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EP:18-Rising little star. 〜④〜

援軍。


彼女が狙われる理由。


そして、彼の決意。


「ん...」

目を覚ますと、何だか暗い。

両腕も頭の上で拘束されている。

ていうか、吊るされている、鎖で。

意識が覚醒してくる...確か、自分はカノンと逃走中に敵の爆撃に遭って気絶した。

そして捕まったのだ、海軍に。

自分がどうなるのか、怖い。

けれど不思議と、自分以上にカノンの身が気がかりだった。


例え。


屈強な男が3人、こちらを囲んでいても。

いや、怖い、いろんな意味で。

「可愛い顔してんじゃねぇか...おい、俺に相手させろよ。」

「馬鹿言うな、俺だよ。」

何だこれは。

完全に貞操の危機のそれだ。





ーーーーーーーーーーーーー






所変わって、別の部屋。

大きなモニター越しに、今のジュリアスの状況を見せられているカノン。

手元には手錠。

そして隣には...ふくよかな男性。

「お願いやめて、彼は何も関係ない!!」

「関係ないことはないでしょ、君と一緒にいたんだから。」

モニターの中では男性の1人がジュリアスの腹部を殴りつけた。

息を飲むカノン。

自分が巻き込んだせいで彼が。

「やめてよ...お父さん。」

このふくよかな男性はカノンの父親、ゴードン・ラッセル。

ここは海軍が私有する研究所。

「君が悪いんだろう、僕の言うことを聞かないんだから...こんなに大事にしてるのに。」

全く聞く耳を持たないラッセル。

到頭カノンは泣き崩れてしまう。

「そう、悪い事したら泣いて反省をするんだ...僕が戻る頃には考えも変わるだろうし。」

言ってる意味が一瞬理解できなかった。

できても理解したくなかった。

ジュリアスを見せしめに殺す気だ。

自分に従わなければどうなるか。

彼女は実の父親を心の中で悪魔と罵った。

その禍々しく見えた背中を涙目で睨みつけながら。






ーーーーーーーーーーーーー






一方、ジュリアス。

何発かお腹に食らったが、それでも意識はしっかりしている。

嘔吐すら無しだ。

組手でギア上げられた時によく腹パンされたので。

「中々耐えるじゃねぇか。」

あぁ怖い。

けど、気になる。

自分と別れたカノンの事が。

「...お前らなんて、兄貴の足元にも及ばないよ。」

「へぇ...まぁ。」

他の男が金属の棍棒を持ち出してきた。

あんなので殴られたら身体がバラバラになる。

「その"兄貴"にはもう会えないんだけどな。」

大きく振りかぶる。

万事休すか。

衝撃に備えて目を瞑る。





...が、来ない。

恐る恐る、目を開くと。

ダスターコートにウエスタンハット...全身黒づくめのガンスリンガー。

その足元に見えるのは、先程棍棒で自分を殴ろうとした巨漢。

…だったモノ(死体)

「な、何だテメェ...おぐッ!?」

最初に殴って来た男が尋ねるも、ガンスリンガーは何かを額に投げつける。

クナイだ。

額に深々と刺さり、絶命させている。

瞬時の技に怯えているもう一人に向かって更に何かを投げつけた。

手裏剣、それも4つ。

4つは残った男を壁に磔にする様に服に刺さる。

そして2人目に刺したクナイを引っこ抜き、3人目の首元へ。

「一つ...カノン嬢の場所は?」

「い、言うかよ...ひぃ!?」

クナイの刃が食い込み、血が滴る。

「拙者の手が滑る前に答えよ。」

「ろ、廊下を出て3つ目の部屋だ!!」

「ふむ...して、ここは何を求めた研究所か。」

「し、新人類だ!」

「それを何か答えよと申している。」

再び刃を食い込ませ...

