みんな、チトのこと知ってる ?
人間って、生まれつき、善なのか?
それとも、悪なのか?
これって、永遠語られているよね?
「それを、私に言わせてよ」
雪ネェが身を乗り出した。━━━━━━\(゜∀゜)/━━━━━━(キタ~~~!)
すると、みんながなぜか身を屈めた。
「あのさ、『みどりのゆび』って童話知ってる?」
「みどりのゆび?」
「知らない」
「あ、僕は昔、読んだことある」
「コウジと雪ネェだけか、それってどんな本?」
ゴロスケが聞いた。
スンちゃんは、検索して出した。
「チト少年は、土の中に眠っていた種を目覚めさせて、花をいっぱい咲かせるんだ。〈みどりのゆび〉を持っていて。で、刑務所を花で満たして、すさんだ心を癒し、病院を花いっぱいにして、病気の人の心を癒した。稼業の兵器工場の大砲という大砲に仕込んで。花を咲かせて戦争ができなくさせるんだ。チトって,いったい誰だったのでしょう? フランス人のモーリス・ドリュオン 作 ジャクリーヌ・デュエーム のイラストの美しいお話だよ」
「まあ、チトは天使だったんだけどさ~」
「ああもう、言っちゃたよ」
「いいじゃん! チトは、豪邸に住む、かわいい男の子なんだ」
「バジー国とバタン国の隣同士で戦争しているんだけど」
「リアルだね。本当は戦争してくないんだよ」
「最後に、はしごを作るの。チトがそのはしごに上って、それっきり」
雪ネェがうんと伸びをした。
「私が小さい時に、チトの指が私の魂に、押し付けられたのよ。善に生きようって」
雪ネェがゲンコに親指を立てて、ナイスのポーズをした。そうして、ギターを取り出して歌い始めた。
♪僕らの世代の この地球上での
苦しみ 悲しみ解決するまで
僕らは生きている 生きている~
ギターを持ったまま興奮状態の雪ネェ!
「出来た~初めてのオリジナルソングが!メロディーはパクリだけどアハッ!」
「すごいね~、素敵な歌だね~」
成っちゃんが感激して言った。
もちろん、みんなも感激していた。
「何言うの?これって、さっき成っちゃんが言った言葉を書き留めたんだよ」
「僕が?本当?」
「うん、さっき言ってたよ、急に雄弁になってどうしたのかなって思ってた」
コウジも認めた。そう、さっき成っちゃんが言いかけた言葉だ。僕たちは同じ不遇な目に遭っても、人を傷つけたりは、絶対にしない。なぜなら・・・心が善の方を向いているからだ。
「何か素敵だね、僕たちって」
「でもさ、成っちゃん、続きの言葉できない?」
「え~、そんな急に言われても…」
言葉は 急に 出てこない。
雪ネエのバイブルって「みどりのゆび」でした。
こんなこっぱずかしいこと、酔ってなければ語れないし。




