帰らない宇宙人!
ショウタはある事を考えていた!
ふらふらと家に帰るとシルビアがキッチンで料理をしていた。
「ショウちゃんお帰りー、ちょうど朝ごはん出来るから座って待ってて、今ハーブティー入れるねー。」
宇宙人が鼻歌を歌いながらハーブティーを入れている、それはともかくその呼び方は親友か昔付き合っていた彼女しか呼ばない呼び方だった。
しかし相手は高度な文明を持っている宇宙人、そんな情報筒抜けかもしれないとか考えながら椅子に座った。すると大好きなハーブティーの香りがしてくる。
「砂糖いらないでしょ。」
とても熱そうだ湯気がすごい出ている。
首を縦に振るとシルビアは笑っていた。宇宙人のことを酔ってるアタマで考えていると、パンと卵焼きと見たことのない焼き魚が机に並んだ。
「食べて、せっかく作ったんだから。」
「ありがとう、いただきまーす。」
どことなく懐かしい味がした、そしてハーブティーで舌を火傷した。
それを見てシルビアは笑っている。
「確信犯だな宇宙人。」
「そうそう、味はどう?」
「美味しい、懐かしい味がするんだけど。」
「ふーん。」と言い嬉しいそうだった。
「なぁ死んだらどっかの星に行くんだろ、探したい人が居るから宇宙人の力で探して連れて行ってくれないか?」
シルビアはむせ出した。
「昨日この星に来たばかりでしょ、やっと家に住め仕事も見つかり今からじゃないの私もそんなこと言われても困るんですけど!」
「困るって事は出来ないってわけじゃなさそうだなぁ。」
「出来ないわけではないけど……、会ってどうするの?」
「特にない。」
特にないわけじゃなかったがなぜか言いたくない。
「それなら我慢しなさい、ここの生活をしっかりしてください!冷めるわよ。」
「はいはい。」
そう言ってご飯を食べ終え、ポケットの金貨を机に置きリビングの横のハンモックに入り揺れていた。
その間シルビアは家事をしていた、冷蔵庫はないので買い物に行って朝ごはんを作ってくれたんだろ、仕事サボってる割によく働く宇宙人だと感心して。そんなことよりどうやってシルビアに協力してもらうかを考えていたら。
「この近くにビーチあるけど行かない?」
「あー虎次郎さんもそんなこと言ってたわ、琉球より海が綺麗とかなんとか、一回行ってみるか。」
「じゃあさっそく行きましょう、これ持って。」
そう行って壁にかかっているサーフボードと革でできたリュックサックを渡してきた。
「釣竿そこにあるだろ、それも持って行きたい。」
「どうぞ、ご飯の食材ね、みんなそうしてるわ。」
「そうそう。」
とりあえず家を出てカジノの反対側東の方に行くとすぐに前方が開けた、そこは大きなビーチで真っ白な砂浜とブルートルマリンのように透き通った水色の海だった。ビーチに着くと少し屋台もあり人も少しいた。シルビアが屋台でパラソルを借りてきたので、砂浜にそれを挿してとりあえず裸になった。
「チョット何してんのよ!これ着なさい!」
そう言いリュックの中から新しそうな赤色の海パンを出した。
履いてみるとピッタリだった。
「サンキュー、ちょうどだ、こんなの家にあったか?」
「買ってきたに決まってるでしょあんぽんたん!そもそも誰が使ったか分からない水着よくつけれるわね!」
「あっそうでしたかー、ありがとよ。」
シルビアも水着を新調していた。サーフボードを持って二人とも海に入っていき、それに掴まり一緒に浮いていた。久しぶりの青春だけど宇宙人かぁなんて考えながらボーっとシルビアを見ていたら。