EP:22-Hot break. 〜⑤〜
彼はクールよりフール寄り。
帰り道、4人一緒。
田園地帯の最中を歩くが、道中で何やら集団で騒いでる模様。
見た所、中心にいるのは一と功。
それを囲むのは如何にもオラオラな方々。
オフという事もあって、いつもよりラフな格好をしている一は女性としてより魅力的だ。
だからこそ、あの様な輩に絡まれ、それを功が庇っている最中。
と、言った所か。
「あ、あわわ...ふ、不良なのよ...」
こっちはこっちでパニックだ。
そして、その傍にいるソニアもある意味パニックだった。
一と功は自分達の連れ、つまり"ブレードの仲間"である。
イキッた不良達が屍累々の絵図へと変貌する未来が見える。
当然、目の前の男は指をバキボキ鳴らしながら近づく。
が、突如その動きを止めた。
一体何事かと彼に近づこうとするソニアだが。
「何やっとるがね、おまんら。」
次に現れたのはふくよかな壮年。
不良達の仲間...という訳でもないらしく。
一達と分かつ様に間に入る。
「何だぁおっさん!?」
「しゃしゃってんじゃねぇぞ!!」
「ひぃっ」
自分に向けられた訳では無いのにいちいちビビる佳奈江。
ともかく、不良達のが鳴りに対し壮年は。
「おまんらのやっとる事は実にみっともない事だらぁ、よってこの俺がこじゃんと成敗したるっち。」
「ほざけや!!」
当然、壮年が1人現れた所で引き下がる訳なく、襲い掛かる。
1人目、殴り掛った所を屈んで躱され。
鳩尾に綺麗なライトブロウ。
2人目、武器にナイフを取り出そうとするが壮年はそれに対し、1人目を投げつける。
慌ててナイフを仕舞い、避けれずに当たった所を。
「そりゃあ!!」
ドロップキックで共々蹴り飛ばされる。
「お前ら下がってろ、俺が相手する。」
3人目、リーダー格らしい。
木刀を振り回し、襲い掛かる。
だが、余りにも単調なその振りを全部躱す。
やがて縦に振り下ろされたその太刀筋を。
真正面から白刃取った。
「なッ...ぐわぁ!?」
そして木刀を奪い取るとほぼ同時に豪快な回し蹴りを叩き込んだ。
その一撃を以て、気絶。
怯む他の不良達に向かって叫ぶ壮年。
「おまんらもこうはなりたくなくば、さっさと消え失せい!!」
その様相が鬼にでも見えたのか、気絶した者を運びながらあっさりと去っていった。
これにて落着だ。
「ありがとうございます。」
「戦うのに躊躇してたら、応援を呼ばれちゃって...本当に助かったよ!」
当然、礼を言う2人。
「あー構わん構わん、俺はああいう輩が嫌いなだけっちゃ。」
自分は大した事ないと謙遜するその壮年に。
「訛り滅茶苦茶だぜ。」
と、苦言を促すのはブレード。
一同、仲間の恩人に対しての彼の物言いに凍り付く。
初雪以外。
が、壮年は嫌な顔する事も無く。
「おっと、これは失敬。」
「慣れないなら標準語の方が自然だぜ。」
「それやと味がないやん。」
「テメェは既にソース味だから問題ねぇ、それも重ね漬け。」
「酷い言いようだがね...」
「ちょちょちょ...」
一、慌てて間に入る。
混乱するのは当然だ、突如現れた自分達の恩人である壮年とまるで知り合いの様に話す兄貴分。
「え、知り合いなの兄貴?」
「まぁな。」
「そういうこっちゃ...俺は[[rb:平八 > へいはち]]、よろしゅうなお嬢さん方に兄ちゃん方。」
聞く所、仕事の関係で知り合った仲だとか。
本当に彼のネットワークは計り知れない。
「そして女共は気を付けな、こいつはムッツリスケベだ。」
と、聞いて女性陣、揃って胸元を隠す。
が、それに対しては流石に不満気の平八。
慌てて功がフォローに回る。
「ぶ、ブレードさん、流石にそれは失礼に当たりますよ。」
「そうだら、ムッツリではなくオープンだがや!」
