EP:23-Temple of Cocytus - the first half - 〜①〜
第23話。
一難去ってまた一難。
今度は異常気象による大寒波に見舞われたブレードは原因が存在するであろう神殿へと踏み込む。
ゼルダやダクソを見て習ってみたけど上手く書けてるか心配。
表紙です↓
https://twitter.com/poh_YmikuIMZVQ/status/1396499296980062214?s=19
朝起きて、ボコボコになった自分とそっくりの顔とご対面。
ていうか、我音だった。
あれから女性陣にこっ酷くやられたらしい。
だが、そんな事よりもこの空気だ。
肌寒い...異様に。
この旅館内では、客の体調面の為に保温結界というモノが張られている。
...筈なのだが、全く効果を成していない。
否、外を見ると猛吹雪。
異常気象...昨日までは雪が降るとしても少しといった感じだった。
が、ここまでの大寒波は来る気配が無かった。
「ブレードよ、これは...」
魔人の攻撃か。
「かもな...」
だが、現状確認のしようがない。
外に原因があるのだろうが、アテがない。
無暗に外に出れば体力を奪われてお陀仏。
まぁ、この場合は頼れる伝手を頼る他無い。
この地なら。
佳奈江。
「わからないのよ...」
「役に立たねぇ厨二娘だな、おいハツ、捨て台詞くれてやれ。」
「このクソ虫が、なの。」
「酷い言いようなのよ!?」
案外ノリが良い初雪とその場でソニアに泣きつく佳奈江。
優しく撫でる彼女だが、同い年である。
胸囲のレベルは違うが...ともかく。
本命、初雪。
「あるの...原因のアテ。」
「やっぱりな、お前は知ってると思った。」
「じゃあ最初っからそっちに聞くのよ!!」
「何だ泣き虫。」
「目ん玉スプリンクラーが何ほざいてるの。」
「罵倒のレベルが急上昇してるのよ!?」
大体この男のせい。
それはさておき、案内を初雪に任せるとしよう。
しかし...何だか騒がしい。
ここにいるのは自分達と不審者Aに不審者Bのみの筈だが。
見た所、昨日や一昨日寄ったスイーツカフェの店長や店員から。
果てには、昨日襲い掛かって来た不良達まで。
「ブレード、来てくれ。」
眺めていると、ケインに呼ばれた。
この事態の解決についてか。
我音と共に向かう。
談話室。
話を聞くと、雪の様に真っ白な人型の人形や狼が襲い掛かって来たとの事。
最早気象のみの問題じゃない。
その怪物達は民家等を襲っている様で。
この旅館へはまだだが、いずれ被害が来る。
故に、早期の解決が望ましい。
しかしここを護る必要もあるので、戦力を余り割けない。
そこで、スティーヴの提案。
「ほとんどのランカーはここで待機しながらこの旅館を護る、結界の保持を兼ねて。」
「つまりだ童貞野郎、原因を探る班は極力少人数だな。」
「そうだね、僕としては適任は君だよB.E。」
現状、ほぼワンマンアーミーで立ち回っても問題ない戦力を持っている。
多属性を使いこなせる上に便利な道具、能力を色々持っている。
魔力の吸収もできて、それを臨機応変に使える。
この上なく適任の人選だ。
「わかっている、だが案内と補佐を付けさせてもらうぜ。」
という訳で。
・ブレード
・初雪
・佳奈江
...
「何でなのよ!?」
突如、ロビーに連れて来られた佳奈江、当然の文句。
「女将の許可はもらってある...勉強だと思え、実践ありきの授業を受けさせてやる。」
「良い考えなの、お前。」
初雪は行く気満々。
それもそうだ、行き先は彼女しか知らないのだから。
「それに、このままじゃ...テメェの故郷は愚か、この旅館も潰れんぞ。」
「え...?」
「一昨日のバケモン、見ただろ?」
忘れもしない。
彼と会ってから、ずっとフィクションの世界を見て。
頭の中で描いて、敵も実在しないのに勝手にはしゃいで。
なのに、突然本物が現れた。
そりゃ、この旅館には気性の荒いランカーが泊まりに来ることもあった。
けど、あの化け物はその比じゃない。
全てが。
自分の知る世界の全てが"アレ"に全て壊されてしまう。
大事な親も、自分自身も。
それまでに大きく、強大な""恐怖そのものだった。
彼があえてそれを強調する様に言ったという事は、それ程の脅威という事だ。
今起きている、この現象は。
...
