EP:15-Magic in kiss for you. 〜③〜
ここがあの元凶のハウスね。
本作品はフィクションであり、実在する人物・組織・団体とは何の関係もございません
「そうか、さんきゅ。」
[礼には及ばん、気を付けるんじゃぞ。]
「今度極上のバーボン開けてやる。」
アレクセイからあのデモの首謀である政治家、フラット・ユスフの居場所を聞き出した。
バイクで早速向かう。
急がねば、恐らく今日を超えたら...
考えたくない、最悪は最悪になってから考えるものだ。
そんなに遠くない、ジパングに屋敷を構えていた。
インターホンを鳴らし。
[はい?]
「お届けモノでーす。」
高い声を出して、装い。
すると、まんまと騙されたフラット。
あっさりと玄関を開く。
「一体何を...!?」
「選択肢だ、ベへモスのワクチンか、鉛玉かをな。」
ローグの銃口を額に擦りつける。
「弁明は求めてねぇぜ、テメェがウイルスを広めている元凶ってのはサツや軍にも割れてんだ。」
チャールズ曰く、かなり杜撰だったので見つけるに容易かったらしい。
時間が掛かっていたら掛かっていたで無差別にこの男の関係者を殺していくつもりだったが。
「な、何の事か...」
しらばっくれようとするので、ドアに一発。
羊が飛んで入れそうな大穴が空いた。
「ワクチン。」
「は、はい!お渡しします!!」
実にあっさりだ、拍子抜けする程に、しないけど。
案内されるままについていくが。
長い。
実に長い廊下を歩き続ける。
「おい、どこにある。」
痺れを切らし、問うが。
「ここだよ。」
フラットがガスマスクを取り出し、被ったと同時に。
突如降りるガラスの壁。
後方もだ、閉じ込められたらしい。
そして天井と床から噴出される紫色のミスト。
どう見ても身体に良い色していない。
件のウイルスだろう。
「ハハハ馬鹿め、ワクチン等もう無い!!」
つまり罠だ。
"もう"...ってことは、デモで連れまわしていたのはやはり感染者で、今はそのワクチンを使って治癒済みという事か。
「上手くヴィネットの娘が患ってくれて良かった...全て計画通りだ。」
ここでソニアの話、隣にブレードがいたのを覚えていての事か。
しかし、メディアに彼女が顔出ししている訳でもないのに知っているのは...余程ヴィネット家に恨みがあって調べたのか。
「やっぱり、全部テメェが仕組んだ事か。」
「治安治安ってうるさいからねぇ、夫婦揃って!!」
思ったより下らない理由だった。
下らない死に方をさせてやりたいくらいには。
「テメェみたいに蔑ろにするノウタリンが続出するからだろ、あいつらは正しい。」
「状況が読めてないみたいだなぁ...?」
ウイルスが身体に入ったらしい、ソニアに触れたモノより濃度が遥かに濃いのだろう。
このままでは数分でお陀仏だ。
「ゲホッ」
吐血すら起きてる、もう猶予は無い。
「安心しなよ、今日が終わる頃には愛しの彼女も同じ場所さ!!」
だ、そうだ。
どちらにしろ時間は無い。
身体の中にウイルスが入って理解った。
構成してるのは魔力。
まるで対象を"殺害"する事を目的としてインプットされたマシーンの様なモノ。
が、これは魔力なのだ。
そう。
炸裂手榴弾を数個投げるが、ガラスは割れない。
大きく爆発音が鳴り響く中、銃口を脇腹に押し当てて。
引き金を引いた。
そろそろ逝った頃か。
ガスマスクを着けたまま、ガラスの壁を解除する。
毒霧が晴れると。
そこには既に動かなくなったであろう、ブレードの姿が。
もう亡骸か。
「愚かな奴だ、こいつも...同士共も...全て私に利用されるだけの駒なのだ!!」
なんて、自身に酔いしれて気づかなかった。
亡骸だとおもっていた彼の服の脇腹部分に穴が空いていてドス黒い血が付いていた事。
なのに傷がなかった事。
そして、エンドブロウダーが紫色に明滅していた事も。
【Venom - Finishing Combat mode - Activity.】
「何だ、何の音...がッ!?」
電子音に気を取られて、"イイ顔"してるブレードが刹那で間合いを詰めたのに対応できず。
首を鷲掴みされ、持ち上げられた。
足をバタバタさせながらもがくが、もう遅い。
「お前が余りにも間抜けで助かったよ...欲しかったのは"毒"そのモンだったのさ。」
彼は実は、罠で毒を撒いてくることを見抜いていた。
というか、そうであって欲しかった。
毒の情報に関しては勘だが、自尊心が高いという情報は掴んでいたので、実に誘導させやすかった。
毒を体内に取り込み、"魔力"を吸収する弾丸を自分に撃ち込み.
"毒属性"を吸収し、取り出し、引力で取り出したら2射目。
治癒効果を含んだ水属性の弾丸を同所に撃ち込んで回復。
2発とも死ぬ程痛かったが。
「これで、俺達は両方助かり。」
そして現在、その効力を持って。
「お前は、その"駒"共も...同じ地獄で泣き叫ぶ。」
「あ...あぁ...」
「じゃあな...鳥兜の齎した厄災。」
「がッ...」
右手から極濃のウイルスが流れ込み、悶え始める。
このまま放っておいても死ぬが、ブレードは先程フラットが触っていたであろうガラスの壁を閉めた。
数分経てば。
立派な毒死体の出来上がり。
後は警察に任せて、急いでヴィネット家へ。
もう、時間を掛ける訳にはいかない。
彼女を救う術は手に入れたのだ。
問題は方法だ...
そう、方法が...。
改めて、彼は身内へ害なす者には一切の容赦は無い。




