下全員を縛った。


「とりあえず、訳を話せ」


 そしてそこのカンナさんはガルガル唸らないの。これだからガキっていうのは。


 ****


 そして話を聞いていく内に、その概要がわかった。公爵家の裏の顔に、ゴールデン家の闇である兄弟殺し。そして。


「王太子との縁談話ね」

「そうです。これを破棄するためには、私が公爵家の当主になる他ない。しかし当主になるには両親をどうにかするしかないが、今の私では厳しい。そこで悪魔の力を使おうと思ったのです」

「ふーん……」


 聞いていく内に分かったことだが、闇魔法の家系によくありがちなところまでは分かったが、たった一人しかいない公爵家の娘を王太子の……ましてや王妃だなんて今の国王はおかしなことを考える。


「ほ、ほへぇー?」


 そしてカンナの頭がすでに限界を迎えた。静かでいいのでそのままでいなさい。


「それで、自由だのなんだの。当主になることが目的なら別に私の力は必要ないし、そもそもなんで王太子との結婚が嫌なんだ。普通に玉の輿だろ」

「……それは」


 プルプルと震えるネネゴールデン。何だなんか爆発しそうだ、なんて思っていたら案の定爆発したように顔を真っ赤にして私を睨んだ。


「あんのバカ王子と結婚するなら死んだほうがマシだからよーーーー!!」




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