EP:10-Shout it's name. 〜②〜
この作品を作る上で特撮ヒーローは絶対に出すと決めてました。
ソニア・ヴィネット。
空軍元帥シスカ・ヴィネットの娘であり現役高校生。
実は隠れたオタカルチャー好きの演劇系女子。
喫茶店にて、先程趣味に浸っている顔を最近仲良くしているブレードに見られて赤面中。
そのブレードというと向かい側の席でパフェを突きながらニヤニヤしている。
隣では子供サイズのパフェの上に乗っかってるプリンを食べながらキラキラお目目タイム。
「一見お淑やかなお前にもミーハーな一面があったんだな。」
「恥ずかしいです...」
「そんな事ねぇさ、益々気が合いそうだと安心感を覚えたくらいだ。」
「安心感...?」
「俺もああいうのが好きってことさ。」
なんて、軽く口にしたのが良くなかった。
普通の者ならそう思うだろう。
瞳にシイタケ光を宿して高速呪文詠唱の如く早口でロボや特撮を語るソニアの姿に。
が、目の前の男も普通じゃない。
同じく早口で返し、それどころか話を進展させていく。
そう、お忘れかも知れないがこの男はオタクである。
日本ではキモオタと呼ばれる部類だ、しかも彼は自ら進んで。
しかし彼の職業はランカーであり、魔法使い。
魔法を使うにはイメージが大事であり、彼はそのイメージの主をモルツから見せてもらったジャパニメーションと特撮映画をモデルにしている。
おかげで刀の振り方はバトン回しかの様にしなやかで自由。
場にある物は何でも利用する。
故に彼は唱える。
"キモオタは!!最強だ!!"
なんて事はともかく、2人の語り合いもデッドヒート。
「そこで、ライバルの機体と合体をして!」
「そうそう、強敵を打ち負かす展開が王道ながら燃えるよな!」
端でアニマは3つ目のパフェを食べながらご満悦。
そんな時、突如鳴り響く銃声。
うるさかったのか、アニマは目を嫌そうに細める。
咄嗟にブレードはソニアとアニマをテーブルの下に隠れさせる。
金を出せだの騒ぎ立てている。
金目当てと言うよりは目立つのが目的みたいだ。
持っているのはただの機関銃だ。
違法A.Wという訳でもない。
かといって派手に立ち回れば他の観客は愚か、目の前の彼女達も傷つく恐れがある。
そして間違いなく殺さなくても下手人共をズタズタスプラッターにしてしまうだろう、私怨を込めて。
まぁ、やり様はあるので右手にクナイを召喚。
した瞬間だった。
「そこまでだ!!」
場に響くソプラノボイス。
赤袖の半袖シャツに身を包む少年が強盗団のリーダーらしき髭面を指差す。
「往来の最中、謂れのない暴力で人々を苦しめるなど言語道断!」
少年はヨーヨーを取り出し、構える。
「成敗する!」
しかし、構えたのが玩具染みたヨーヨーだ。
強盗達は笑い出す。
「おい坊主、そんな物で何が...」
できるそう言おうとした瞬間にそのヨーヨーは眩く光を放ち、紫電を纏う。
強盗団は馬鹿にしたそのヨーヨーだが、ブレードは見抜いていた。
あれはA.Wだ。
「スパークスピナー!!」
放たれたヨーヨーは直角に荒れ狂う様に飛び、強盗達を蹴散らしていく。
そして放った当人はそのまま怯んでいる他の強盗達に飛び掛かって蹴りを入れていく。
まるでフィクションのヒーローだ。
だが、取りこぼしがいた。
1人の下っ端がこちらにやって来た。
人質を求めてか、ソニアに手を伸ばす。
が、それより早くその腕を掴み。
「歯ぁ食いしばれ。」
魔力を込めたブレードの右拳が、下っ端の顔面を醜く叩き潰した。
顔が顔としての原型を留めなくなったその下っ端は倒れ伏した。
あちらも片付いたらしく、こちらに向かってきて。
「申し訳ない!!」
最敬礼を繰り出した。
綺麗に90度だ。
「そちらが処理をしてくれて助かった...しかし迷惑を掛けて申し訳ない。」
「そんな...迷惑だなんて。」
「ほとんどお前が片付けたんだ、胸張れよ。」
「うぅっ...そんな優しく言って貰えるなんて...」
今度は泣き出した。
感受性がかなり豊かな様で。
その後、警察がやって来て事態は鎮圧。
その後、別所のファミレスにて。
先程の少年の仲間か、他に4人程来ている。
対してシイタケ光が復活するソニア。
ブレードの肩を高速で何度も優しく叩く。
「ブレードさん、ブレードさん、この方達【ヴォーレンジャー】ですよ。」
