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EP:20-As the flowing stars guide. 〜③〜

幼女に優しいぶっきらぼうな主人公は厨二として王道だと思っている。


「美味しいの...」

旅館にて、豪華海鮮フルコースを食している最中。

巫女服の少女?放置。

敵認識の為。

あの後本当に旅館に連れて帰り。

クラナとメアリーに再び銃口を向けられたが。

ブレードが悪鬼羅刹と化す前にジュリアスの必死の弁解で事なきを得た、お手柄である。

そして織江も了承し、夕食もしっかり用意してもらえた。

会った時の態度が嘘みたいに軟化していく。

その中、コース料理だから給仕が次の品を持ってくる。

が、何と。

「あ、あなた達!!」

「うわぁなの...」

初雪のリアクションが指し示す通り。

巫女服の少女(会いたくない奴)が来た、給仕として。

先程ブレードにぶっ飛ばされた事も覚えているからか、彼も矛先対象らしい。

食べ物を傍のテーブルに置いて。

先程見た構え。

「古来よりこの地に住まう悪霊め、ここで除霊してくれるのよ!!」

また札を出した...

特別な術式でも書いてあるのかと目を凝らして見るが。

意外な事に...全くの出鱈目だ。

自分も何かあった時の為に札で発動する魔法術式を携帯してはいる。

勉強して自分で書き込み、魔力を込めながら。

が、どうやら独学は愚か、何も力の無い落書きを書いているだけと見た。

過去に猛勉強した分野だ、わからない筈が無い。

まぁ、ともかく。

彼女は...給仕の仕事を放棄して客である自分達に襲い掛かろうとしているのだ。

一同は恐れを抱く。

彼女にじゃない。

彼女を八割殺しにするんじゃないかと思われるブレードに。

が、そんな事は起こらなかった。

「この大馬鹿者がぁああ!!!」

「ぎゃばはッ!?」

急いで現れた織江が豪快なアッパーカットを繰り出し、打ち上げ。

「お客様にぃ...しかもよりによってブレード坊ちゃまとそのお仲間に楯突くとは何事かこの愚女がぁ!!!」

拳のラッシュを一発一発正確にボディに打ち込んでいくというスーパー空中コンボを見せられたからだ。

そして若干距離を置く様に殴り飛ばされた、とどめとして。

「申し訳ございません、お客様方、最近あの子ったら急に様子がおかしくなりまして。」

「思春期あるあるだろ...愚女ってこったぁ、あいつは佳奈江(かなえ)か?」

荻井(はぎい) 佳奈江(かなえ)、織江の娘であり、ここの跡取りの筈。

過去に来た頃に何度か遊んだ記憶もある。

その時はモルツに教えてもらったアニメや特撮等のサブカル知識を叩き込んだ覚えが...


...


「あー...ハツ、悪い。」

「きゅ、急にどうしたの...?」

気持ち悪い、それが咄嗟に浮かんだ初雪の感情である。

出会ってから横柄全快な彼が唐突に申し訳なさげに謝罪の句を述べたのだ。

不気味に思わずして何とする。

そんな彼にしては奇行とも言える様子に一同。

「お兄ちゃんが...」

「あの兄貴が...」

「あぁ、俺達の兄貴が...」

「あのホプキンスさんが...」

「ブレードが...」

「ブレードさんが...」

「ホプキンス君が...」

「友が...」

「ホプキンスが...」

『謝った!!!?』

「揃って血祭に上げてやろうか馬鹿共。」

刹那で青筋ピッキピキの彼だが。

ここは抑えて改めて初雪に向き直り。

「あの馬鹿な小娘があんな風になったのは俺のせいかも知れないって事だ。」








そこから短く簡潔に佳奈江の説明が始まった。

過去は病弱だった。

けど、自分も幼い頃にヴェルノーズ家の家族旅行としてここに連れて来られた時に知り合った。

その時の自分はそこそこ身体が大きくなっていたにも関わらず、早めの中二病が訪れてごっこ遊びに夢中だった。

彼女を巻き込みながら。

が、最初は臆病気だった彼女も次第に進んで参加する様になり。

それから偶にだが旅行でここに訪れる度に遊んだり。

彼女が勉学で忙しい時は話だけ聞いたりしていた。

尤も、最近はここに来る暇もなく、連絡先も変わったのか近況がわからずだった。

が、最後に聞いた限りでは。

「眼帯付けたり、自分には特別な力があると思い込んだり...他人事には思えねぇんだよな...」

「ブレードさん、考え過ぎですよ...。」

語れば語るほど、表情の引き攣る彼を宥めるのはソニア。

「私もそういう時期ございましたし、誰もが通る道ですよきっと。」

『え?』

「あれ、私変な事言いました!?」

彼女の普段のイメージからそんな中二傾向にハマっていたとは考え難い。

が、彼とチェリムには何となく察せる。

モデルは確かにチェリムだが、色々"そういった方面"に脚色を付けて生まれたキャラが"スサノオ"なのだろう。

しかも彼女は隠れオタクだ。

そういう一面を隠していてもおかしくない、ひょっとしたら今も...

いや、涙目になっているから助けてあげよう。

ていうか、話を戻そう。

と、していたら。

「話を聞いても別にあなたのせいではないと思うの。」

と、一蹴する初雪。

「あの娘が勝手にそう進んだだけであって、影響があなたであってもきっと選んだのはあの娘自身なの。」

「...そうか。」

まさか、最初邪険にされたこの子にこんな優しい言葉を掛けられるとは。

「あなたは久方ぶりに話した人間なの、もっと暇を紛らわせろなの。」

「あぁ...俺以外のこいつらもな。」

まさか、今日一日でここまで打ち解けれるとは。


"ちょろいのう。"


やめてやってほしい、自分も思ったが。


誰もいない様な場所の温泉旅館行きたい。

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