EP:01-Turning Act 〜②〜
主人公の簡単な説明。
酒カス
ヤニカス
超強いアニヲタ。
「おい、メアリー…何だこのシケた額。」
仕事を終え、市街地の隅のとある建物を尋ねる青年。
白一色に染められた小さな小屋で、シルバーブロンドのグラマラスな女性が対応する。
やれやれと言った感じで、半目で。
「何って…依頼料よ。」
「ふざけんな…お偉いさんのクチじゃなかったのかよ。」
「そのお偉いさんがケチった結果よ。」
「そのケチったのを認可したてめぇらギルドにも責任あんだろうが。」
ギルド ― 所謂ランカー達の職業斡旋所である。
このクレアヴォーヤンス各地にあり、その内の一つを締めるのが青年の目の前にいるグラマラスな女性 — メアリー・エリマネス。
「仕方ないでしょ…新人の坊やが何も考えずにOK出しちゃったんだから」
「教育ぐらいしっかりやっとけよ…脳みその代わりにスイカの皮詰めてる訳じゃねぇだろ?」
「何度言っても無駄なのよ、そろそろクビを切ろうか迷ってる最中。」
「出来れば俺の仕事に関わる前に切って欲しかったねぇ…ったくよ。」
文句を垂らし続けても何も進まない。
そんな事はわかっているので無駄話もこれくらいにして、青年は愛車である超大型バイクに乗り込む。
馬鹿でかい車用エンジンを無理矢理融合させた無骨の様で洗練されたフォルムの赤黒いマシン。
速度や強度もそこらの物とは桁違い…という話は置いといて。
「ブレード、今度大口の依頼を回すわ。」
「期待しねぇで待ってるよ…じゃ。」
青年 — ブレードはそう返して走り出した。
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ブレード・E・ホプキンス。
21歳、Dランク、ハワイ文化主体のエリア、アロハストリート住まい。
14歳の頃から資格を取り、この業界に身を置いている。
自由奔放なサブカルオタクで、特にジャパニメーションと特撮に目がない。
性格は自分勝手でお調子者。
故にいつも仕事時のパートナーであるスティーヴの苦労が絶えない。
ジャパニメーションと特撮をモチーフにした動きが特徴。
周りの人間から引かれている様で一目置かれている。
基本、服装は上下を赤のワークスーツで固めている...特撮ヒーローを意識して。
酒飲みでもあり、酔っ払ったら主にスティーヴが迷惑を被る。
手先が器用であり、主に仕事に使う物は自分で作成、メンテナンスを行うかスティーブと2人作業。
自宅は大きめの屋敷にスティーヴと共同暮らしでハワイアンカフェを営んでいる。
売れてないが。
そして地下には作業場と、そこそこ充実している。
が、そろそろ家賃がキツいかもしれない。
というのもこの男が適度に仕事を選びすぎるのが原因だ。
スタンスが【働かず楽して生きたい】とかいうふざけた思想のせいで。
そろそろ大型の仕事も真面目にやらねばと悩んでいる。
が。
それなのに彼は自宅のガレージにバイクを置いて外に飲みに行く為に繁華街へ。
共同で住んでいるスティーヴも連れて行こうと考える。
そこに。
「おい待て!!」
甲高い声が響き渡る。
あからさまにこちらに向いて発されているのだが無視。
「待てよ!!」
無視だ無視。
「待てって言ってるだろ!!」
しかしそうも言ってられず、先回りされてしまった。
「お前に言ってるんだよ!!そこの紅髪!!」
人違いじゃないのかと聞きたい所だが、それより声を掛けて来た者の容姿が気になった。
シルバーブロンド。
くりくりお目々に綺麗な童顔。
カワイイ低身長に先程からキーキー響くソプラノボイス。
「お前がブレードだな、お前のせいで僕は仕事を…んほぉうっ!?」
クビになった。そう言おうとした。
右足と左足の間接の間にある一部分を目の前の茶髪の青年に握りつぶされるまでは。
モッコリ感触があった、かなり小振りだが。
所謂グレープフルーツクローを食らったカワイイ不審者は不意打ちということもあって余りの衝撃と痛みに白目で失神。
がに股のあられもない姿で大文字倒れ。
対するそうさせたブレードはその顔を歪に破顔させる。
そのままモバイル端末を取り出し。
「おいメアリー、飲みに行こうぜ…面白ぇつまみものもあるしな…うし、いつもの所で。」
通話終了。
婆さんや、アクションはまだかいの?




