EP:11-Real me. 〜①〜
第11話。
誰にだって秘密はあるのです。
今をときめくヒーローにだって。
暴虐な彼にだって。
表紙です↓
https://twitter.com/poh_YmikuIMZVQ/status/1386534396124037120?s=19
戻ってきたらキラキラお目目のソニアと一が待ち構えていた。
理由は予想着く、バイクだ。
自分のバイクは如何にも特撮ライク。
それに無線操作も可能で、あの機動外殻が現れた時からスティーヴに連絡して操らせてた。
現に。
「なぁなぁあのバイクどうなってんだ!?」
「素晴らしいバイクですね!!」
この通り、モテモテだ...溜息が出る程に。
魔改造しただけの普通のバイクだと教えた、それだけだ。
「そしてヴォーカイザーV!やっと生で見れました!!」
「すごかったー。」
勢いよく熱く拍手するしいたけ光を宿したソニアと無気力そうにゆっくりパチパチするアニマ。
「変形合体はロマンですよね、ご自分達で作られたんですか?」
と、興味津々に聞くが、それに対し功が。
「あれは特注さ。」
「俺達が戦隊チームを立ち上げる時、それらしい道具を揃えたくて作ってくれる所を功と探したんだ。」
そして見つけたのが。
「ドメイン博士という方が作ってくれたんだ、ヴォーカイザーも他の道具も!!」
ドメイン博士...特注のA.Wや衣装の製作依頼を引き受け、主に特撮やジャパニメーションモチーフのアイテムを製作してくれるその筋では人気のA.Wメーカーだ。
だが、見た目が奇抜になりがちでニーズがコアになりがち。
「余りお会いした事は無く通信だけだが、優しい人だった。」
「ビークルを呼び出す為のバッジも、ビークルも固有武器も、腰のこれも。」
そう言って見せるのは先の戦いで必殺技を放つ時に触った銀色の端末。
「これはエンドブロウダー...魔力を帯びた手でタッチすれば体内の魔力を全体的に高めてくれる所謂必殺技装置さ!」
「おー、にぃと同じー。」
『え?』
なんて、一がせっかくドヤ顔で見せたのに間の抜けた声で返したのはアニマ。
この場における"にぃ"とは、ブレードの事。
言われてブレードはやれやれと言わんばかりの顔で腰元の端末...エンドブロウダーを見せる。
ヴォーレンジャーの面子が着けているのはシンプルな銀の板。
対してブレードのは板の隣に小さなソケットが一つある。
けれど殆ど同じだ...一を始めとしたヴォーレンジャーの面子が驚きを隠せない。
ソニアも同じくだ。
「どうして...ブレードさんが同じ物を?」
「貴方もドメイン博士に...?」
それに答えたのは彼ではなかった。
「どめいん...すてぃーぶ・どめいんー?」
アニマ。
より場を混乱させる答えだった。
そんな中、1人小さく溜めた息を吐いてブレードは。
「あぁ、あいつに頼んで作らせた。」
嘘だ、本当は合作。
ドメイン博士...スティーヴは確かにA.W職人であり、発明家で技術者だが。
ブレードもそれなりに弄れる腕前を持っており資格持ち。
自身のA.W等も2人で徹底的にメンテナンスをしている。
エンドブロウダーは彼らが高校生時代に共同で作り出した傑作だ。
「てめぇらのも、同時に作ったってよ。」
嘘だ、ブレードのが最初であり彼らのはその量産型。
更にブレードのは自らかなり改良の手が加えられている。
ともかく、先の同時製作情報を信じて度肝を抜かれているヴォーレンジャー。
「本当かそれは!?」
「あぁ...あいつのメインラボは俺達の共同自宅にある。」
ヴォーレンジャーにとっては爆弾発言の連続だ。
