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目がない僕  作者: 井黒 薯蕷
6/11

嘆き

僕は 森の中に1人さまよっていた

周囲からはパトカーの声が聞こえてくる

『死にたい..』『このままいなくなりたい』

という 2つの慈悲の言葉が僕の心に

生まれていた


僕の姿は害悪を引き起こす 神鬼そのものだった。


こんな醜い姿になって 僕は どうすればいい。

と自分を攻めた


諦めかけた瞬間..

目の前が 真っ暗になった。 いつもの

白いモヤのようなものとは違う、

何も見えない真っ暗闇


その中に1人 ポツリと立っている少年がいた


顔も見えない 光さえない..


『 何だこの世界は 僕の哀れみの声から出来てしまった世界だとでもいうのか、教えてくれ』

僕はその少年に問いかけた

そういうと少年は細々とした声で

『お前にはまだやるべき事がある』

と呟いた

『やるべきこと?』


その瞬間 我に返ったかのように 僕の視界は正常に戻っていた

だが なぜか 僕の身体は震えていた。なにかに怯えるかのように


目を開けると その少年はもういなかった。

なんだったのだろうか、ただの幻ではなかったような、


ふと 自分の身体を見ると 醜いゴツゴツとした

鬼の姿が消え

なんと【人間の姿】に戻っていた。


嬉しさのあまり無意識に涙が止まらなかった


だが状況は何一つ変わらない

友を失い 居場所も失い 信用もなにかもを

失ってしまった。

たった一瞬の出来事で。


そして 僕は 親も兄弟もいない

-天涯孤独-なのだ


だが いつまでも嘆いている時間がないことだけは

理解していた

何故 体が戻ったのか 何故いきなり 鬼になってしまったのかはまったく検討もつかなかったが


今朝の動画にもあったように はっきりとは

していないが 僕のように鬼化してしまう人が

いること、本に記されていた 神鬼というものは

僕1人ではないということを 思い出し


僕は1人 森の中で1つの 決意をした


【もう4人の鬼を見つけ この現象の正体を

解き明かす】


そのためには 上京をし、もっと広い町にいって

情報を手に入れる必要がある


これが僕の もう1つの人生の始まりだった。


全てを投げ捨てて。










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