「いやそっちぃ!?」
つまりスケベである。
特に胸が好きだとか...どうでもいいか。
そして同じ旅館に泊まっているそうなので、男性陣は普通に話しながら。
女性陣は若干距離を取りながら旅館へ戻った。
間もなく辿り着いた所で。
「待てコラ!!」
呼び止める声。
まぁ、声質的にさっきの仲間だろうと思って向けば。
リーゼントにマスク、ツナギ...ゲームだと不良Dとでも書かれていそうなモブ不良の風貌。
が、持っている物がマズかった。
銃だ...小型だが、撃たれると流血沙汰は余裕で起こる。
が。
「さっきはよくもやってくれたなぁあアアアア!!?」
そんな彼を殴り飛ばす拳。
そう、拳だ。
拳オンリー。
不良を殴り飛ばした腕拳は平八の左腕部に収まった。
ロボットみたいな重機音を出しながら。
「忍法-[[rb:怒濤飛襲拳 > ロケットパンチ]]。」
「忍法じゃねぇだろ...調子良い様だな。」
『いやいやいや。』
ツッコミが追いつかない。
そんな一同に白銀に輝く義手を見せながらドヤ顔を披露する平八だった。
その後、言及した所。
昔、仕事で腕を失い、ブレードとスティーヴが作ってくれたらしい。
そして現在、その銀ピカに光る義手を浴場で湯に浸かりながら見せてくれている。
目を光らせながら眺めるのはジュリアスとケイン。
意外だと思うかも知れないが、最近のケインはブレードやスティーヴに見せられたアニメ等の影響でこう言った物には目が無い。
そして功も興味がある様でうずうずしている、素直に行けば良いモノを。
その中、残された男子3人は落ち着いていた。
「お前達、技術者として本当に優秀なんだな。」
「あれは気合い入れて作ったよ。」
「あぁ、ロケットパンチの他にも色々付けた。」
彼らの技術者としての仕事は基本ロマンを求めてというのがある。
なんて、話をしていると何やら騒がしい。
「あ、兄貴、平八さんが!!」
突如煙の如く消えたらしい。
壁の向こうには、女性陣の声。
結論を出すのは一瞬だった。
「覗きに行ったな。」
「えぇ!?」
旅館に入る前も自分で宣言していた通り、彼はオープンスケベだ。
それも実行型の。
しかし!何て事だ。
このままでは姉含む女性陣が覗きの被害に。
「安心しろトム、メアリーとチェリムに言ってある。」
言ってある、何をだろうか。
「俺とよく似た顔がそっちにいたら半殺しにしろって。」
直後。
銃声が数発鳴り響いた。
そして、壁の上から一人の男が死体の如く降って来た。
それは湯に沈むが、即座に起き上がった。
恨めし気な顔で。
赤みが少し掛かった薄茶色の髪。
それはジュリアスとカノンを救った恩人の顔。
「おのれ...拙者の動きが読まれていただと...」
「我音さん!!?」
これが平八の正体である。
平八の由来は本多忠勝から。
全ては戯れであり、暇つぶし。
本気なのは覗こうとした事くらい。
「こうして見ると、顔そっくりだな。」
ケインの指摘通り、違うのは髪の色ぐらいだ。
聞いてもわからないとの事であり、勿論これは変化ではない。
血の繋がりも無い。
「まぁ、世の中にはそっくりな奴が数人いるってこった。」
「そういう事にござる。」
猪口に酌んだ酒を飲み干す2人。
奇妙な光景だ。
が、風呂から上がった時、我音の両手に手錠が掛けられた。
「え?」
「覗きの現行犯だ、彼女達に絞られてこい。」
とはダズマの言。
後に彼の断末魔が響き渡った所で今日も終わる。
さて。
旅行も残りは後2日、ゆっくりするに限る。
その間に初雪に”魔具”を頂き、羽も休める。
…その気でいた。
災害規模の異常な大寒波が押し寄せるまでは。
to be continued...
今回はここまで。
閲覧ありがとうございました!
次回は月曜日!




