EP:11-Real me. 〜②〜
ポイ捨ては絶対にしない、それがブレードさん。
彼の元に想定外の客が。
その夜、【キングダム】を散歩して歩く。
イギリス文化主体のエリアであり、ロンドンの風景を元にしてある。
最近アニマが一緒ばっかりだったので、自分のみの時間というのが全く無かった。
なので知り合いのバーに寄ってから、ただいま瓶ビールを片手にフラフラ。
夜中のキングダムは少し絵になる、三日月の出ている星空も手伝って。
飲み終わった瓶を粒子化させて仕舞い、新たにもう一杯。
栓を歯で開けて口に付ける。
自由に浸って歩いていると。
「君が好きなんだ!」
なんて、青春真っ盛りな告白台詞が飛んできた。
しかし聞き覚えのある声だ。
聞こえたのは公園からで、はみ出ない程度に覗いてみると、そこにいたのは功と一。
「悪いけど、俺にそういう趣味はない。」
「いや、聞いてほしい...僕は君の事を一人の...」
「やめてくれ!!」
それ以上は聞きたくないと功の言葉を遮る一。
彼の叫びに、功も言葉を止めてしまう。
「...帰るよ。」
「あ...」
こちらに来る。
粒子化させ、この場を離脱する。
しかし、とんだスキャンダル光景だった。
誰にも言うつもりはないが。
気を取り直して、ブレードはビールの続きを飲みながら夜のキングダムに消えていく。
翌朝。
マハロにて、早朝からブレードを訪ねて来た者がいる。
チェリムだ…空軍元帥補佐にして、ソニアの姉の。
「珍しいじゃねぇか。」
彼女はブレードの事を酷く嫌っている筈だが。
今の彼女はどこかしおらしい。
ていうか、覇気が全くない、顔が絶賛げっそり。
「ソニアが...覚えているか、ランカー承認試験の時にお前が助けた私の妹だ。」
「...あぁ。」
承認試験の少年が自分だと知っていたのか。
だが、最近自分が会っている事を知らないらしい。
「その妹が...男と逢引きをしているとの情報が入った。」
知らないらしい。
「どこの馬の骨か知らないが...かなり親し気との事だ...」
知らない様だ。
「要件を言え、シスコン。」
「...その男を調べ上げて欲しい。」
「それで?」
「速やかに消して...」
次の瞬間、銃声が鳴り響いた。
天に向けてローグの空砲を発砲したブレードのモノだ。
当然、予想なんてできる訳ないので彼女は怯え気だ。
「寝言は寝て言え束縛シスコン女、妹がどんな男と遊んでようが関係ねぇだろうがよ。」
「だ、だが心配で...」
「自分で見張れよ、軍人なら隠密も心得てんだろ。」
「だ、だが...」
「話は以上だ...自分で見てそいつを引き剥がすべきか判断しろ。」
作っておいたハンバーガーセットを彼女の前に置く。
そこに、先程の銃声を気にしてアニマが2階からトテトテ降りて来た。
「今のなにー?」
「花火だ。」
「...」
あんな物騒な花火があってたまるかと視線で訴えるチェリムだが、ブレードは気づかないふり。
しかし、ハンバーガセットは美味しく、気分は少し落ち着いた。
さっきまで怖かったが。
そんな彼女を放っておきながら、彼はアニマと出かける。
チェリムはチェリムで美味しく味わってから、ブレードに言われた通りに自らソニアを見張りに行くことにした。
しかし哀れな事に、彼女の母親は知っていて笑っている。
頑張れチェリム、その先に絶望が待っていたとしても。




