EP:21-Do you want to dance? 〜①〜
第21話、作者のお気に入りキャラその2が登場。
今回はバリバリ戦闘回。
過去からの刺客が襲い掛かり、どう立ち向かうか。
この言葉意味ちゃうでーと言われてもこの作品の術とかではこういう意味で扱って行きます。
表紙です↓
https://twitter.com/poh_YmikuIMZVQ/status/1394927477772808192?s=19
旅館の屋根上にて、寒風吹きすさぶ闇夜の中。
1人、佇む影。
「何用じゃ...お主。」
ソレに近づくのは、初雪。
「あなたの担当はどうしたの...?」
「とっくに壊されとったよ、人というのは全く業が深い事じゃて。」
幼い声は年を召した様な口調で返し、深く息を吐く。
かなり愛着があったのでそれはもう、ショックだ。
「雪より人間嫌いだったのに、意外なの。」
「今でも嫌いじゃよ...けれども。」
沢山の笑顔。
焦燥。
葛藤。
「"愚か"だけではない...それを改めて知ったのじゃよ。」
「...雪には昔から人は変わってない様に見えるの。」
「まぁ...それは間違いないのう。」
自分が会ってきた人間が悪かった。
人類を呪うには十分すぎるくらいに。
けれど、今見ている人類はまだ良い。
特に関わっている人間は凄く良い。
楽しいくらいだ。
だが、それもいつまで続くか。
「お主も感じておるじゃろう?」
「禍々しい気配...でも、昼間も感じたの。」
「...」
「教えるの...どうしてあの男が"黒"の力を持ってるの?」
「知らんよ...会った時には持っておった。」
じゃが、と続け。
「あ奴の生まれが関係しておるのかも知れん...言動を見る限りじゃとな。」
「不可解なの...」
「仕方ないじゃろう、そうとしか言いようが無いのじゃから。」
「昔のあなたはもっと聡明だったの...」
「買いかぶりじゃ...ていうかどんだけ昔じゃよ...」
長年存在して来た身である、齢で言うならもう数えきれない。
ずっとこの地を見守って来た。
気が遠くなる程。
「あの男は不思議なの...きっと察してるくせに何も言わないの。」
「あ奴はきっと、"今"を失いたくないんじゃよ。」
「よくわからないの...」
「人にもいろいろおるからの...ッ!!」
突如、襲い掛かる様に感じた。
どす黒い気配と...圧力。
夢の世界にもあった、禍々しい感覚。
「これ...あの力の...」
「初雪...皆を起こすのじゃ、ワシは男共をかまととぶりながら叩き起こすわい。」
「元凶はどうするの!?」
「何とかしてくれるじゃろ...
にぃが。」
ーーーーーーーーーーーーー
刃と長爪が交差する。
振り上げれば上げる程交差を重ねていく。
剣戟の幕開けである。
袈裟に斬り込み、鋭き鉄爪が受け止め。
もう片腕の爪が襲い掛かる。
それを下から蹴り飛ばす。
この間のソニアとの組手をヒントに編み出した動き。
相手が驚愕で固まっている間に、受け止めていた刃を滑らせ。
豪快に斬り込むが、即座に下がられ外す。
「驚いたよ...何で強くなってるの?」
「何で弱くなってんだ?テメェ。」
「むっかー!!」
脊髄の反射より早く返された反駁。
見事、挑発に乗ったポロフは怒り心頭で斬りかかるが今度は躱し。
斬りかかりたいが怒っていても相手は冷静だ。
逆の爪をカウンター用に背に隠していた。
躱すのを読んでいた彼はそのまま身体を反転させ斬りかかろうとする。
が。
「おらぁ!!」
「ヴァッ!!?」
それを読んでいたブレードは顔面を真正面から蹴り飛ばす。
靴底が一瞬めり込むも、程よく吹っ飛んだ。
しかし空中で受け身を取って、刹那で距離を詰めてくる。
再び剣戟が幕を開ける。
だがこのまま続けていてもいずれ周りに被害が出るだろう。
なので、再び片爪を受け止め。
当然もう片方を向けてくる。
それに向かって近づく、刀で片爪受け止めながら体を捻ってタックルする勢いで。
空かせた左腕を組み込ませる。
顔同士がまるでキスできそうな距離に。
「改めて見ると面は可愛いじゃねぇか。」
「は、離せっ...」
「ここじゃダンスにゃ狭ぇだろぉが...よぉ!!」
「ぐあ!!?」
戸の方へ蹴り飛ばす。
そこは外へ通じており、蹴り飛ばされたポロフは戸を突き破り銀世界と化している庭へ。
広々と広がるそこは、戦うには申し分ない。
「おいおい、その程度だったかチビッ子。」
刀身の背を肩に乗せながら悠々と距離を詰める。
これでも警戒しているのだ。
「ふふ...そんな余裕で良いのかな...?」
「あん?」
何の事かさっぱりだ。
すると...肩から袈裟にバックリ。
それだけじゃない、自身の身体に切り傷がどんどん出来上がっていく。
嗚呼...忘れていた。
「忘れていたの?僕の能力!!」
「傷みし呪い...あぁ、忘れてた。」
目から念を飛ばし、それに当たると身体に傷が刻まれる呪い属性の魔法だ。
昔泣かされた要因でもあっただろうに。
毒と違って呪いだ、耐性等持ち合わせていない。
と、思っているだろう。
集中。
心の奥底にある力を。
呼び覚ませ。
例え少し、"飲まれても"。
"黒"に染まれ。
魔人により近く。
闇よりも深く。
光より鮮明に。
この身を染め上げろ。
「ッ...それは!?」
「さぁ...第二ラウンドだぜ、坊や。」
宿した力が身体を蝕んでいく。
ドス黒き殺意と共に。
仇敵を屠れと、囃し立てる獣が如く。
奥の手の1つ、本解禁。




