13+0.5+0.5
ー 1日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけどどう思う?」
「良かったんじゃないでしょうか」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。貴方の生死に関して嘘をいう必要性がないですから」
「そっか。花刈さんは優しいね」
「普通です」
ー 2日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど知ってた?」
「ええ、まあ。目の前に居ますからね。貴方の存在を疑う方がどうかしていますよ」
「本当にそう思う?」
「貴方に嘘を言うメリットが私にはありませんから。必然的にはそうなるのかもしれませんね」
「そっか。花刈さんは面白いね」
「普通です」
ー 3日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど不思議じゃない?」
「全然」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。強いて言うなら貴方が急に死んだ方が不思議に思いますよ」
「そっか。花刈さんは誠実だね」
「普通です」
ー 4日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど気分はどう?」
「情緒は安定しています」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。貴方の存在に左右されるほど柔な心は持ち合わせていないので」
「そっか。花刈さんは強いね」
「普通です」
ー 5日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど体調大丈夫?」
「至って良好です」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。他人の貴方には分からないでしょうがばっちり健康です」
「そっか。花刈さんはすごく健やかなんだね」
「普通です」
ー 6日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけどどうしてどうしてだろうね?」
「死んでいないからです」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。事実ですからね。貴方が死んでいたら今こうして会話なんてしていませんよ。幽霊などの類は苦手ですから、貴方が人間で良かったと心底思いますよ」
「そっか。花刈さんは怖がりなんだね」
「普通です」
ー 7日目 ー
「めぇめぇめぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど最悪?」
「その悪ふざけの方が最悪ですよ」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。真似る気ゼロすぎて驚きました。しかも、比べるもののベクトルが違いすぎて話になりません。出直して来てください」
「そっか。花刈さんは厳しいね」
「普通です」
ー 8日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど雨降るかもね?」
「今日は終日晴れの予報です」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。天気予報は信じる派です。貴方も天気予報は見たほうがいいですよ」
「そっか。花刈さんは天気に詳しいんだね」
「普通です」
ー 9日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど怖いね?」
「怖くないですね」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。ただ、貴方は肌が白くて髪が長いので幽霊みたいと言われればそう見えなくもないかもしれません。幽霊の類は苦手です。いい加減その鬱陶しい髪でも切ったらどうかと思いますね。長くて鬱陶しいので」
「そっか。花刈さんは時々辛辣だね」
「普通です」
ー 10日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけどどう思う?」
「良かったんじゃないでしょうか」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。貴方に嘘を言う理由がないですからね」
「そっか。花刈さんはやっぱり優しいね」
「普通です」
ー 11日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけどすごいね?」
「そうですね」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。貴方が気付いているかは分かりませんが周りを見渡せば死への誘惑でいっぱいですからね。生きるのって、大変ですね」
「そっか。花刈さんも大変なんだね」
「普通です」
ー 12日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるんだけど?」
「そうですね、生きてますね」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。貴方、目の前に居ますからね。というか、近いので離れてください」
「そっか。花刈さんはパーソナルスペースが広いんだね」
「普通です」
ー 13日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん、俺今日も生きてるよ」
「そうですね、良かったです」
「本当にそう思う?」
「ええ、まあ。本当ですよ。年下の貴方が死んで喜ぶようなイカれた神経はしていないつもりです。それに幽霊の類は苦手ですからね。貴方はこれからも生きているといいですよ」
「そっか。花刈さんは優しいけど実は残酷だね」
「…酷い言い草ですね。誠に遺憾です」
ー 14日目 ー
「ねぇねぇねぇ花刈さん。…ねぇ、花刈さん。ーーーどうして、俺を置いていっちゃったの?」
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ー 15日目 ー
「ーーーねぇ、花刈さん。久しぶり」
読んでくださってありがとうございます。
一応続きは書いていますが、出すかは不明です。悪しからずご了承下さい。