嫉妬少女
あけましておめでとうございます。蔵餅です。
さて、今回はまた友人からのネタ提供でできたものです。
しかし書いてて思ったのがかなりグロイと思います。(自分は大丈夫ですが・・・)
知り合いの小説家さんでもそういったシーンは若干遠慮して書いているのに、自分は・・・
まあこれでも少しは遠慮しているつもりですがね。
さて、そろそろ文句を言われそうなので終わるとしましょう。
何かありましたら、ぜひ感想等よろしくお願いします。
冷たい外気が肌に触れるのは、あまり好きではなかった。
腕時計をちらりと見てみると、待ち合せからすでに3時間が過ぎていた。
もしかしたらまた、彼は来ないのかもしれない。
いったいこれで何度目だろうか。
あの日見た光景は、やはり真実のようだ。
周りでは大勢の男女が、私の後ろにあるツリーを囲むように歩き回っていた。
まるで私に見せつけているようで、とても恨めしかった。
ああ、ああそうか。
私は、孤独なんだ。
誰からも愛されず、誰からものけ者にされる私は、ただの邪魔ものなんだ。
私はゆっくりと歩きだした。
一歩一歩、地面を踏みしめながら歩きだした。
この人ごみのせいか、歩いていると3人組の男性にぶつかった。
「痛っ。おい、ちょっと待てよ」
そのまま通り過ぎようとした私の肩を、彼らはつかんできた。
「ぶつかってきといて謝罪の一つもないのか?」
大声で彼らが言ったせいで、周りの視線は私たちに集められてた。
携帯で写真を撮る人や、警備の格好をした人が必死に人の波を掻き分け、私たちの方へ向かっているのが見えた。
「・・さい・・・・・」
ぼそりと私がつぶやくと、彼はかっと目を見開きこぶしを振り上げた。
その拳が私に振り下ろされたとき、歓喜の声が私の中から沸き上がってきた。
鞄に手を突っ込むと家から持ってきた冷たく光る包丁を取り出し、そして・・・・・
彼ののど元を切り裂いた。
「か・・・ないな・・て」
大きく開かれていた眼はゆっくり生気を失っていく。
後ろの二人は何が起こったのがわからないといった様子で、崩れ落ちた彼をただ見つめていた。
何が起きたのかを理解すると、その表情はゆっくりと絶望の色に染まっていく。
腰が抜けたのかへたりと這いつくばり、必死に逃げようとする。
私は彼らにゆっくりと近づくと、四肢を切り裂いた。
ドスのきいた叫喚の声が私の鼓膜を揺らすと、周りが騒がしいことに気が付いた。
先程まで幸せムードだった広場は誰の姿も見えなくなり、ぽつんと置かれたくまの人形が、どこか迫力を醸し出していた。
そして広場の向こうではサイレンの音が大きく鳴り響いている。
広場の奥にある丘の向こうから、がやがやと声が聞こえる。
またゆっくりと足を進めると警官らしき服装をした男が黒い金属物体を構えながら、近づいてくるのが見えた。
「そこで止まれ!」
男は震えた手で拳銃をこちらに構えると、大声で叫んだ。
私は立ち止まると、またぼそりと呟いた。
「こんな世界・・・・・いらない!」
<上位技能 『紅』の完全開放を確認しました・・・・・・>
知らない声が私の中で響くと、目に映った世界が紅く染まっていった。
そこからは一瞬だった。
私の目に映っていた視界は大きく回った。
思わず目を瞑ってしまったぐらいだ。
再び目をかけると、そこは地獄だった。
あたりは赤い血で染まり、人だったものは原形をとどめることなく散らばっていた。
「あ、あ、ア・・・・・・・」
私は、また歩き出した
「ゼッタイニ、ユルサナイ」
体を醜く変質させながら・・・・・