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目がない僕  作者: 井黒 薯蕷
3/11

絶望

僕の名前は 東方(とうがた) 羅蝉(らせん)

山の近くの 怨霊や霊を見る 霊媒師の家に生まれた2人兄弟の弟だ。

羅蝉という名前は 近くの村の 千里村(せんりむら)で神として祀られていた 村を救い 民に生をもたらすという羅鳥(らちょう)というものの名前から取られたらしい

兄は僕が物心をつく頃からずっと一緒にいて 兄の(ろく)母の紗枝(さえ) 父の康太(こうた) と僕の4人家族で

幸せに暮らしていた


だが 僕が7歳の ある日の夜突然 千里村が突然発火し大火事を起こした という情報が入り避難をすることになったらしい

僕は小さいころで 夜も更けていたのでよく覚えていない

父 母は荷物をまとめ 僕達の手を引き家を出ようとした瞬間 僕の目の前に 白い光のようなものが見えた。

そこから僕はこの日の記憶がまったくない


衝撃の出来事で僕は気を失っていたらしく

時が経った頃には 少し懐かしい 街の小さな小屋で

横たわっていた

僕は目を覚まし 体を起こし 辺りを見渡した だが

そこには 家族の姿はなかった 小さな僕にはそこではまったく理解が出来なかった

そこに 小屋の扉が開き 1人の年老いた老人が

入ってきた。 『やっと目が覚めたのかい』

声をきいて 僕はハッと我に返った それは

僕の出産の時に立ち会ってくれていた

母方のお母さん、僕のおばあちゃんだった

『どうして僕はここに?』と尋ねると

曇った表情で 『 千里村が全焼したのさ 村の周辺の家まるごとね』と言った

この一言で 僕は全てを理解し、察した

もう 家族はこの世にいない..もう姿さえ見えない

もう声は届かない

僕は 泣いた 僕の声は 小さな小屋を響き渡った

一日中 止むことなく、


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