EP:19-The person who inherits the soul. 〜③〜
相手にも寄りますが、基本優しいので話を聞けば動く男。
M4。
今日のアリソンは赤のドレスです、誰も聞いてない。
着いた頃には目を覚ましており、3人とも泣きじゃくるばかり。
「Bちゃん、やり過ぎたんじゃない?」
「おいおいアリソン、俺は奴らの盗もうとしていた封筒を緩めの爆弾に変えて盗んだ張本人の脳天に一発見舞っただけだぜ。」
「だけって貴方...だけって。」
ちなみに彼がぶん殴ったのは少女だった。
「あ、あはは...」
もう、笑うしかない。
ソニアも彼の唯我独尊ぶりに慣れて来た、怖いが。
「しかし、この子達の服見てると...えっと...」
継ぎ接ぎだらけのクロークにも近い服。
どこかの孤児院の者か。
「ん、何だアリソン、心当たりがあんのか?」
「えぇ...どこだったかしら?」
実はブレードも見覚えがある。
最近...というよりは少し前。
ピンときた瞬間、コニーを呼び出す。
「テメェん所のガキを預かっている、直ぐに指定する場所へ来い。」
写真付きで住所を送る。
ストレングス孤児院。
数年前に使われなくなった古い建物を買い取った1人の神父が発足した施設だ。
コーニッシュの経歴を調べた際に、彼女がそこの育ちだと知った。
今は学生寮暮らしだそうだが。
盗みを働いていたのも、そこに仕送りをする為だったという事も。
恐らくこの子供達も。
大急ぎでやって来たコーニッシュに事情説明。
「事情はわかりましたし、ウチの者が迷惑をお掛けして申し訳ありません...ですが。」
「やり過ぎとか言ったら次に指そうとしてる指へし折んぞコーニッシュ・レヴァノン。」
「何でもありません。」
怖かった。
いつもの愛称でなく、フルネームで呼ぶ所が特に。
前に脅された時のトラウマを思い出す、あの時は失禁間近...
「んんっ、それであなた達、どうしてこんな事を?」
子供達に問いただすコーニッシュ。
しかし、子供達は再び泣き出し。
「だって...ユアンが病気になっちゃって!」
話を聞けば、そのユアンという子が昨日の朝、突然に重たい病気に掛かり。
治そうにもロクな設備も無いので、病院に頼めるだけのお金を工面するべく。
盗みを働いてそれを転売して儲けようとしていた。
が、それを理解していたブレードは話を聞いてなお青筋を立てる。
オタクにとって社会にとって転売屋は敵だ、死罪に値する。
が、これ以上暴れるとアリソンにまで咎められそうだから一旦冷静になり。
「連れてけ。」
「へ?」
「今すぐにその孤児院に連れてけって言ってんだ、一応医学の心得はあるぜ。」
ヴェルノーズ家で習った。
役に立ちそうだと思い、割と真面目に。
まぁ、それは建前だけで今回には何の関係も無いが。
子供達はそのユアンという子供の病気の特徴も語った。
一つだけピンと来ている事があった。
「アリソン、空の注射器あるか?」
バスに乗り、案内もあってあっさり着いた。
ソニアも一緒だ、気になるらしい。
目的の孤児院は、外装がボロボロで。
隣には聖堂か、別錬の建物が。
インターホンはある様で鳴らすと、神父らしき男性が出てきた。
水色髪の優しそうな男性。
やや中性的な顔をしている。
「コーニッシュ、お久しぶりですね。」
「お久しぶりですわ、神父様...ユアンの事をお聞きしましたの。」
「そうですか...よろしければ顔を見せてあげ...あ、ちょっと...」
押しのける様に中へ入るのはブレード。
入ってすぐは玄関と長い廊下。
「ちょっと貴方!」
「そいつが寝ている部屋は?」
「あ、あっち!」
封筒を盗った少女が案内する。
その通りに部屋へ入ると、皆に見守られながらも苦し気に寝込む少年が。
魘されている様に呻く。
まるで、この間のソニアの様に。
ブレードは赤い液体の入った注射器を、彼の腕の血管に刺す。
「それは何ですの?」
「俺の血。」
「はぁ!?」
薬かと思えば血。
何を考えているのかとこの男を叱ろうとしたコーニッシュだがそれより先に。
ブレードは懐から緑色の小瓶を取り出した。
ユアンの身体を起こし、それを飲ませる。
すると、直ぐに目を覚ます。
顔色も良くなってきている。
「皆...?」
彼が飲ませたのはエリクサー...超即効性の万能薬だ。
そして彼はVenomの弾丸をソケットに刺し込んだ状態で自分の血を採取していた。
ベへモスウイルスの血清効果を持つ自分の血を。
そして結果として、ユアンは助かった。
今回は前より遅めで良かったが、ひょっとすれば今にも死が訪れていたかも知れない。
が、知るのは自分だけでいい。
それから落ち着いて。
「ここの院長を務めさせていただいております、トレム・マーセルです...この度は何とお礼を言ってよいか。」
「気にすんな、同じ病気の治療した事あっただけだ。」
身に覚えがあるソニアは、あの時の事を思い出して赤面する。
そしてここに来るまでの経緯を話した。
事細かに。
それはもう、何もかも。
途中、笑顔のまま引き攣った神父トレムだが。
盗みを働いた子供達をぴしゃりと叱った。
それは正しく"親"の姿であった。
その直後、ブレード達に深く頭を下げて謝罪する。
もう何度目か、冷静に受け止めるブレード。
ソニアは最初から苦笑気に冷静だが。
そしてまだ名を伺っていない事に気づいたトレム。
「失礼ですが、お名前は...?」
と、伺い。
「ブレード...ブレード・E・ホプキンス、ランカーやってる。」
「ブレード...ホプキンス...」
だが、彼の名前のどこに惹かれたのか。
トレムは凍り付いたように復唱する。
が、その様子が怪訝に映ったのか。
「俺の名前がどうしたか、神父様?」
「い、いえ...すみません、何でもないのです。」
その様子は何でもない様には決して見えなかったが、本人が言う限り追及しなかった。
次にソニアが挨拶をするが、その直後にインターホン。
トレムが出ようとしたが、先に子供が出たらしい。
が、直ぐに喧噪が聞こえる。
何事かと慌てて向かうトレム。
ただ事では無いようだからついて行くブレード達。
すると、そこではスーツ姿ではあるものの、決して柄が良くは見えない眼鏡姿の男性が何やら訴えていた。
それはブレードはおろか、ソニアも知っている光景だ。
自称クレアヴォーヤンス放送協会を語るヤクザ亜種の様な詐欺勧誘だ。
この孤児院にはテレビが無い。
近い内にお金を溜めてコーニッシュがプレゼントするつもりだったが、それはともかく。
「ですから!!」
トレムが間に入ったモノの、子供相手にがなり立てようとする中。
いつの間にか粒子化させてその男の背後に立っていたブレード。
爽やかな笑顔を浮かべる中、ソニアにも見える様に[[rb:ローグ > ハジキ]]を取り出し。
後頭部に銃口を押し当てる。
悲鳴が聞こえるが、彼は続けて。
地獄から響く様なドス声で。
「大人しく帰って二度と来ねぇか、壊れた玩具の様に捨てられるか...選べ、3秒で。」
撃鉄をゆっくりと起こす。
死の恐怖を煽る様に、聞こえる様に。
治し方が違う?
ソニアの時の方がギリギリだった上に注射器が無かったからですを