それもそうだ、余りあった事ないとはいえ、恩人の情報が目の前の初対面の男性の口から飲み込めなかったところてんの様に吹き出てくるのだ。
「スティーヴ・ドメイン、高校時代からの同級生であり、親友にして相棒だ。」
「そ、そうなのか...。」
「どうていやろー。」
「そうだ、通称童貞野郎。」
「いや、その情報はやめてくれないかな。」
功が慌てて止めに入った。
そりゃそうだ。
ともあれ、本日はこれにて解散。
翌朝、同じ部屋で寝ていたアニマが寝相でブレードの腹にボディプレスをかました所で新しい一日は始まる。
「何だ、彼らに直接会ったんだ。」
「あぁ、良い戦いぶりだったぜ。」
フロアでスティーヴと朝食を終え、コーヒーをゆっくり飲んでいる。
アニマはグァバジュース。
甘さが気に入ってるのかご満悦。
そこで頭を優しく撫でて更にご満悦。
「ヴォーカイザーも未だに快調の様だね。」
あれを組んだのも2人の共同作業だ。
何徹か重ねてぶっ壊れテンションで仕上げた傑作である。
しかし2人して完成して不満だったのが...自爆スイッチを付けれなかった事だ。
戦隊モノのロボットに流石に付ける訳にはいかず、悔しさで酒を煽った思い出。
そしてお揃いのビークル呼び出し機能付きバッジ。
エンドブロウダー。
それぞれの武器。
【赤】...ヨーヨー
【青】...長剣
【緑】...二丁拳銃
【黄】...ハンマー
【ピンク】...かぎ爪
を製作して送り付けた。
が、その代金は当時6ヶ月滞納していた家賃に消えた。
次に滞納したらオカマバーに売り飛ばすと言われた。
現在はブレードが大口の依頼をよく受けるお陰で滞納ゼロ。
おまけにマハロも従業員が増えて"看板娘"もいるお陰で黒字。
今度から元ロメニアの連中にも給料を払える。
"お小遣い"よりも良い値で。
「しかし、功から聞いたけど...何故君も一緒に作ったって言わなかったんだい?」
「あれ以上目立ちたくなかった、以上。」
「時間の問題だと思うけどね。」
「あん?」
「気づいてないだろうけど、君は一度会った人間とは何度も巡り合う才がある。」
「おいおい...俺はいつラノベ主人公になっ...」
「すみませーん!やってます...」
「た...」
「か...?」
勢いよく店に入って来たのは一。
後ろにも見知った人影が4つ。
「マジかよ...」
まるでフラグだ。
噂をすれば即回収するタイプの。
「CLOSED...まだな。」
「あ、はい...すみません...」
心ほぼここにあらずといった感じで店を出ようとするが。
スピンターンして再入店。
「ホプキンスさん!?」
「よぉ、ハジメ...ワンテンポ遅ぇぜ。」
顔見知りなので入店させる。
後ろにいた4人も。
「ほら、ポテトギガ盛りだ。」
カロリーたっぷりなオードブルを持っていく。
育ち盛りの学生たちは大喜びだ。
「しかし、まさかここがドメイン博士とホプキンスさんのご自宅だとは...」
「そして、僕と彼のラボ。」
「おい。」
「君達の武装…実はほとんど僕と彼の合作さ。」
『マジで!?』
全員スタンディング。
連れない態度ばかり取っていたカノンまでだ。
こうなっては仕方ないと、昨日に続いて小さく溜息。
幸せもどれ程逃げるのだろうか。
まぁ、彼の"引力"が直ぐ引き寄せるが。
「つまり...俺達はホプキンスさんにも支えられていた...?」
「あのな...俺はスティーヴの手伝いやっただけで大して関わっては...」
「50/50さ、彼も技術者の資格持ちだよ。」
あぁもう。
相棒は何を考えているのかと顔を見ると、何故かしたり顔。