冷静になれ。
自分に何ができる。
前の彼は前述の化け物を撃退した猛者。
そして同行が決定している初雪は神様で、特殊な力を持っている。
対して自分は...先天的な魔力は無い。
そして勿論、魔力めいた"ブツ"に触れた事も無く、何の力に目覚めてもいない。
一昨日だって、初雪とアニマの力添えがあってこそだ。
...やはり、自分には無理だ。
ここは断ろう。
そう思ったが。
「ハイ時間切れ。」
「ぐえぇッ」
チョークスリーパーの如くヘッドロック。
いや、本当に入っている、苦しい。
「俺が選んだからには拒否権あると思うな厨二巫女娘、行くぞ。」
「ちょッ、入ってるッ...絞まってるからッ」
「テメェにもできる事があるって教えてやるよ。」
「!!」
怖い。
本当は血からどうのこうの何て関係ない。
怖い。
けども、行くしかない。
わかっていたんだ、けど逃げたかっただけだ。
「...わかった、ついて行くから放すのよ。」
心は決まった様で、言われた通りに開放する。
最早渋々と言った感じの佳奈江に、当然と言った感じでついてくる初雪。
宿を出よう、その時。
フードを目深く被る姿...男。
リーパーだ。
「何だ、テメェも来んのか?」
その問いに対し、彼は静かに首を横に振り。
懐から札を3枚取り出す。
流行ってはいないが、意外と札の魔術は廃れていないらしい。
「カイロ代わりだ、持って行け。」
「おう、さんきゅ。」
助かる、彼の専門分野は焔だ。
持つだけで身体が温もる。
初雪にも心地好いらしい。
そして奥へと姿を消していった。
懐から別のモノ...書物を取り出しながら。
魔導書だろう、この旅館全体を温気で覆うつもりらしい。
この旅館は彼らに任せておけば大丈夫か。
自分達は自分達で向かう場所へ。
道中、報告にあった狼や人型を無惨に蹴散らし。
着いたのは、昨日ソニアと行き、佳奈江が初雪と特訓していた場所。
そして、自分と彼の過去の遊び場。
改めて見ると、神殿か何かの跡にも見える。
案内したのは、初雪。
「ここって...」
「ここに原因があんのか、ハツ。」
問いに対し、初雪は何も答えない。
だが、何かを紡いでいる。
そして突然。
地が激しく揺れる。
佳奈江はバランスを崩し、尻餅を突きかけるが辛うじてブレードが支える。
地面がいきなり突起、石畳が出現した。
「ここを開くの、久しぶりなの...」
その久しぶりは"何年前"だろうか。
そして石畳が今度は段を紡いで沈んでいく。
地下へと長く、長く続く階段。
「...悲嘆の神殿。」
「コキュートスか。」
「本来は神聖な場所、でも変な気配を感じるの。」
感知...
"黒"。
魔人か...それともよく似た何かが?
「いずれにしろ、異常気象の原因は...」
「この中にあんのか。」
「ぶ、ブレードさん...今更だけど...」
やっぱ怖くなってきた、なんてこの男は言わせず。
「丁度良いじゃねぇかカナエ、行くぞ。」
「え、本当に私も...ぐぇッ」
パーカーの裾を思いっきり引きちぎるが如く引っ掴む初雪。
首が締まっているとわかりながら。
「黙ってついてくるの小娘。」
「ぐ、苦しッ...待って...私何の力も持ってないのよ...ッ!?」
「あぁそう、それがどうした?」
「へ...?」
「さっきも言ったが、今からこの中で力の付け方を勉強させてやる。」
「...は?」
中には化け物がいるのは確定。
なのに彼は自分に何かする気らしい、呑気だろうか。
自分は狂気に感じる...未だ締まりつつある首を他所に戦慄を覚える佳奈江。
「覚えが悪かったら氷漬けなの。」
「お、ハツ、いいなそれ。」
やめて。
もっと怖い。
しかし拒否権は無い様で神殿内に引きずられていく。
わかった、もう抵絶対に抗しない。
諦めよう...諦めるから。
「せめて自力で歩かせてなのよッ」
ブレード先生によるスパルタトレーニング、痛みも伴うよ!!




