EP:18-Rising little star. 〜②〜
成り行きでも慕われたからには大事にする男、ブレード。
更に翌日。
ジュリアスは格好もブレードっぽくしようと服屋を巡る。
その中、見知った顔を見つけた。
カノンだ。
まるで何かから隠れる様にコソコソしているのを偶然見つけてしまった。
声を懸けてて良いのか悩むが、もう遅かった。
目が合ったからである。
向こうから声を懸けてくるかと思ったが、予想とは裏腹に逃げ出す。
周りを見渡し、脅威を確認するが何も見えない。
とにかく、余りにも慌てた様子で逃げる彼女を追いかける。
気づいたのか、逃げる速度を上げるカノン。
何故かムキになり、自分も速度を上げる。
気づかなかった。
そこで自分達を囲う様に追う者達に。
すると、彼女は足を止め、溜息を吐く。
何かと怪訝に思うが、瞬時にジュリアスの腕を掴む。
「え?」
「来て。」
引っ張られるまま、共に走る。
次第にハイウェイ前へ出て、サイドカー付きバイクが置いてある。
カノンは跨り。
「乗って!」
と一喝に従い、サイドカーに乗り込む。
何が何やらだが、成り行きだ。
バイクを走らせるカノン。
「んがっ」
少し荒い。
「捕まってて!」
「もうちょっと早く言ってよ...」
腰を打ってしまった。
ともかく。
「何でついて来たのよ。」
「いや、あの...目が合ったし、何か困ってるのかなって...」
その返しを聞いて、深く溜息を吐くカノン。
「ごめん...巻き込んだわ。」
「あの...良いなら何があったか聞いても?」
もう渋る必要も無い、彼もターゲットされているのだろうし。
という考えから、話し始める。
「実は私...ある組織の実験台なの。」
「じっ...」
突拍子もないワードから始まるが、飲み込んで聞く。
「ずっと監視の目が合って、そろそろヴォーレンジャーの活動にも邪魔が入りそうで逃げ出そうとしてたの。」
「逃げて...どうするつもりだったの?」
「...どうにかするつもりだった。」
「どうやって?」
「...」
何も考えてなかったらしい。
しかし、焦って逃げ出すくらいだ。
何かとんでもない内容が更に隠れているのかもしれない。
「じゃあさ、兄貴に相談してみるのはどう?」
「ブレードさんに?」
「うん、兄貴強いしさ、絶対に力になってくれるよ!」
「けど、私を連れ戻そうとしている組織は巨大で強大なの...本当ならあなたですら巻き込みたくなかった。」
「それ程大きな組織って...」
何、と聞き出そうとした時に。
けたたましく鳴り響くサイレンの嵐。
何だろうか、警察だろうか。
と、考えていたらパトランプをビカビカ光らす車やバイクの群れ。
...当たって欲しくなかった。
「捕まって。」
「ちょっ...うわぁ!?」
自分はどうなるのだろうか。
不安が胸中を占めるジュリアスだった。
ーーーーーーーーーーーーー
と、見覚えのある姿がバイクで逃走し。
それを警察が追いかける映像をテレビ越しで眺めるブレードとメアリー。
テロップには、"海軍の研究所から重要技術を盗み出した凶悪犯"との事。
クラナやダズマに連絡を回したが何もわからないとの事。
きな臭い...海軍その物が怪しく見えてきた。
「ブレード...」
無論、姉であるメアリーは不安げ。
が、そこは流石この男。
「言わなくてもわかってるぜメアリー。」
インカムON。
「おいハゲ。」
「店はお任せください、オーナー。」
ゴラム、サムズアップで良い返事。
「任せた...俺は行く。」
考えたくは無いが、海軍が敵の可能性が出てきた。
まぁ、どっちにしろ。
自分の関係者に害を成すなら...
インカム越しに、アレクセイへ直接。
「爺さん、自重しないぜ?」
[好きにせい、ワシはワシで動く。]
「頼む。」
[息子の弟分じゃからな...では。]
通信終了。
義父は頼りになる、マジで。
次に連絡...龍之介へ。
数秒経って、出た。
[お、|兄》あん》ちゃん、どないした?]
「海軍の黒い話何か知らねぇか?」
[突然やな...それなら丁度新鮮なネタがありまっせ。]
「いいね、頼む。」
通信はそのまま。
バイクを走らせて件のハイウェイへ。
ジュリアスは大事な弟分だし、カノンも味方として関わった人間だ。
悪い方向へ転んだら寝覚めが悪い。
最悪、海軍の人間を数人処刑する。
なんて、過保護な兄貴分を演じてる事に気づけていないブレード。
相棒が見ていたらニヤニヤしている事だろう。
ともかく、ASを超えてセントラルを超えて。
警察だけでなく、あの荒くれ者共まで直接出てきたら面倒臭い。
事後処理的な意味でも。
そうこう思考を巡らせてる内に見つけた。
警察の群れと海軍のおまけ付き。
さて...