なんて、小声ながら興奮を抑えきれない様子のソニア。
しかしその名はブレードも聞き覚えがあった。
【ヴォーレンジャー】...クレアヴォーヤンスの治安を護る為、若きランカーで結成された特殊戦隊チーム。
リーダー【赤】、久遠 一...日本血筋の高校2年生、正義感の塊であり、このチームをガッツで立ち上げた勇士。
【青】、奇咲 功...赤渕眼鏡がチャームポイント、冷静沈着な参謀であり一の幼馴染。
【緑】、ヴィノン・クーパー...イタリア血筋、最年長の大学生であり、ナンパ者。
柔軟な発想が売りの戦闘スタイルを誇る。
【黄】、マセム・パールヴァロン...イラン血筋の高校3年生、歌舞伎劇団に弟子入りしており、女型の成功者。
スラっとした見た目に反して一番の力持ちのゴリゴリパワータイプ。
【ピンク】、カノン・ラッセル...血筋は不明の高校2年生の少女。
スピードで相手を翻弄するトリッキータイプ。
5人揃って、魔偽戦隊ヴォーレンジャー。
"ランカー"と名乗ってるだけあって順位を決めるランキングが存在する。
人気の。
トップ5。
5位.ケイン・コーネリアス
4位.我音・ジ・ハイエンダー
3位.エッジ・ファンタズロード
2位.魔偽戦隊ヴォーレンジャー
1位.リーパー・ダウン
と、こんな感じ。
ケインはあれで超人気ランカーだ。
ブレードは11位、順位に興味がないので。
ともかく、人気のランカーチームなのである。
「え、何お姉さん俺たちの事知っちゃってる感じ?」
「えいっ。」
と、マセムの後頭部叩き。
華奢な見た目と違いパワータイプらしく、危うくヴィノンの額がテーブルにミサイルする所だった。
「おごぉっ...てめぇこの馬鹿力何しやがる...」
「いつもみたいにナンパしようとしたのをマセムが止めてくれたんじゃない。」
「本気出したら首を折れるけど行っとく?」
「いや、やめておきなよ。」
「みんな、ヴィネットさん達が呆れてるから...。」
いや、実に見慣れた光景だと思っている、"彼"のお陰で。
まぁ、見事に個性的だ。
定番らしいそのやりとりを生で見られて幸せなソニア。
ブレードも興味津々と言わんばかりに見つめている。
アニマは到頭5つ目のパフェに突入した。
「で、ハジメだったか、流石人気ランカーだけあってガッツあんな。」
「ガッツ!俺の好きな言葉だ!」
見ての通り熱血型だ。
世間体で言うヒーローのイメージに一番近いだろう。
百歩譲ってアンチヒーローを自称するブレードには少々眩しい。
「それにあんた、俺とお揃いのカラーリングだな!」
「おう、赤が好きだからな。」
実は彼の基本カラーが赤なのは、一と同じ様に戦隊のレッドがモチーフとなっている。
元々ランカーを目指したのだってフィクションのヒーローに憧れてだった。
けど、ふと自分の手を見ると...
「ブレードさん?」
自身の手を見つめて固まっている彼を怪訝に思ったソニアは呼び掛ける。
彼自身も自分がいつの間にこんな行動を取っていたのかわかっていなかった。
「苦労皺を見つけてな。」
「ブレードさん、両手に手袋してますよね?」
常に両手にフィンガーレスグローブ。
淡々としたソニアのツッコミが刺さる。
「心の皺さ、お前らにもあるだろ?」
と、ヴォーレンジャーにキラーパス。
「え、えぇと...僕は別にそんなもの...」
先にドもったのは功。
「ヴィノン、パス。」
「おいおい...そうだな、美女に皺くちゃにされる事ならあるが...マセム。」
「僕は舞台やってるし、溜まりも色々あるかなぁ...カノンは?」
「知らないわよ。」
「連れないねぇ、ウチのピンク担当は。」
「そう言うなよ色男君、色々抱えてるんだろ、お嬢さんも。」
なんて馴れ馴れしくヴィノンに声を掛けるのはブレード。
それに対し、功はジト目で。
「元々は君が吹っ掛けたせいじゃないか?」
「忘れたな。」
「いい加減な...一?」
ずっと頭を捻っている。
「心の皺って...何だ?」
「あー...この子こういうタイプ?」
脳筋。
その問いに対し他のメンバーは無言で首を縦に振る。
当の本人はいきなり話題にされて更にちんぷんかんぷん。
頭の上にハテナまで浮かべだした。
何を書くそう、私はキモオタです(自称)
某アイドルゲームのねこちゃんアイドルを愛しライブでは猫耳装備、誕生日にはハンバーグを合い挽き肉すら自分で作り上げます。




