表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/179

EP:18-Rising little star. 〜⑤〜

彼が漢を見せる時。


3元帥の会議場にて。

最初はブレードが自分達海軍の邪魔をしたことを、ジョージがアレクセイに糾弾しに掛かっていた。

が、突如会議場のモニターに新情報が流された。

海軍の違法実験の証拠だ。

龍之介がブレードに教え、ブレードがスティーヴに流させている。

ネットの方でも拡散が止まらない。

対象も対象であれば、内容も内容だ。

海軍が非道な人体実験を行って、ヴォーレンジャーのピンクをモルモットにしていた。

彼女がどういう状態なのかは伏せているが。

「な、何で...」

「風向きが変わったな、ジョージ。」

「そうね、じっくりと話を伺いたいものね。」







ーーーーーーーーーーーーー






そしてサイドアームにて弾を補充したブレード。

我音からの連絡で2人は無事出口を目指しているとの事。

だが、自分が相手取っている中に所長のゴードンの姿が無いと言うのだ。

情報は細かく目を通した、カノンの父親らしい。

そして自身の部下と共にカノンを実験体にした張本人。

実の娘を...蔑ろに。

ブレードにとって許せないのはそこだった。

過去の記憶により、毒親を極度に嫌う彼。

全て殺し尽くしたい程に。

殺意を持って目前の研究所に。

狂魂(クレイジーファ)華火弾(イヤーワークス)。」

どデカい花火を炸裂させた。

何事かと海軍の兵士が大量に出てくるが。

「殲滅してやる。」

右手にインペリアル、左手にローグ。

怒り心頭の彼による蹂躙が始まる。

が、後ろから別の砲撃や魔法攻撃が。

振り向くと、そこに立っていたのはカノンを除くヴォーレンジャーのメンバー。

「良いのかハジメ、俺は"殺し"で行くぜ?」

「俺達にそこまではできない、けど止めもしない。」

全員、各々の武器を構え直し。

ブレードも構えを再度整える。

『仲間の為に!!』

「あぁ…」


仲間(とも)の為に。







ーーーーーーーーーーーーー






我音が奮闘しているのか、見張りがいない。

広間に出た。

地図の通りならここが出入り口...エントランスだ。

外から轟音が聞こえる、恐らく。

「外には兄貴がいる筈、あるいはヴォーレンジャーの仲間も。」

来ない訳がない。

みんな優しいから。

「ありがとう...ジュリアス。」

「礼は後、ほら。」

目前には鋼鉄の扉。

鍵は手に入れてある、我音が渡してくれた。

あそこを通れば脱出完了だ。

その時、レーザーが飛んできた。

自分達が向かおうとしている扉に向かって。

「カノン...余りパパを困らせないでくれ。」

「お父さん...」

ゴードン自らやってきた。

左手に銃...ビームを放ったのはこちらか。

そして逆の手に剣...水色で歪な形。

「ほら、邪魔者は片付けて。」

「ぐあッ!?」

何をされた?

雷を放たれた、剣の方から。

当たった肩に激痛が走る。

「さぁカノン...パパの元へおいで。」

「カノンから...離れろ!!」

まだ、意識はある。

立ち上がり、ゴードンの元へと銃弾を放つジュリアス。

瞳の光も死んでいない。

「お前、カノンの気持ちを一度でも考えた事あるのかよ!!」

「うるさいなぁ。」

「ぐっ!?」

しかし、そんなモノ気にするかと言わんばかりに雷鳴を放つ。

けど、倒れる訳には行かない。

「お前父親なんだろ!?自分の娘が嫌だって泣いてるのにそれを無視するのかよ!?」

「うるさいって。」

「もうやめて!!」

ジュリアスを護る様に、立ち塞がる様に立つカノン。

泣いても...どれだけ泣いても。

自分を想ってくれる彼に死んでほしくない。

「どいてくれるかなカノン、良い子だろ?」

「もう嫌なの!!」

「嫌じゃないでしょ?」

「お願いだから聞いてよお父さん!!」

「...」

はぁ...と、心底嫌そうな顔で深く溜息を吐くゴードン。

「やっぱりダメか、君も所詮失敗作だ...母親の様に。」

「へ...?」

「君の母親が死んだの事故って嘘...私が殺したんだ。」

衝撃的な事実。

どうしてだ、夫婦の筈だ。

「どうして?君のせいだよカノン。」


自分?


自分が何をして自分の妻を殺すきっかけになった?

「彼女が君を実験台ににするのを邪魔するからさ、こいつでね。」

そう言って見せるのは先程から雷を放っている青の剣。

それだけの為に…自分の妻を殺害したのだ、この男は。

「そういやこれは僕の最高傑作でねぇ...この剣の周りだけ天候を操れるのさ。」

なんて説明中に水の塊が集っている。

天候...水...そして先程までの雷。

嫌な予感を感じ取ったジュリアスは自分の着ていたコートを彼女に被せて押し倒す。

「ジュリアス!?」

覆い被さる様に。

護る様に。

「こんな風に!!」

ジュリアス達の元に雨が降り注ぐ。

頑張って覆い被さったジュリアスとジュリアスの服のおかげでカノンは濡れていない。

だが、彼女も何が来るか察してしまった。

「どいてジュリアス...このままじゃ!!」

「そしてここでさっきの雷ぃ!!」

言葉通り、雷を放ってきたゴードン。

水に濡れて威力が何倍にも増された雷はジュリアスの身体全体を焼いていく。

叫び声すら、掻き消されるほどの轟音と衝撃。

痛い...泣き出したい。

けど、まだだ。

まだカノンを護るべく、立ち塞がる。

「もうやめてジュリアス...このままじゃあんたがッ」

自分を止めるべく、しがみつく彼女を何とか振り払い。

無限の閃光が自身を包む。

力の本流が再度襲い掛かってくる。

刹那だった。

閃光が止んだ時、自分の身体は焦げだらけのズタボロだ。

痛みすら感じない。

けれど、身体は動かない。

ここまでなのか。

まだ、彼女を救えていないのに。

彼女を泣かす父親(クソ野郎)が目の前にいるのに。

彼女が...泣いてるのに。

情けない。

こんな...無力な自分が情けない。

立て、立つんだ。


立て、ジュリアス。


「直ぐに逃げて..カノン。」

「へ?」

「ッ...うぉおおぁあああ!!!」

狙いは奴のAW、操作する方。

たった一発の弾丸が放たれた。

入れたのも忘れていたが、それは兄貴分(ブレード)に渡されたモノだった。

銃はそれで崩壊するが、放たれた【クラッカー】の弾丸はゴードンの持っていたA.W...青の剣の刃を砕く。

花火が炸裂するように。

「何ッ!?」

「ハハッ...やった...これで...」

「貴様ぁ!!」

ゴードンは怒り狂ってもう片方のAW...ビーム銃を放とうとする。

だがあれはチャージに時間が掛かるらしい、直ぐに放たれないのはそういう事だ。

天候操作の剣が無ければ雷は放てまい。


これで、彼女が逃げる時間は稼げる。


これで...一矢報いた。


限界だ、糸が切れた様に後ろに倒れる。

兄貴分の様にかっこよくなれなかったのが心残りだが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