EP:03-Tranquility before the storm 〜①〜
割と面倒見は良い方のブレード。
従業員はこれで全員ではないです。
↓表紙です。
https://twitter.com/poh_YmikuIMZVQ/status/1379720793966317569?s=19
聡明なる自由幻想都市国家【クレアヴォーヤンス】
それは一つの島国であり、幾つかのエリアに分かれて様々な国の文化が息づいている。
その一つである【フロムシャンゼリゼ】...フランス文化メインのエリアにて。
今、この界隈を賑わせるのは。
「応援を呼べ、また逃げられちまう!」
「おい、止まれ!」
拳銃を構え、威嚇する警官が多数いる中。
大胆不敵に決めポーズを取る一人の存在。
長いブロンドを揺らめかせ。
目元に赤いマスク。
舞台の様な白い王子様風の衣装を身に纏い、赤のマントを靡かせる。
女怪盗【フロンティーヌ】、大富豪や大企業を標的にする大怪盗。
「おーほっほっほ!」
今宵も某富豪から高価な飾り物を盗んで逃亡中。
何を起動したか、天高く飛び上がってその場を去る。
響くのは警官や野次馬たちのどよめきと。
怪盗の高笑いだけ。
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マハロのあるASの一つ隣の駅。
アメリカ文化が盛んなセントラルスクエアにて。
駅からそう距離の無い一つの宿舎に集められている元ロメニアもとい...マハロの従業員。
ロメニアはこの島でも有数の大企業だった。
様々な国の様々な人種がこの島に集まる。
そして名声高いロメニアに就職しようとする。
そしてそして、あそこの非合法なやり方の現実を目の当たりにして自分の生活の為に目を瞑る。
そして更に突如現れた破壊神がそんな憧れだった会社を破壊し、路頭に迷うことになり。
防犯カメラにかろうじて写っていた映像を頼りにその破壊神を探し出し、報復に参る。
そして男女平等にボコボコにされて、今に至る。
「意外と悪くないネ、ここでの生活。」
そう口にするのは中国から来た女性、リン・メイリン。
流れでロメニアに就職して流れで報復に参加させられてノリでブレードに襲い掛かって腹パンを食らって沈んだ。
「まぁ、生活が保障されているし...」
続くは日本人女性、美抓 美沙。
大人しいが、ロメニアという大企業の経歴に未練があった様でブレードに襲い掛かり、強烈な回し蹴りを首に食らってノックアウト。
彼女達と数人は、宿舎の大部屋にて宴会中。
仕事の終わりに偶にこうやっては集まる。
「けれども横暴すぎる、あの言動はどうにかならないか!?」
次に口を開いたのは経理のドイツ人、カイル・ホルトマン。
報復時、背後から襲い掛かってカウンター一本背負いを決められて踏みつけで鼻を折られる。
「そうだ、ちょっと腕っぷしが強いからってなぁ!」
続けるのはイタリア人、メルツィオ・ローマン。
顔面にラッシュを食らって一番悲惨なやられ方をした人。
「全く、作業にも繊細さを感じられないし、君なら頑張ればどうにかできるんじゃないかい、ゴラム?」
フランス人、フラム・スピアーズ。
金的を食らった後、肩車で頭から叩きつけられた。
「いや...俺一番にあの人に殺されかけたんだが。」
黒人系アメリカ人、ゴラム・シューダン。
バックドロップで一発轟沈。
彼がこの集まりのリーダーであり、元暴力団の一員。
逮捕されて囚人になり、そこから地下闘技場のチャンピオンになったが、ブレードに秒殺されて自信喪失気味。
「仕方ないネ、シャチョさんこの間もチンピラをノックアウトしてたよ。」
「リンちゃん、今更だけどオーナーの事シャチョさんって呼ぶのあなただけだよ?」
「あーそれ俺の指示、その手のキャラはそういうセリフが映える。」
『ッ!!?』
ここには自分達以外誰もいない筈なのに。
何故か混ざり込んで缶ビールを飲んでいるブレード。
「しゃ、シャチョさん...?」
「よぉチャイナ娘とその他、窓が開いてたんで邪魔したぜ。」
「ドアから入ってください!」
「そう固い事言うなよJAPガール、良いモンあんじゃねぇか。」
「あー!私のスルメ!」
ブレードは次に美沙のスルメをつまみ取って口にする。
つまみや酒はスティーヴが彼らに分け与えている、優しい事に。
「そうケチケチすんなよ、いいもんやるから。」
そう言ってブレードが出したのは数枚の封筒。
「シャチョさん...それ何?」
「お小遣い。」
『お小遣い!?』
彼らの立場は暴行未遂の罪人であり、マハロに無償奉仕の真っ最中。
故に給料は出ないのだが。
「てめぇらだって息抜きが必要だろ、ほれ。」
そう言って近くにいる美沙にまとめて渡す。
「明日店休みだから、それで好きに遊んで来いよー。」
そう言って彼は窓から帰った。
「って、だからドアから出入りしてください!!」
そんな苦言を背に、彼は宿舎を後にする。
ついでにこの近辺の飲み屋でもハシゴして帰ろうかと吟味していると。
目前に如何にもチャラそうな男性が数人固まって...いや、その先に一人の少女の姿を発見。
つまり、ナンパだ。
「今時でもいんだな、ああいうの。」
スティーヴから頂いたギャルゲなるものにもこんな展開あったなと思い出しながらそこに近づく。
「いいじゃん、ちょっとお茶するだけだって。」
「いえ、ですから...」
わかりやすく嫌がっている少女。
「別に変な事する訳じゃないから...」
「うっそだー、ポケットの後ろに薬の箱が見え見えだぜ。」
『!?』
唐突な乱入者に、全員の目線集中。
金髪に茶髪に青髪に...色とりどりの連中が、眼鏡を掛けて如何にも清楚なイメージのブロンド三つ編み少女を囲んでいる。
「誘い方がなってねぇぞトーシロ共、俺が代わりに引き受けるから帰りな。」
「な、何だお前!?」
「邪魔すんじゃねぇ!!」
人数は4人程、逆上して襲い掛かるが。
先日13人を無傷で返り討ちにした男だ、当然数秒後。
屍の山が築かれている訳で。
「じゃ、行くぞー。」
「え、ですからあの...」
そのまま強引に少女の腕を掴んで連れて行く。
駅に。
「えっと...」
「その制服、キングダムの超名門学校の所だろ?こんな時間帯にこんな場所うろついてちゃさっきみたいな奴らに絡まれて当然だ、帰りな。」
「は、はい...ありがとうございます...」
「あ、そうだ。」
ブレードは右尻ポケから一枚の紙を出す。
若干折り目が付いてるが、気になる程ではない。
「今度ここに来な、何か奢ってやるよ。」
渡したのはマハロの宣伝チラシ。
そのまま彼は先程の街中へ消えていく。
少女は暫く目を離せなかった。
今更ですが、お気に入り登録とかしてもらえたら万歳しながら飛び上がって足つって喜びます。




