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EP:21-Do you want to dance? 〜④〜

決着。

そして…


あれからある程度削るが、こちらの体力もそろそろガタが来そうだ。

「その自己再生寄越せよ、ズリィって。」

「ふふふ...息が荒くなっテきたヨぉ?」

強がりもバレている、さて...どうしたモノか。

"黒"を強める。

そして構えるはローグ。

「また豆鉄砲...無駄だよ!!」

そう、無駄だ。

だが、放たれたソレ(弾丸)に気を取られた瞬間。

「今なの!!」

「かか、開放ゥウウウ!!!」

窓からにて、初雪の合図を以て叫び、お札を掲げる佳奈江。

それは眩くこの場を包む光を生み出し。

直ぐに収まった直後、突如竜巻が現れた。

一つでは無く、無数に。

そして凄まじき冷気も同時に発生し、氷塊も巻き起こる。

2重属性付加...双性魔法(そうせいまほう)だ。

「な、何ダ...うワッ!?」

「これは...」

何が何だか、混乱を招くそれだが。

ブレードは、その魔力に覚えがあった。

だからか、安心して眺められた。

覚えというのは...身にあるからだ。

そして、それは集う様にポロフを包み込む。

決して逃がさないぞと明確な敵意となりて。


それはまるで、氷風の牢。


その中で、暴風がかまいたちと成りてポロフを包み込み。

氷塊が無数の槍の如く突き刺さる。

それを何とか凌ぐべく鉄爪を振り回すが。

疲労も重なり、風の刃の数が多すぎる事で成す術なく刻まれていく。

だが負けじと、それを止ませるが如く一閃を放ち。

抜け出すも、満身創痍の疲労困憊。

そして。

「な...身体が...治らない...?」

自己再生が止まった。

何故かはわからない、ブレードにも。


だが、だからこそ。


決めるなら今だ。

第六感がそう激しく告げるこのタイミングで、ポケットから紅黒い弾丸を取り出し。

ソケットに刺し込む。

そしてエンドブロウダーをタッチ。

(しめ)ぇだ。」

【Dispair Finishing Combat mode - Activity.】

鞘に納められた刃が黒焔を纏う。


抜刀術の構え。


「まダだ...僕ガ玩具如キにィ...」

足掻こうとするが、もう遅い。

射程距離内。

抜かれた黒き刃が容赦無く叩きつけられる。

必殺の刃。

黒狼演舞(こくろうえんぶ)-夢想連牙(むそうれんげ)!!」

右横薙ぎ一閃から繰り出される、演舞の如く流れる様なコンビネーション。

禍々しくも美しき、滅びの旋律を以て。

鬼気迫る斬撃の一つ一つがポロフの身体を斬り刻んでいく。

抵抗するべく身体を動かそうとするがその身体が崩壊していく。

黒焔に刻まれた(のろ)いが全てを飲み込み、破壊し尽くすかの如く。

その刃が止まった時、駆け出し。

粒子化した身体が斬撃そのモノと化し。

食い千切る様にポロフをの半身を切断した。









常人なら既に事切れている事だろう。


だが、相手は魔人である。


まだ息がある。

「ふ、ふふ...」

ほとんど虫の息だが。

達磨状態処か下半身そのモノが消滅している彼の首元に。

浮かび上がる様に首輪が現れた。

それはまるで、拘束具にも見える。

「まさか...あのブレード兄ぃが僕を倒すなんてね...」

「簡単にやられんなよ、いじめ損ねたじゃねぇか。」

簡単じゃなかったけども。

憎たれ口を投げ掛ける。

それに対し、歪な笑みを返すポロフ。

精神的な余裕は余っているらしい。

「また僕は来るよ...その時こそ必ず...」

「そうかい。」

いじめてやる、そう紡ごうとした言葉は途中で遮られる。

そしてその続きは永遠に霧散するのだ。

頭を地面に叩きつけられるように押さえつけられ。

札を取り出し、首輪の部分に貼り付ける。

絞めつける形になり、そこを中心に魔方陣が構築される。

何重にも...天にも昇る塔の様に。

その札には何重にも複雑な魔法術式が刻まれており。

魔力も尋常でない程に込められている危険物であり。


禁忌術式。


一瞬反応が遅れたが、刹那で血の気が引くポロフ。

「や、やめ...」

その行為が何を意味するか、理解してしまっているからだ。


「貴様は放たれ再び縛られる、幾千幾億の甘言と苦言が貴様を鷲掴もうとも振り向き、応える事はできず、永遠に縛られる、苦を楽と唱えよ、感じよ、貴様の魂は我が色彩に染まる、貴様の涙は我が泉から溢れしモノであり、貴様の喜びは我が血肉を持って生まれる祝福の一端なり。」


それは術式。


「貴様の全てを、"奪格"する!!」


魂縛りの(ギアス)の。

ポロフはある者に魂を捕らわれた状態であった。

同じ楔によって、逆らう事のできない様に。

それを更なる楔を以て上書きした。

自分の下僕として従う様に。

「そんな...僕が...お兄ちゃんなんかの...」

見下し続けていた相手の"下"に。

「我が魂において命ずる、可能になったその瞬間...我の下僕として姿を現せ!!」

「い、嫌だ...そんな...」

もう何もできない。

逆らうことも、自害する事も。

それが楔だからだ。

彼はブレードの所有物(モノ)となってしまったのだ。

数少なく許された権利である涙を流す。


絶望の涙を。


「嫌だぁあああ!!!」

そして、泣き叫びと共に彼の魂は霧散が如く消え去った。

残されたのは、憑依されていた人間の亡骸のみ。

なんと、この地の祠を破壊したという海兵だった。

尤も原型を留めておらず。

もう、人だったとも言えないが。

「はぁ...来れる様にならねぇのが、一番良い状態なんだがな。」

そうも言ってられないだろう。

結界を壊されているのがどうも偶然には思えない。

シスカ達に訴えた通り、覚悟する必要がある。

それに今みたいに人の身や死骸に取り憑いて次々とやって来るだろう。

気軽にそれができる様にまでこの島の結界は弱まった。

今みたいに従える術式は何度も使えない。

そして今のポロフの様に"ある男"に縛られているのだろう、全て。

元から信用などしていないし、ほとんど敵だと捉えている。

それでも、一縷の望みを。

縋れるだけの望みを見出して見せる。

そうでなければ、後ろで見守る者達を護れやしない。

嗚呼...こんな時に彼の遺言を思い出す。

トレムにも語れなかった言葉を。

"ヒーロー...お前がなってくれよ。"

「無茶ぶりが過ぎんだよ、マハ。」

何はともあれ、事態は収束。


奪格の意味が違う?

術式としてはこういう意味で使って行きます。

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