EP:02-Violent Star 〜②〜
改めてブレード口悪いなぁ…
やっとちゃんとした戦闘シーンだよ〜
ファクトリーベース。
クレアヴォーヤンス有数の工業地帯エリアにて。
2人の男が鍔迫り合いの真っ最中。
1人は護る為。
1人は狩る為に。
「おら死ね今すぐどけあるいは死ね俺が楽に仕事終わらせて帰る為に舌噛み切って死ねさぁ死ねクソ野郎ォ!!」
なんて、口汚く罵りながら浅黄色に輝く刀を押し付けるのが護る為に戦う方だ。
狩る側ではない。
「品が無いな。」
「てめぇは味が無ぇよ!」
互いにバックステップで距離を取り、ケインは風を起こし。
ブレードは叩き斬った刹那、愛銃を数発発砲。
無造作に飛び交う弾丸をレイピアをずらすだけで全て防ぐケイン。
だが、気が付くとブレードの姿が見えない。
背後から殺気。
眩い光が斬撃となって襲い掛かる。
受けてはいけない。
本能でそれを感じ取ったケインは咄嗟に横へと大きく飛んで避ける。
すると自分が立っていた場所の地面は大きく抉れた。
スプーンで救い取られたアイスクリームの様に。
驚いたのは、自分の旋風より破壊力が上だという事だ。
だが、そのまま怯んだのがいけなかった。
「シャアッ!!」
「ぐあっ!?」
敵は待ってなどくれない。
避けた先に離れた場所にいたはずのブレードが立っており、自身の溝に強烈なレフトリバーブロウを叩き込んだのだ。
少し咽るが、即座に体制を整えるケイン。
「おいおい、雑魚助くん...威勢がいいのは口だけか?」
余裕綽々のブレード。
刃の背を右肩に掛けながら半目を瞑っている。
この男、ランクこそケインより下だがそれは手を抜いてでの話である。
ほんの少し本気を出せばこの通り、超強い。
「そんなんじゃあトムは殺れないなぁ...悪いことは言わねぇ、帰ってクソしな、そんで便座の上で泣きじゃくってろ。」
舐め腐った態度で、物陰に隠れたジュリアスの前に立つ。
彼らの後ろには高くそびえ立つ石壁。
それを見て勝機が沸いたケインはこれまでで最大の風をレイピアに籠める。
「僕を舐めるなっ!!」
ケイン・コーネリアス。
さる有名な大学を首席で卒業し、文武両道を絵に描いたようなエリート。
大手のギルドに所属し、そこでもナンバーワンを誇る秀才だ。
故に、自分以外の相手の殆どを見下して掛かっていた。
負けるはずがない、自分が間違っている訳がない。
その思い込みはやがて、孤高の強さとなった。
つもりでいた。
「シュトゥルムヴェント・デュオ!!」
巨大な竜巻を2つ巻き起こし、ブレードへ襲い掛かる。
「君たちの後ろには壁!更にこの竜巻は追尾も完璧だ!避けられまい!!」
後ろにはジュリアス、避ける訳にはいかない危機的状況。
だというのに、彼は笑っている。
「何で...」
「キザ男くん、いい事教えてやるよ。」
ブレードは逆に竜巻へ向かった。
迷いもなく、真っ直ぐ。
2つの竜巻の間へと挟まる様に入り。
押しつぶされる直前に、彼の身体が光の粒子となって消える。
やがて衝突し合った竜巻は弾けるように霧散した。
「何ッ!?」
「※竜巻はなぁ...押し付け合えば消えんだよ!!」
「がっ...」
またどこからともなく現れたブレードは渾身の左ストレートをケインの鼻っ柱にぶち込む。
※諸説あります。
「特に追尾が何だって?二つ出した時点で俺には逆効果なのさ...俺は俺を光に変えれる。」
怯むケイン、それでも体制を整えようとするが時間切れだった。
「カエルくん、殺さないでおいてやるから世界を知れ、バショー様のありがたいお言葉だ。」
井の中の蛙大海を知らず...ちなみに芭蕉の言葉ではない。
さておき、居合の構えを取るブレード
そのまま自身のベルトの左腰に付けられた端末を優しく叩く。
[Finishing Combat mode - Activity.]
渋い男性声の電子音がその場に鳴り響き、刀身が眩く輝く。
一際誇張する一筋の流れ星の様に。
斬撃必殺。
「迷い彗星!!」
光の速さでケインにゼロ距離で詰め寄り、光る刀身をアスタリスクをなぞる様に連続で叩き込む。
殺さないと言うだけあって、非殺傷用に威力を抑えているが。
それでも身体中を硬度の高い木刀で思いっきり叩かれ続ける様な激痛の波がケインを襲う。
「せぇあッ!!」
仕上げに唐竹割をかまし、脳天直下を諸に食らったケインはズタボロの状態で崩れ落ちた。
失神したのである。
「言ったろ、取るに足らねぇって。」
完全勝利。
ブレードはインペリアルを粒子化させて仕舞い、気絶しているケインの襟を掴んで引きずる。
「行くぞトム、姉ちゃんの所に。」
ジュリアスは何度も首を勢いよく縦に振って頷いた。
この時点でジュリアスにとってブレードは、"気に食わない奴"から"凄い奴"に変わった。




