EP:01-Turning Act. 〜①〜
初めまして、雨合羽春影と申します。
小6時代に自由帳で描いてたキャラを今更になって文章化させていただきました。
まだ拙い文でございますが、応援して下さる方がいて下されば嬉しいです。
あれ、何か文章バグった?まぁいいや。
では、どうぞ。
カスタムキャストで表紙も作りました!
https://twitter.com/poh_YmikuIMZVQ/status/1377521081720786944?s=20
「諸君、王になりたくはないか?」
薄暗い地下闘技場の中、拡声器により響く声。
「囚人、学生、会社員etc…数多の人種が集うこの都市、このコロシアムにて…武力的実力を持つ王を決めようじゃないか!!」
アナウンスの声と共に、歓声が鳴り響く。
と言っても、観客は富裕層の人間ばかり。
アナウンスもそれらしい言葉ばかり並べてはいるが、ここに集った選手は実は拉致されて来た人間だったり。
ホームレスだったり、非合法に流されて来た囚人だったり。
それらを取り仕切っているのはこのコロシアム。
…の上に建っている超高層オフィスビルを所有している大企業…ロメニアコーポレーションの最高幹部。
これらは周りに知られざる事実であり、政府の人間も一枚噛んでいるのでより知られる事はない。
筈なのだが。
ーーーーーーーーーーー
ロメニアコーポレーション、最上階。
この階には最高幹部しか入る事の許されない部屋がいくつもある。
例えば執務室。
例えばジム。
例えば…個別専用トイレ。
その個室にて、一人の青年が静かに腰を落ち着かせていた。
青年の目的はこのフロアにてふんぞり帰っている最高幹部...の始末。
青年は所謂始末屋としての仕事を行っている最中である。
の筈が、彼は特に動く訳でもなく最高幹部専用の個室トイレから微動だにしない。
そこに、青年の装着しているヘッドセットに連絡が入る。
[B.E…マズい事になった…コロシアムの催しが始まった。]
若い男の声。
少し焦りを含んだ口調がどれ程重大かを静かに伝わらせる。
というのも、彼らの目的の為にはコロシアムに大量に人がいるのは困るからだ。
しかし。
「あぁスティーヴ…こっちもマズい事になってる...それもかなりだ。」
返す青年の声もどこか沈み気味。
それを聞いてヘッドセットの通信の主の声に更に焦りが募る。
[どうした、何があったんだい…ひょっとして標的に…]
「クソだ。」
[…は?]
先程までの焦りが一気に消失した。
そんな事等気にせず青年は。
「朝は頑固に出てくれなかったクソが今になって牙を剥いてきやがった…」
[…君は今何をやってるんだい?]
「クソだよ。」
[どこで?]
「トイレだよ、俺がどこにいるかわかってる筈だぜ?」
[場所の確認じゃなくてなんて所でしでかしてるのかと聞いてるんだよ!!]
そう、この青年は敵陣のド真ん中で呑気に用を足しているのだ。
「しょうがねぇだろ、敵の目前で垂れ流す訳にも行かねぇ…つまり一大事だ。」
[優先順位を考えて我慢くらいできるだろ、君はいつもいつも…]
通信相手のありがたい説教が始まった所で、個室の外からノック音。
「おい、そこに入ってるのは誰だ…ここは私専用の…」
そう、先程も表記したがここは最高幹部専用の個室トイレ。
けれども。
「うるせぇ。」
青年はお構い無しに、ずり下げたズボンに携えたホルスターから銀の巨大回転式銃を引き抜き。
容赦なく発砲。
それも3発も。
弾丸は扉に連鎖的な大穴を空けて、扉の外にいた最高幹部らしき太っちょの男の上半身の殆どを抉り散らす。
無論、即死である...というか生きてたら怖い。
青年は何食わぬ顔で銃を仕舞って反対の手でトイレットペーパーを掴む。
「おいスティーヴ、標的の始末完了だ…やっぱ人間はトイレに帰ってくる様だぜ。」
[はぁ…いつも通り偶然の結果だろうに。]
「用も丁度終えた所でケツ拭いて残りの始末だ。」
[少しは真面目に頼むよ。]
「黙って見ておけスティーヴこのクソ童貞野郎。」
拭き終えた青年は自らが穴を空けたドアを蹴り飛ばし。
不敵な笑みを浮かべる。
手を洗いながら。
[閉まらないね。]
「マナー大事、これ譲れない。」
[君だけはそれを言う資格を持たない。]
「うっせ、バーカ。」
後は社員を装って脱出。
大企業だけあって社員一人一人の顔なんて覚えられていない。
その中、火災報知器まで鳴らす。
社内の人間は慌てて会社の外へ。
それに乗じて共に外へ。
御陰で脱出は楽だった。
彼の任務は最高幹部の排除。
依頼人は一枚噛んでいる政治家の部下の1人。
彼自身が成り上がる為に自身の上司の汚職を止めて欲しいとの事だ。
だが青年にとってはそんな事情知った事ではない。
そしてもう一つの任務。
彼は最上階に忍び込む前、コロシアムに一つ細工をしていた。
脱出した後、その仕掛けを作動させる。
「刑事さん、俺は大変な物を盗んじまった。」
「何だ、チンピラ。」
刑事が返した直後、ビルの真下から轟音が鳴り響く。
更にその直後、ビルが半分程綺麗に陥没する。
「あそこ諸々の将来です。」
「…そりゃ一大事だな。」
「巻き込まれがいたら適当によろ。」
「まぁ、揉み消してくれるだろう…それぐらい。」
「だろ。」
そんなやりとりをして、刑事は現場へ。
青年はその場を立ち去った。
彼は正確に言うと始末屋ではない、同じく殺し屋という訳でも。
ただその仕事も兼任するだけの何でも屋である。
この様々な人種、国家が絡みに絡み合う超自由幻想都市{クレアヴォーヤンス}では、何人もそう言った職種の人間がいる。
資格制で。
彼らは階位によって受ける仕事が決まっている。
F〜Dの低い階位なら簡単で安い仕事。
C〜AあるいはSの高い階位なら万能にいろんな仕事を。
故に人々は彼らをランカーと呼ぶ。