読めた...こちらの功績を正当に伝えようだなんて思っているのだ。
出る杭になりたくない彼からしたら良い迷惑だが、これでもスティーヴは彼の事を想っての事だ。
というかそれでなくとも自分が充分出る杭になって来ているのを自覚していないブレード。
今更なので開き直る方が早いと知るのは何時か。
さておき。
彼らは休みが重なったので、遊びに出掛ける事になり。
朝食をASで取る話になり、海辺で雰囲気良さげな海の家感ある店を見つけ。
入ったらここだった。
「今回は奢ってやるよ。」
「そんな、悪いよ。」
「気にすんな、この間快勝した祝いとして食え。」
「くえくえー。」
断ればそれこそ悪いかと思い、甘える。
ハンバーガーセット等も出したので、食べ終わる頃には全員腹部がパンパンだった。
やがて客も従業員もそれなりに来た時。
彼らは裏庭にいた。
一が「特訓がしたい!」と言い出したので。
スティーヴが「せっかくだから稽古つけてやったらどうだい?」なんてほざくので。
数分経ち...屍累々。
内容は5VS1。
先ず、一が立ち向かうが腹パンで沈め。
次に向かってくる功の頭を掴み、地面に叩きつけ。
ヴィノンとマセムはラリアットで沈め、上から腹をスタンプ。
背後から殺気を感じたので、低めに後ろ見ずのエルボー。
鈍い声が響いたとほぼ同時に腹部を抑えて崩れ落ちるカノンの姿が。
これで、ヴォーレンジャー全滅。
ブレード1人相手に。
よく昼飯を戻さなかったモノである。
「どいつもこいつも真っ直ぐすぎる...ピンクは殺気出し過ぎ。」
1対多数の状況に慣れている彼からしたらどうってことない。
「さぁ、次のセットだ。」
「ちょぉっと待ったー!シャチョさんを倒すのはボクだー!!」
唐突に乱入して来たのはリン。
そう、初対面に腹パンで沈められたリンだ。
「この時の為にお腹鍛えまくったヨー!めちゃバッキバキだヨー!!」
なんて、ドヤ顔でポーズ取ってるリンだが。
次の瞬間、彼女の胸部に手が触れた。
まぁ、ワザとだ...そのままニヤリと。
「まっ平過ぎてどこが腹かわかんなかったぜ。」
「我会杀了你!!」
勢いよく飛び掛かるリンだが、隙が大き過ぎる為。
刹那で背後に回られ。
捕まれ。
勢いよく、豪快に。
「すみません、こちらにブレードさんがいらっしゃるとお聞きしまし...」
「ミギャア!!」
「た...」
バックドロップ。
変な声出しながら轟沈した。
今顔を覗けば立派に白目を剥いてる事だろう。
ヴォーレンジャー、総ドン引き。
その中。
「ブレード、麗しの愛し人が来たわよ。」
「ひぇっ!?」
いつの間にかメアリーとソニアが共に中庭に。
せっかく初めて来店したのにとんでもない光景を目にしてしまった。
しかも最悪な事に彼女達の目線の先に見えるのはリンの股座。
何とも酷い絵面であるが、この男はお構いなし。
「おぉソニア、この店に来るのは初めてだよな!」
「え、えぇと...はい...」
次に、意識が覚醒したリンがそのままの体制で。
「え、シャチョさんの友達?」
「おう、よく遊びに行くソニアだ。」
「恋人じゃなく?」
「違うぜー。」
先程も記したが、体制はそのままである。
混乱が募りに募るソニアだが、隣のメアリーが優しく肩を叩き。
「ソニアさん、気にしても無駄よ...こいつと関わった人間はこいつと同じく馬鹿になるのよ。」
「じゃあお前も馬鹿じゃ...そんな訳ねぇからショットガンこっちに向けんな、俺にはほぼ当たらねぇが。」
「ボクヤバイ!!」
「耐えろチャイニー。」
「ヘェエエルプ!!」
まぁ、そのまま撃つ訳もなく。
皆で仲良く食事を取った。




