絶望
僕の名前は 東方 羅蝉
山の近くの 怨霊や霊を見る 霊媒師の家に生まれた2人兄弟の弟だ。
羅蝉という名前は 近くの村の 千里村で神として祀られていた 村を救い 民に生をもたらすという羅鳥というものの名前から取られたらしい
兄は僕が物心をつく頃からずっと一緒にいて 兄の飂母の紗枝 父の康太 と僕の4人家族で
幸せに暮らしていた
だが 僕が7歳の ある日の夜突然 千里村が突然発火し大火事を起こした という情報が入り避難をすることになったらしい
僕は小さいころで 夜も更けていたのでよく覚えていない
父 母は荷物をまとめ 僕達の手を引き家を出ようとした瞬間 僕の目の前に 白い光のようなものが見えた。
そこから僕はこの日の記憶がまったくない
衝撃の出来事で僕は気を失っていたらしく
時が経った頃には 少し懐かしい 街の小さな小屋で
横たわっていた
僕は目を覚まし 体を起こし 辺りを見渡した だが
そこには 家族の姿はなかった 小さな僕にはそこではまったく理解が出来なかった
そこに 小屋の扉が開き 1人の年老いた老人が
入ってきた。 『やっと目が覚めたのかい』
声をきいて 僕はハッと我に返った それは
僕の出産の時に立ち会ってくれていた
母方のお母さん、僕のおばあちゃんだった
『どうして僕はここに?』と尋ねると
曇った表情で 『 千里村が全焼したのさ 村の周辺の家まるごとね』と言った
この一言で 僕は全てを理解し、察した
もう 家族はこの世にいない..もう姿さえ見えない
もう声は届かない
僕は 泣いた 僕の声は 小さな小屋を響き渡った
一日中 止むことなく、