「そ、それ以上は知らない、本当だ!!」

「...偽りでは無い様だな。」

「そうだ、だから...ッ!?」

「あぁ、開放する。」

首を断ち切った。

恐ろしい切れ味だ。

鮮血が乱れ舞う中、次にガンスリンガーはこちらにやってきて。

鎖を切断した。

「立てるか?」

味方の様だ、敵だったらどうしようかと。

「ありがとうございます...あなたは...?」

「ふむ、拙者は我音(がいん)・ジ・ハイエンダー...盟友の命により推参した次第にござる。」

聞き覚えがある、人気ランキング4位のランカーだ。

その振る舞いや動作は正しく日本の"ニンジャ"の如しだとか。

ガンスリンガールックだが。

「さて、行くぞジュリアスよ...露払いは拙者が引き受ける。」

「え、何で俺の名...」

「急ぐぞ。」

とにかく、この部屋を出る。

そして男の示した通りの部屋に彼女はいた。

「ラッセルさん!!」

「ジュリアス...生きてる...」

「うん、後ろの我音さんに助けられて。」

その我音は部屋の外を見張っている。

「さ、早く出よう...ラッセルさん?」

手を引くが、動かない。

微動だに。

「...お願い、ここに置いていって。」

「何を言ってるんだ?」

「もう沢山よ、私のせいで。」

「ラッセルさん、大丈夫だよ...ここから出れば兄貴達とどうにかできる。」

「...これを見て。」

カノンは、頑なに取ろうとしなかった帽子を取る。

そこに...頭に生えていたのは猫耳。

「これが私の正体...奴らは新人類と言ってるわ。」

「へ...?」

「様々な悪状況に適し、身体能力も人より上...化け物を作るのが奴ら...お父さんの仕事。」

「...」

「けど実験体にされる事に嫌気がさして逃げ出したの...笑っちゃうでしょ、こんな化け物が人間みたいな悩みを抱えて。」

ずっと苦しんできた。

幼少のころ、母親は実験の事故で死に。

それから自分は気が付けばこんな物(獣の耳)を付けられ。

様々な耐久実験が行われた。

母の命を無駄にしない為にも、父の言うことを護って来た。

けれど、ある日辛くて抜け出して、外の世界を知った。

美しかった。

自由で、笑顔がいっぱいで。

羨ましくて、それから日も経たずに逃げ出した。

頭を落ちていた帽子で隠しながら。

暫くフラフラ歩き、偶然小さな村を強盗から救った。

それから自分は周りにもてはやされ、使わない家に住ませてもらっている。

だが、ヴォーレンジャーとしての活動が目立ち過ぎたか。

見つかってしまい、今に至る。

何も答えないジュリアス。


だったが。


「リアルケモミミだ。」

「...へ?」

「リアルケモミミだ!凄い、兄貴に自慢できるよ!!」

「ちょ、何を言って...」

「ラッセルさんは化け物なんかじゃない、寧ろ妖精だ!!」

「ッ...」

「世界は君が思うより優しいって見せるよ。」

「そんなのどうやって...?」

「どうにかする!!」

...初めてだった。

「俺はちっぽけだ、兄貴の様には"まだ"なれない…けど。」

そこまで自分を気に掛けてくれたのは。

「それでも、君を助けたい。」

いや、幼い頃...母親が。

「取り込み中にすまぬが、足音が聞こえる。」

きっとゴードンか。

いや、他の海軍の人間かも知れない。

「まだ近くには来ておらぬな...拙者がどうにかしよう。」

「でもここは海軍の施設なの...その分、危険な奴が。」

「問題ない、始末は許可されているでござる。」

「許可って?」

「我が盟友にして陸軍元帥が義息、ブレードに。」

まさかの繋がり。

「彼奴の依頼にござる、2人の手助けをせよとな。」

刀を取り出す我音。

「さぁ行くぞ、再び露払いを任されよう。」

駆け出す我音についていく2人。

T字路に出た、我音は左を向くが。

「お主らは反対を行け、そこの部屋に装備品と地図がある筈だ。」

「あなたは?」

「...掃討する。」

声の音色、表情。

鬼気迫る物に何も言えなくなるジュリアスとカノン。

そんな2人にフッと笑いながら。

「安心召されよ、拙者は強い...参る!」

彼は1人駆け出す。

そして彼の指示通りの部屋に入り。

捕まる前の装備品を見つけた。

追加で軍用コートも見つけた。

忘れてならないのが銃の弾確認。

マグが無い、このままではジリ貧だ。

その中、ブレードから渡されたお守りとやらを調べる。

中に入っていたのは一発の弾丸。

飴色だ、しかし一発でも弾丸ならありがたい。

銃に入ったマグに組み込む。

地図も持って。

「行こう、ラッセルさん!」

「...カノン。」

「へ?」

「カノンって呼んでよ。」

「え...あ、うん、行こうカノン!」

「...うん。」

少年少女は駆け出す。


皆さん、ケモ属性はお好きですか?

筆者はそれはもうケモ耳と尻尾を見ただけでそれはもうハァアアアアアア

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