EP:15-Magic in kiss for you. 〜②〜
この世界でもウイルスが流行ったり収まったりしています。
現実の世界でも流行ってますが、皆さんくれぐれもマスクと手洗いうがいとソーシャルディスタンスは徹底しましょう。
本作品はフィクションであり、実在する人物・組織・団体とは何の関係もございません。
昼食に向かおうとショッピングモールを出て、広場に出たが。
何やら騒がしい。
デモか何かか。
「皆踊らされているのだ、愚かな印象操作に!!」
見覚えのある顔だ...確か、元大学教授の政治家。
掲げている旗には【べへモスウイルスは虚偽】と書かれている。
べへモスウイルス...最近流行り出した殺人ウイルスとの噂だ。
掛かればインフルエンザにもよく似た重たい症状を発し、やがて死に至る...らしい。
大昔に世界で似たような"ナントカ"というウイルスが蔓延した時もアメリカや日本で同じことをやらかした輩がいたと記憶している。
尤も、その時のウイルスは遅効性...こっちは半即効性と少し効き目が出るのが早いので質が悪い。
現に死人は出ていて、本当は噂等ではないのをブレードもソニアも理解している。
あの政治家の周りに人が集まっているが、同士か。
ブレードはもっと悪い可能性が頭に浮かぶ。
"感染者"かも知れない。
「ソニア、アニマ、さっさとこの場を後にするぞ。」
奴らの行っている行為がもし、過去の"ナントカ"の時みたいに意図的に拡散させようとしているバイオテロの可能性もある。
ネット記事で読んだが、あれは実におぞましいモノだった。
あのバカ共の繰り返しだと証拠が出て来た暁には...
...考えてもしょうがない。
さっさとこの場を後にして、ラニラニに向かおう。
新しいテリヤキバーガーセットが出たらしいので、是非ともみんなで食べたい所だ。
そう思って、ストリートに出るとアニマが一つの大きなポスターに目を奪われる。
ジパングである、"夏祭り"の知らせだ。
毎年の夏の風物詩だ、まだ6月だが。
「毎年8月にやってるんですよね。」
「行った事あんのか?」
「昔、お姉ちゃんと友達と。」
「そっか...アニマ、行きてぇか?」
「...うん。」
なら、行かない理由は無い。
「じゃあそん時にまたこの3人で集まるか。」
「私も一緒でいいんですか?」
「当たり前だろ。」
「ソニアも、一緒。」
まだ先だが、楽しみができた。
3人で行く、そんな楽しみが。
翌日、その楽しみに危機が訪れる。
「は...ソニアが?」
朝早くに、シスカから連絡が来た。
昨夜まで元気そうにしていたソニアが、朝になって重篤らしい。
どうしてそんな急に...となる前に思い浮かんだのは例のデモ。
その事を話す。
「つー訳だ、ジジイにも言っとくからそっちも手配してもらえるか?」
[えぇ...それと。]
"見舞いに来てくれないか。"
シスカの言葉を聞いてバイクを飛ばし、ヴィネット家の屋敷へ。
普段、ソニアは寮生活の筈だが、今は実家にいるらしい。
ともかく、インターホンを鳴らし。
シスカが彼を家に入れる。
見舞い用の品として、お決まりだが果物のセットを見繕ってきた。
彼女に案内され、2階の奥の部屋へ。
コンコンと、ノック。
「はい?」
チェリムの声だ、看病しているのだろうか。
「俺だチェリム、ソニアの見舞いに来た。」
「ホプキンスか...いいぞ。」
許可も得たので入室。
入ってみると、顔色の悪いソニアがベッドにて布団を重たく被っていた。
7重くらい。
「おい、乗せ過ぎだ。」
「だ、だって暖かくしないと...」
「余計苦しくなるわポンコツ姉ちゃん。」
今は寝ている様だ。
けれどもうなされている、余程苦しいのか。
「朝に急に倒れて...医者も呼んだのに原因不明だと...。」
...考えられるのはやはりあのデモしかない。
あの時のメンバーが何人か感染者だったのだ。
虚偽だの何だの叫んでおきながら周りにばら撒く質の悪いバイオテロだ。
ソニアの頭に手を乗せ、優しく撫でる。
すると、通じたのか、少し表情が和らいだ。
チェリムは妹の事になるとポンコツになります、ご覧の通り。




