混沌
いつも通る 学校の帰り道 家近くの神社の前の
道に ホコリを被った やけに分厚い 本が落ちていた
『何だこの本 ホコリが被って タイトルも見えやしない』
そういうと 太一は 本を手に取り ホコリを払った
すると そこには 【神鬼の再来】と書いてあった
神鬼とは はるか昔 僕達の住む この樹鬼島を
支配していた 不死身の5人の鬼たち という 言い伝えの中に出てくるものだった
『どうせ こんなんただの古くからのくだらない話だろ』
僕がそういうと 太一は うなずいた様子で
『なんか気持ち悪いから この本 お前にやるよ』 と
この本を僕のカバンにいれた
ただの分厚い本だと思い 断るのも面倒だったので
そのまま 家に帰った
太一と別れ 家に着いたあと 僕は自分の部屋の机に座り 何故か 無意識に その本に手が動いていた
そして 古びた 帯のようなものを外し 本のページを開いていた そこには 今の文字とは違う 古代文字のような ものが記されていた
その横には 馬鹿げた大きさの 神鬼と呼ばれる
五体の鬼と 共に 火 水 土 風 闇 と 書かれた
五属性のようなものが 描かれていた
その中の1人 戦火の鬼 羅蝉と書かれた鬼を見た時僕は何故か少しゾッとした なぜなら 僕の下の名前と字も読み方も一致していたからである
その日は夜も更けていたため ただの偶然だろうと思い 本を閉じた