地獄に引越鬼は内!
地獄に飛ばされたショウタ!!
シルビアとともにどんな出会いが!!
店長に手当てをしてもらい、足にガムテープを貼ってもらい血は止まったもののさすがに痛かった。
店長とバイトらしき人は驚いていた。と言うことはやはりシルビアの話通り地獄は思っているより悪いとこではないのじゃないかと考えた。
店長が「お兄さんいっぱい飲んで忘れちゃてください。これ、地獄特製の血酒です。」と言い、ボトルを出してくれた。来たばっかりなのでだいぶ気を遣ってくれてるようだ。もう驚いたりはしない。
するとシルビアが「さすが大将男前っ!」と言いながら自分の大ジョッキにそれを注いでる。
「それ、俺に出してくれたんだぞ!」
「そんなケチだから釣りしてて死ぬのよ!これからここでしっかり勉強しなさい!まぁいいわ、半分あげるから何か頼んでいい? 赤鬼が仕留めた肉串盛り2つ !」
「かしこまりました!」
血酒を飲むとただの美味しい赤ワインだった。
「へぃ肉串盛り2つ!ところでにーちゃん家はどこですの?」
首を傾げと、すかさずシルビアが。
「地獄カジノの隣のハイツ。ちょうどあそこ1部屋空いたのよ。」
「あそこですかぁ。その近くの遊楽町によく呑みに行くんですよ。また会うかもしれないですね。」
シルビアと店長は街の近況について話していたが、よくわからないので聞いていなかった。
そうこうしてるとシルビアが。
「そろそろいくわよ。」と言い伝票を渡してきた。
「ありがとうございます!銀4枚です。」
店長にポケットの中の銀4枚を出すと、「また来てください!良い出会いを!」
シルビアは爪楊枝入れみたいな入れ物中からタバコを数本取りマッチと一緒に胸ポケットに入れてきた。
店長はニコニコしてるので、そのまま店を出た、すると綺麗な夕焼けに月より大きいピンク色の星が見え、少し感動した。街を通る人も増えさらに賑やかになっていた。ふらふら歩いているシルビアに不安を感じたが、シルビアが手を握ってきたのでとりあえず握り返した。
デート気分になってると、昔の記憶がよみがえってきた。歩きながら懐かしい感じに浸り手を引いて歩くシルビアの後ろ姿をみていると急に止まり指を指して。
「ここがあなたの家よ。大家さんには話はしてあるから、家賃しっかり払いなさいよ!真ん中ね。」と言いハイツと言うよりハワイのコンドミニアムみたいな50メートルぐらいの共用プール付きの3個で1つの豪華な家だった。50メートルほど隣に巨大な今まで見たことのない大きなカジノがあった。
「良いとこやな。で家賃どれくらいや?」
「1年で金貨7枚、敷金礼金無しで先払いね。」
しかし両ポケットには金貨5枚と銀貨25枚しか無かった。
「持ち合わせてない。」
そう言うと、「当たり前じゃない、私そんなにあなたに貸してないもの!これも貸してあげるから金貨8枚返しなさいよ!」
「あれ、くれたの違うの?!」
すると笑いながらシルビアは答えた。
「何おかしな事言ってるの、お金なんて労働や何かの対価よ自分の身を削って作りなさい!何でもただで貰おうと思っているから腐ってしまうのよ!まぁ私だから利息は月1割、元金はある時払いででいいからね。」
もう使ってしまっているので仕方ない。今さらどうしようもない。ため息をついているとシルビアが。
「そこらの闇金と一緒にしないでね!利息は私の仕事のサービス料よ!毎月月末に利息は取りに来るからね、先に言っておくけどここは一ヶ月が36日で1週間は6日、1年は13ヶ月だからね。」
「大家さんはあなたの家の左側よ、挨拶にいくわよ。」
シルビアが大家さんの家のドアをノックして「こんばんわー!」と言った。
すぐにドアが開き、海パンで上半身裸の20代半ばぐらいの顔に傷のある坊主頭の兄さんが出てきた。
「こんばんわ、今日引越してきたショウタと言いますよろしくお願いします。」
「こんばんわ、今日来ると聞いていたから楽しみにしてたよ。僕は虎次郎言います。まぁ2人とも上がって上がって。」
「はい、お邪魔します。」
「お邪魔しまーす。」
家に上がると洋風でとても広くシャンデリアもあった。そして血糊のついた「神風特攻」と書いてあるハチマキや軍服がかざってあり、応接間に行くと机の上にゼロ戦の模型が3台置いてあった。
「どうぞ座ってください、さっそくだけどこれ契約書ね、目通しといてください。」
「はい!」
そこには共用プールで用を足さないこと、賃料の事、その2つが書いてあった。サインをして金貨 7
枚を渡すと。
「じゃあ契約完了、これ鍵、何か分からないことがあったら遠慮なく言ってください。家は前出ていった人がいろいろ置いていってるみたいだから好きに触ってええからね。ところでショウタくん仕事は何か当てあるのか?」
「まったくないです。」
「ちょうどよかったカジノのディーラーやらないか?」
「いんですか!初めてですけど?」
「いいよ、ちょうど募集しているところや。オセロ出来るか?」
「得意です。」
「そりゃよかった、地獄オセロはおもしろい遊びだ、片付いたらまた家に来てくれるかな。」
「はい、いま一文無しなので明日いきます。」
「わかった。じゃあ来たばっかりやから今日のところはゆっくり休んで。」
「ありがとうございます、虎次郎さん、お邪魔しました。」
虎次郎さんの家を出て隣の自分の家に入った。するとシルビアが。
「良かったじゃない、仕事も見つかって。あら家具も揃っているわね、こんなものもあるわ、あなたにはもったいないぐらいいいじゃない。」
「俺もそう思ったで。」
シルビアと俺は大きな家を探索していた。
ハワイアンな感じのインテリアでベットもキングサイズだ。俺とシルビアはベットに飛び乗った。
「でシルビアはいつまでここにいるんだ?帰らなくてもいいのか?」