EP:20-As the flowing stars guide. 〜⑤〜
来る時は何時だって突然。
不運の星が運んできたのは…
風呂上がり後、女性陣の部屋にて。
テンション上がりまくったクラナが"怪談しようよぉおおおお"なんて言い出し。
ヴィネット姉妹を中心に数人嫌がったが、カノンがドギツいのを話してしまい。
アニマ1人が「おー」なんて感心する中、一同ドン引き。
メアリーや言い出しっぺのクラナまで凍り付いたレベルだ。
それ以上はやめにして、一同就寝。
しっかり怖がっていた初雪はソニアと抱き合う様に寝ている。
かくいうコーニッシュもビビり。
怪談なんてするせいで一人でトイレに行くのも億劫になる。
けれど、プライドの高い彼女にとってあまり弱みは見せたくない為。
1人で向かう、が。
暗い...。
何故電気を消すのか、深夜だからである。
昔ながらの和風旅館というのもあって、中々雰囲気がある。
飾られている和製人形が動き出したり。
他の客間が突然空いたり。
背後から今みたいにひたひたと足音が...
...足音?
誰かいる。
テンパりも上昇、気が気でない。
けど早く行かないとここの床にシミを作ることになる、それだけは死んでも嫌だ。
振り向くな、さっさと用を足せばこの気のせいの気配も消える。
なんて現実逃避染みた考えで手洗いに。
さっさと用を足し、部屋に戻る。
戻ろうと手洗いを出た。
が、目の前に人影。
「ひぃいい!?」
つい、声が出てしまった。
用を足した後で良かった、一生モノの恥を残さずに済む。
そして暗闇の中、人影をよく確認してみると。
紅い髪、紅い浴衣。
ブレードだった。
知人な上にこの男だとわかった途端、恐怖が引っ込み、怒りが込み上げてくる。
「あ、貴方ねぇ...」
しかし、余り騒いでも旅館の迷惑になる。
「まぁ、いいですわ...おやすみなさいませ。」
と、挑発に乗りやすい彼女にしては大人の対応だ。
部屋でみんなが待っている、早く戻ろう。
と、早歩きするが。
ついてくる。
速度を上げてもついてくる。
離す様に歩いても、歩いてもついてくる。
おちょくられている気になって少しイラついた彼女は。
「もう、何ですのよ!?」
なんて、いつもの様に邪険にしてみたが。
ケケケケケケ...
帰って来たのは返事でなく、不気味な笑い声。
それだけで、即座に感じた恐怖。
その恐怖に反応するように瞳が紅く、妖しく。
鋭く光る。
あの男...ブレードではない。
目の前の影がバキボキと音を立てながら段々細く、小柄になっていく、幼い、幼い、少年の様に。
なんて捕捉する余裕など無かった。
瞬きしたかしていないかの刹那。
五本指の爪を全て短刀並みに鋭く伸ばしたその影が。
狂気に塗れた真紅の瞳と共に悍ましい笑顔を伴って零距離で襲い掛かって来ていた。
避けるなんて悩む暇も無く、爪が自分を袈裟にズタズタに...
しなかった。
その前に彼女を引き寄せ、大きく距離を取っていた者がいたからだ。
「ブレード...さん...」
いつもの様に、軽い冗談か。
自分に対する皮肉でも投げかけるか。
そのどちらでも無かった。
知り合って短いが、見た事の無い険しい表情をしている。
否、一度夢の世界で見た...それと同じ焦燥感。
「コニー、今すぐ逃げろ...誰かがこっち来てたら一緒に離れろ。」
真面目だ。
真面目な...避難勧告...忠告。
警告。
それ程にヤバいのか、目の前の"敵"は。
ヤバいのだ。
「ブレード兄...」
「よぉ、久しぶりじゃねぇか、ポロフ。」
「うん...また会えるなんて...」
暗闇の中で光の様に浮かび上がる闇。
「また...いじめられるなんて...」
魔人...ポロフ・ザ・ネイルストーム。
鋭い爪による引っ掻きとかまいたちを主とする精神の幼い戦闘狂いの魔人。
ついでに言うと、彼が言った通り故郷ではよくいじめられた。
ズタズタの傷だらけにされて、すぐ治る上にそんな大したモノでも無かったが。
「ハッ...懐かしい事言うじゃねぇかテメェ。」
「最ッ高にぃ...楽しみだなぁ...」
「俺もさ...さぁ。」
インペリアルを召喚し、切っ先を向ける。
ここから先、気は抜けない。
だが、調子を変える気など毛頭ない。
腹を空かせた狼の如く獰猛な瞳を向けながら。
「今度は俺がイジメてやるぜ、クソ陰気なクソガキ。」
to be continued...
今回はここまで。
閲覧ありがとうございました!
次回は水曜日!




